ハロウィーンがやってきた (ベスト版 文学のおくりもの)

  • 晶文社
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感想 : 17
  • Amazon.co.jp ・本 (198ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794912459

感想・レビュー・書評

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  • 「世界中のオレンジ・クラッシュやニーハイのソーダ水が泡をふいて栓をとばし、浮かれた蜂が若い娘たちを刺そうと田園にむれをなした」日に生を受けた陽気な少年・ジョー・ピプキン(【これポイントかも】名前がパンプキンに似ている)がなかなか姿を現さない。しかも、彼を連れ去ろうとしている何かからは、死の気配がーー。

    彼がいないハロウィーンなんて考えられない友人たちは、ピプキンを求めつつ謎の骸骨男に誘われながら、遊びではない通過儀礼としてのハロウィーンの歴史を旅し、その起源に迫っていきます。

    基本のストーリーはシンプルなので、その分、レイ・ブラッドベリらしいイマジネーションのほとばしりを、詩情たっぷりの文章表現で目いっぱい味わい尽くせます★

    ハロウィン童話でここまで引き込まれるとは思いもしなかったのですが、こう書くしかありません……、これ本当に、素晴らしく面白かった!と。
    ブラッドベリが持つトーンとハロウィンという行事との奇跡的なまでの共鳴で、奥深い喜びのある読書になりました。

  • 小中学校の図書館ではおなじみだった晶文社の「文学のおくりもの」シリーズ。ブラッドベリではこれと「タンポポのお酒」が入ってたけど、当時は読まなかったのよねえ。今回、棚を整理しようと手をつけたものの「タンポポ」は挫折…やっぱり出会いどきというものがあるよねー。

  • 昔は書店で見つけた著者の作品は全て購入していた。
    儚い物語が好きなんだけどこれは少しパラノイアだ。

  • 幽霊屋敷の主であるマウンドシュラウド氏が導く〈未知の国〉で、「ぼくたち」と一緒に、愉快に、陽気に、ときどき戦慄してハロウィーンの歴史が学べる物語。

    吊り下げられた千のカボチャが笑う、嗤う、哂う。楽しげに、悲しげに。その目と口の奥にちらつく「赤」は、毎晩葬り去られる太陽か、虐げられた神々の流した血か、魂を解き放つ炎か、あるいは自らの命の輝きか。あらゆるものが刈り取られる10月31日。死者を忘れるな、死を忘れるな、生と死は隣合わせだ、と空の眼窩は語りかけてくる。

    『〈いたずら〉か、〈もてなし〉か?』の答えは決まっている。
    《2014.10.03》

  • 素敵な雰囲気でよかった。不思議な感じが好き。

  • 巨大なハロウィーンツリーの下、トリックorトリートの最中に消えた仲間を探して、少年たちはハロウィーンの本当の意味を知る旅に出ざるをえなくなるのであり。

    この行事が本来どういうものなのか、知る入口になる物語。
    ヤングアダルト(中高生くらい)向けの、読み応えのある本。

  • ハロウィンの夜、友達を救い出すために少年たちは時間を超え空間をまたぐ冒険へと飛び出す。
    ハロウィンの起源を辿る冒険譚であり、少年たちの友情物語でもあります。それは情緒的な文章によって、より一層色濃いものとなっています。また、世界各国の死に関する祭の描写にゾクゾクさせられます。日本ならば、さながらお盆でしょうか。映像で見てみたいなとも思わされる作品でした。

  • アメリカ中西部のとある町。
    ハロウィーンの夜、謎の男マウンドシュラウド氏に導かれ、8人の少年が時をさかのぼる。
    古代エジプトのお葬式に、ギリシャの〈死者の祭り〉の真っ最中に、ドルイド教の祭礼に、〈十月のホウキ祭り〉に、〈死者の日〉を祝うメキシコの夜に。
    様々な時代と場所の〈ハロウィーン〉を、彼らは味わいつくすのだ。

    不思議な旅を通して、少年たちがハロウィンの歴史、本当のハロウィンとは何かを知る物語。
    個人的感想としては、ストーリーがどうのと言うより、とにかく雰囲気を楽しめ!!って本である。

    今でこそ子どもの仮装がメインのハロウィンだが、元々は死者と生者の交わる日、宗教的な意味を持つ日だということを思い出させてくれる。
    恐ろしくも妖しい世界――ミイラや魔女や悪魔のうごめく、闇の世界の魅力が満載だった。
    ハロウィンが日本に浸透してきたとは言え、このワクワク感とほの暗さは、本場(?)の人にしか描けないのだろうなあ…としみじみ思う。

    心惹かれたのは、マウンドシュラウド氏の家の裏庭に立っている「ハロウィーン・ツリー」。
    その木には、ありとあらゆる形、大きさ、色をした一千個のカボチャが、一千の笑みを浮かべてぶらさがっているのだ。
    カボチャに火がともるシーンがすごく美しくて、想像しながらうっとりしていた。

    詩的かつ情感たっぷりの文章も好み。「ヨーロッパは魔女の洪水だ!」とか、比喩表現が多彩。

  • 13歳の悪戯好きな少年達は
    ハロウィーンの夜に「幽霊屋敷」に忍び込み
    不思議な男と出会った。
    その男は「ハロウィーンとは一体何だ?」と
    少年達に問いかけた。
    そして少年達は、ハロウィーンの秘密を探る
    不気味で不思議な冒険へと繰り出すのであった・・・
    (院生アルバイトスタッフ)

  • いわゆる「ジャケ買い」。10月になり、ハロウィンのディスプレイが目に付きだした矢先に、書店で平積みされたいたこの本と目が合い即買い。とにかく、装丁と挿絵がとても良い。タイトルは、原題の「The Halloween Tree 」の方が良い。<br>内容は、レイ・ブラッドベリによる、少年向けファンタジー。ハロウィンの仮装をした少年たちが、友人の命を救うため、ハロウィンの起源を辿るというのがストーリー。ハロウィン・ツリー(クリスマス・ツリーに対抗?)という発想とか、ハロウィンの起源を辿る、とか、ワタシ的に魅力的な要素がいっぱいなんだが、どうも、叙情的なブラッドベリ節がイマイチ性に合わなかったかも…。ハロウィンとは結局、「メメント・モリ (Memento mori)」ってことなんだね。(2006 Oct)

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著者プロフィール

1920年、アメリカ、イリノイ州生まれ。少年時代から魔術や芝居、コミックの世界に夢中になる。のちに、SFや幻想的手法をつかった短篇を次々に発表し、世界中の読者を魅了する。米国ナショナルブックアウォード(2000年)ほか多くの栄誉ある文芸賞を受賞。2012年他界。主な作品に『火星年代記』『華氏451度』『たんぽぽのお酒』『何かが道をやってくる』など。

「2015年 『たんぽぽのお酒 戯曲版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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