ジャズ・カントリー (文学のおくりもの ベスト版)

  • 晶文社
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794912466

作品紹介・あらすじ

ぼくはトランペットに夢中。魂をゆさぶるあの響きがたまらない。ミュージシャンになりたいんだ!ニューヨークはグリニッチ・ヴィレッジのジャズメンの世界にとびこんだ白人少年の夢と葛藤をいきいきと描き、「最高の青春小説」と絶賛された話題作。

感想・レビュー・書評

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  • 刺さった。
    最初から最後まで最高だった。
    200Pくらいの本なのに、とても多くのことが詰め込まれていた。
    時に読んでいて動揺するほどくらってしまった。
    ブックオフで100円で買ったバーコードもない昭和51年刊行の少々焼けた本だけど、宝物みたいでこの本はずっと手元に置いておきたい。

  • アメリカの人種問題は、解決不可能ですね〜

  • いまでは絶版になってる文庫版を見つけたので、大学の授業で課題として読んで以来ひさしぶりに読んだ。おもしろかった記憶はあるけど内容を微塵も覚えておらず、当時この本を読んでなにを感じ取ったのか気になった。年齢によって感じ取るものごとが変わる作品だと思う。とてもよかった。

  • きのう読み始めてきのう読了。原書は1964年とかなり古い作品。
    ヘントフは、以前「ペシャンコにされてもへこたれないぞ!」を読んだときにも思ったのだけど、けっこう「時代」を感じる作風。モーゼの語り口なんかにけっこう明確なのかな。でもそれだけでもなくて、いい意味での「時代」という感じもして、そこが個人的には好き。どの時代であろうと、誠実に生きている感じがする作品は好きだなと思う。さすがコラムニスト、という感じに、あとがきの「《ジャズの国》に入り込んで」がわかりやすかった。
    でも翻訳は、もうちょっとどうにかならなかったのかなぁ。

  • 米国の著作家の中でもナット・ヘントフには最も影響を受けた。9・11後の文章も収録した著作集『アメリカ 自由の名のもとに』は真のリベラリストの苦汁とそれでも希望を見出そうとする強靭な意志が連ねられた啓示の書である。
    しかしヘントフに慣れ親しんだのは何と言っても膨大なジャズ評論だ。50~60年代、とりわけブルーノートやインパルスなどの時代をけん引したレーベルのライナーノーツにはほとんどこの人の名が刻まれている。LPレコードの裏ジャケにそれらはしっかりと印刷されていたのだから彼の文章も含めた一つのパッケージとして商品となっていたのだ。
    マイルス・クインテットでデビューしたばかりのコルトレーンの未熟さを酷評したが、フリー・ミュージックに入って大方にそっぽを向かれた彼を誰よりも支持したという有名なエピソードもある。
    大きな功績のひとつにCANDIDレーベルのスーパーヴァイザーとしての仕事がある。『ウイ・インシスト』『ミンガス・プレゼンツ・ミンガス』といった史上もっとも政治的に過激な作品はここから世に出た。黒人公民権運動、ベトナム反戦などの時代に急進的な新左翼だった。同レーベルは、ライトニン・ホプキンスやオーティス・スパンなどのブールスの秀作もリリースしてブラック・パワーを促進させたし、ボブ・ディランをいち早く支持したのもヘントフだった。
    本書は青少年向けに書かれたフィクション。プロのジャス奏者になるか大学にゆくかの進路で悩む中産階級の白人高校生を主人公に60年代のリアルなニューヨーク・ジャズ・シーンが舞台となっている。人種、コマーシャリズム、ミュージシャン同士の競合、自分との闘い。
    『ライ麦畑』よりずっとインパクトのある青春小説だし、音楽、文化、風俗、社会、政治思想小説とあらゆる読み方を可能にする力強い作品だ。
    もちろん彼の個人史は彼がユダヤ人であることを抜きにしては語れない。

  • ナット・ヘンホフってライナーノーツをいっぱい書いている人だな。モーゼと「ぼく」の関係に、「憧れ」という感覚を久しぶりに思い出した。

  • 青春文学の古典ですが、青少年ではなくとも、いろいろなことでもやもやと不安を抱えているときに読むと、元気を取り戻すことができる本だと思います。
    著者のナット・ヘントフは有名なJAZZの批評家でもあり、物語を形作っているJAZZの世界の雰囲気も楽しめます。

  • 定価1800円から7割引

  • トランペットに夢中の白人の少年が、黒人文化の象徴であるジャズの世界に飛び込んでいく。 当時は人種差別などもあって、現実を見ながら成長していく青春なかんじ。 僕はこういうの大好きです。

  • 少年の純粋な心。音楽が好き!ジャズが好き!それだけではうまくいかない。でもそれが一番なんだ!

  • 故・植草甚一さんはよくこの人の評論を引用してました。音楽好きな人にとっては、この心とミューズに出会う旅っていうのは、もうなんてうれしく切ないものだろう。困ったことに、これ読むと圧倒的にジャズが聞きたくなります。再刊したときにほんとにウレシカッタ1冊。それにしても、実はナット・ヘントフはロックの評論もしていて、時代的にジャニスやジミ・ヘンなんか見て書いてるんだが、そのあたりの評論を誰か翻訳してくれんもんかなあ

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