創造的地域社会: 中国山地に学ぶ超高齢社会の自立

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  • 新評論
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794809018

作品紹介・あらすじ

産業・自治・コミュニティを知恵と工夫で創りだす。全国で最も人口減少率・高齢化率が高い中国山地の「自立」に向けた独創的で豊かな営みに、「超高齢・成熟・脱成長の時代」の指針を探る。

感想・レビュー・書評

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  • オーナー:上村修三
    「創造的地域社会(創造農村)を次の世代につなぐヒントがこの本にはこめられています。」

  • この本では、高齢化、過疎化が進む農山村・中山間地域において起こっている創造的な変化についてで

    ある。高齢化によって自らの農地を耕作することができなくなったり、過疎化によってバスのような公

    共交通機関が維持できなくなる中で、こうした地域は人が住まなくなり、寂れていく一方なのか。
    そうした地域の中に、住民の自治による新しいコミュニティのあり方が起こりつつあるというのが、事

    例を上げながらこの本の中で紹介されている。例えば、広島県安芸高田市高宮町の例である。山村に唯

    一のスーパーとガソリンスタンドが閉店した後、住民が全員で出資し、店舗とガソリンスタンドを自主

    運営し始めたのである。この自主運営している地域の協議会が、市の委託を受けてバスを運行したり、

    デイサービスを提供するなど事業を広げている。これらは本来ならば、市が行うべきものであるが、市

    が行うよりも住民にあったサービスが提供され、自主運営されることで様々な工夫がされるという。
    他にも、家族経営であった農業が、集落営農の組織を核にして継続、維持されるだけでなく、この組織

    が高齢者の外出支援サービスなど他のサービスの担い手にもなっている。集落営農に関しては、推進役

    になったのは地域の女性たちであることも重要。先祖代々からの土地を手放せないという男性陣に対し

    て、実際に農業をしている女性たちが、本来あるべき姿を模索しながら集団で農業を営む形を見出して

    きた。コミュニティというものの底力を感じさせる話。
    著者が女性なので女性の視点からの話が多いが、積極的な女性は本当に創造的な仕事をしてくれるとい

    う良い見本になる本である。

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プロフィール

大阪市立大学大学院創造都市研究科准教授。1975年、京都市生まれ。大阪市立大学大学院経済学研究科後期博士課程単位取得退学。博士(経済学)。島根県立大学講師、准教授を経て現職。専門は地域産業論、地域社会経済。現場でのヒアリングや対話をとおして、地域産業や地域経済のあり方を研究。著書『創造的地域社会』(2012年、新評論)、『ローカル志向の時代』(2015年、光文社)など。

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