- Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794912657
作品紹介・あらすじ
ケンタウロス、やまたのおろち、チェシャ猫など、東西古今の120の空想上の生き物を集めた辞典。
感想・レビュー・書評
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ボルヘスは、世界の神話や伝承、幻想譚などを取り入れた小説を書いている。本書は古今東西の幻獣たちを集めたコレクション。
正確な記述形式ではなく、そこから想像を広げボルへス的な解説が書かれていたり、幻獣からその国や民族性が浮かんだりして読み物としても素敵。
まず序文が良い。
「誰しも知るように、むだで横道にそれた知識には一種のけだるい喜びがある」
そうそう、本を読む理由、仕事の文章は頭に入らなくてもしょーのない雑学とかが頭に入るのはけだるい喜びに浸れるからだ!
さらに序文で、ボルヘスにとってこの幻獣辞典を編纂することはそういう喜びの行為であり、読者も分かち合ってくださるだろう…、と書く。
私がボルヘスを読むのは(たとえ理解できなくとも/^^;)、文章からボルヘスの喜びや愉しみが感じられるのが心地よいからだなと思う。
さて。一番最初に出てくる架空動物は「ア・バオ・ア・クゥー」どこかで聞いたような…?そう、ガンダムの要塞名ですね。監督が幻獣好きなんでしょうか。
解説では翻訳の柳瀬尚紀さんがボルヘスを文学界の怪物として紹介しています。
そうか、幻獣辞典とは、怪物が怪物を紹介している本だったのか。
なお、挿絵は絵本作家のスズキコージさん。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ボルヘスと柳瀬尚紀の最強タッグ。劈頭の「ア・バオア・クー」を見て「ここから採ったのか!」と唸らされた人は多いはず。
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2014/08/30
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ファンタジーでは御馴染みのものもあるが、ここで初めて聞く幻獣も多い。
出典も古代の神話からカフカの小説等の比較的新しいものまでと幅広い。
個人的にスクォンクがお気に入り。 -
興味のある部分だけ飛ばし読みだけど十分面白い。バハムートやカーバンクルといったどこかで聞いた幻獣や八岐大蛇の様な地方の幻獣、果ては「形而上学の二生物」なんて哲学的思考実験の産物まで、言語(と時々挿絵)によって厳重に管理された幻獣動物園の知的遊戯。見所は最後の翻訳者解説におけるボルヘスの紹介。「この書淫の怪物は常に図書館に住み、ありとあらゆる類いの書物を貪り食い、それをことごとく記憶の胃液にとかして想像力の臓腑を養い、そしてめったに忘却の排泄をしない。」幻獣たちを管理する者もまた、書物に住む幻獣だったのか。
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Googleのロゴがホルヘスでした。
Wikiで調べて気になった本がいくつかあったので登録・・・。 -
思ったより、退屈。ほんとに辞典みたいなので、ゲームやファンタジー小説書く人には良いのかもしれない。
もっとボルヘスっぽさが感じられたら良かったのにな…。
ア・バオア・クーも出てきて、あーココから来てるのか、アレは。とか、そういう面白さはあるかも。神話や伝承、小説など様々なところからかき集めた幻獣達の解説は、時間がある時にパラパラ読むほうが楽しいのかも。一気に読んでしまったので、味気なかった。 -
キルケルニーの猫が可哀想。知らなくてもよかった。
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村上春樹の名作『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』で、主人公が一角獣について調べるため参考にした本。
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5800.初、並、カバスレ、帯なし。
2011.9.17.松阪BF。 -
古今東西の幻想の動物をボルヘス流のフィルターを通して集めた辞典。『伝奇集』なんかに比べると気楽に読めるね。読むというよりも眺めるという感じか。
幅広い原典から引いてきてるのはさすがだけど、やはりどこか嘘臭い気がw。マルガリータ・ゲレロのイラストも独特の味わいで素敵。
ホルヘ・ルイスボルヘスの作品





