子どもとともにする「教育ドキュメンテーション」 探究が深まる保育実践

  • 新評論 (2024年6月17日発売)
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本 ・本 (200ページ) / ISBN・EAN: 9784794812667

作品紹介・あらすじ

保育者と「小さな人(子ども)」たちの会話と行動にあなたは目を見張ることになる。
探究的な活動を媒介する「教育ドキュメンテーション」

 イタリアのレッジョ・エミリア市の幼児教育の要素として、日本の保育現場でもよく知られている「ドキュメンテーション」だが、それは、子どもの姿や保育活動の様子を写真などで記録し、それを作成することだけではない。本来の教育的な機能は、子どもと保育者が一緒に保育実践を創造するために活用することなので、スウェーデンではそれを重視して「教育ドキュメンテーション」と呼んでいる。
 本書は、『スウェーデンに学ぶドキュメンテーションの活用』(新評論、2018年)の続編となるが、教育ドキュメンテーションを試みた結果、どのような保育実践が生まれるのかを、名古屋市の「(福)共育ちの会」の三つの保育園における実践例を通して紹介した。各園の実践は試行的な段階ではあるが、ドキュメンテーションを作成して保護者に発信するだけでなく、それをもとに保育者同士が意見交換をしている様子や、子どもと保育者が話し合い、子どもたちの興味や疑問、考えを保育実践に取り入れている様子がリアルに描かれている。また、子どもたちの探究が広がり、深まっていることも分かるだろう。

感想・レビュー・書評

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  • 投票フォーム【政治・経済・教育】No.57

  • 岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
    http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00657534

     「教育ドキュメンテーション」とは、記録=ドキュメンテーションをもとに、保育者と子どもたちが話し合って活動を振り返ったり、今後の方向性を決めていくという取り組みのことです。「ドキュメンテーション」は、保育の最前衛として知られるイタリアのレッジョ・エミリア市の幼児教育アプローチの要として、日本の保育現場でもよく知られています。しかしそれは、単に子どもの姿や活動の様子を写真や動画で可視化・記録し、それを保護者に発信し共有することではありません。もちろん、子どもたちの遊びを通した学びや育ちの姿を伝えることも有意義ですが、ドキュメンテーションの教育機能の中核は、子どもと保育者が一緒に保育実践を創造するために記録を活用することにあります。スウェーデンではこの点を重視して「教育ドキュメンテーション」と呼んでいます。
     本書は、拙著『スウェーデンに学ぶドキュメンテーションの活用』(新評論、2018年)の続編ですが、日本での教育ドキュメンテーションの実践紹介により焦点を当てています。共著者の山中氏が理事長を務める、名古屋市の社会福祉法人「共育ちの会」の3つの保育園における実践例がそれです。いずれの園も試行的な段階ではありますが、ドキュメンテーションを保護者と共有することにとどまらず、それをもとに保育者同士が意見交換をしたり、子どもと保育者が話し合い、子どもたちの興味や疑問、考えを保育実践に取り入れたりしています。本書を読むと、子どもたちの柔らかな感性、鋭い観察力、自らの経験や知識に基づいた思考、枠にとらわれない発想、知恵を出し合い協働する姿など、豊かな探究の世界が広がり、深まっていることが分かるはずです。わが国の幼児教育・保育では、いま「遊びを通した学び」とは何かが問い直されています。教育ドキュメンテーションは、その1つの答えとなるでしょう。
    (出版社HPより)

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著者プロフィール

愛知淑徳大学福祉貢献学部教授(子ども福祉専攻)。2000年にストックホルム教育大学に短期留学して以来、スウェーデンの研究者や保育者との交流を深めつつ研究を行っている。共著書に『なぜ世界の幼児教育・保育を学ぶのか』(ミネルヴァ書房、2017)など。

「2018年 『スウェーデンに学ぶドキュメンテーションの活用』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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