イケアとスウェーデン: 福祉国家イメージの文化史

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  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794810199

作品紹介・あらすじ

青と黄色に塗られた巨大なイケアストア。シンプルかつデザイン性の高い家具や日用品を低価格で販売する、スウェーデン生まれの家具販売店である。世界二七カ国に三一五店舗を展開するイケアには年間七億人を超える人々が訪れ、総売上高は二八七億ユーロにのぼる。
 イケアの魅力は、価格が安いことに加え、「北欧らしさ」を特徴とする商品ラインナップにあると言ってよい。北欧諸国はデザイン先進国であると同時に、人々の生活の安定と暮らしの快適さを追求してきた福祉先進国でもあり、イケアの商品にはこうした北欧のイメージと理念が織り込まれている。さらに、イケアは従業員の働きやすさを重視する企業としても知られている。フラットで風通しのよい企業文化もまた、民主的で平等な福祉国家スウェーデンとのつながりを感じさせる。
 本書は、従業員に働きやすい職場を提供し、消費者には快適な暮らしを低価格で提供してきたイケアの文化について、そしてその最大の特徴であるスウェーデンとのつながりについて分析したものである。
 国際ブランドとしてのイケアのイメージは、創業者の出身地スウェーデン・スモーランド地方ののどかな風土を反映したものとされている。本書の著者はこれをイケアのビジネス戦略として分析し、こうしたイメージがどのようにつくられてきたのか、社内外でどのように作用してきたのか、そしてイケアの成功とどのように結びついているのかを解明している。さらには、スウェーデンの国家イメージにもイケアが多大な影響を与えてきたこと、両者が相互作用を及ぼしあう関係にあることを指摘し、イケアとスウェーデンがともにつくりあげてきた「イメージ」の歴史を文化史として描き出している。(おおた・みゆき 一橋大学大学院社会学研究科准教授)

感想・レビュー・書評

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  • EU企画展2023「EUの北と南スウェーデンとマルタにフォーカス!」 で展示していた図書です。

    ▼金沢大学附属図書館の所蔵情報
    https://www1.lib.kanazawa-u.ac.jp/recordID/catalog.bib/BB19750936

  • ☆イケア・ブランド=スウェーデン・ブランド
    風光明媚なスウェーデンのイメージはいつできたか判らないが、おそらく、戦後ではないかなと思う。ヒトラー効果?

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著者プロフィール

Sara KRISTOFFERSSON 1972年生まれ。スウェーデン国立美術工芸大学(Konstfack)教授。専門は美術史、デザイン史。ジャーナリストとしても活動し、デザイン、建築、ポピュラー文化に関する記事をスウェーデン国内の新聞や雑誌に多数寄稿している。

「2015年 『イケアとスウェーデン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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