青空 (晶文社クラシックス)

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本棚登録 : 103
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794912633

作品紹介・あらすじ

ぼくは踏みにじられたぼろ屑だった。不幸を自分の身に引きよせ、死にかかっていた…。スペイン戦争前夜。まっ黒な予兆をはらんだ青空の下で、破滅に瀕したひとりの男。彼をうちのめした苦悶とはなんだったのか。嫌悪と倦怠と恍惚と-。「黒いイロニー」をもとめつづける孤独な魂の彷徨を、息づまるばかりの切実さで描く。著者自身によって発表まで20年間遺棄されていた、思想的作家バタイユの危険と魅惑にみちた傑作。

感想・レビュー・書評

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  • とびきり美しい愛人ダーティとの別離。自殺の真似ごと。戦争の予感。一見不潔な鉄縁眼鏡の―醜い―ユダヤ女ラザール。ラザールのストイックな厳しさにまで還元された処女の醜悪さに神性を見るのか。「ぼく」は自分の性癖に関するある秘密を打ち明ける。告白。
    ここでは死とエロティシズムが密接に結びついている。

    錯乱から病に伏していた「ぼく」は快復し、バルセロナでダーティと再会する。
    ゼネストから銃撃戦へ、スペイン内戦の勃発。そして最後はドイツへ。
    生と死のコントラストが眩しいまでの傑作。

  • 死ぬ時には棺桶に入れる本

  • この小説は本当の意味での小説ではない。もちろんプロットはしっかりしているし、人物にも人間味がある。ただ本当の意味での小説ではないといった理由は、バタイユの哲学が全面にでているところにある。バタイユ哲学の小説化という意味においてである。この小説が100年後に人々の本棚に居場所は見つけられないだろう。しかし、図書館のフランス文学のコーナーに寡黙に鎮座する可能性はあるかもしれない。小説好きな図書館秘書が除籍図書にせずに大切に保管していることを願うのみである。

  • 「ぼくは綱を引っ張っている犬のような状態だった。何も見えなかった。時間の中に、瞬間の中に。血の脈動の中に閉じ込められ、ちょうど、殺されるために縛られて、その紐を必死に切ろうとしている人間と同じ苦しみを味わっていた。もう幸福など全然期待していなかった。自分が何を持っているのか。もう全然わからなかった。」

    とても悲しいけど、泣くことしかできない。解決策などなにもないように見える。
    宗教にすがりつくしか、抜け道はないのかしら
    たましいのたかみを目指せば幸せになれるのかなぁ

  • 昏き魂に捧ぐ最後のアンセム。
    最後だ、最後。コレで終わりにしよう・・・

  • これが一番好きかな

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著者プロフィール

▼著者
ジョルジュ・バタイユ(1897-1962)

20世紀フランスの総合的な思想家。小説、詩も手がける。
生と死の狭間の感覚的かつ意識的体験に人間の至高の可能性を見出そうとした。
その視点から、エロティシズム、芸術、経済など、人文系の多様な分野で尖鋭な議論を展開した。キリスト教神秘主義、シュルレアリスム、ニーチェ哲学などに思想の影響源がある。

「2018年 『太陽肛門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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