魔法の庭

  • 晶文社
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本棚登録 : 33
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794923059

作品紹介・あらすじ

蟹だらけの船。魚とりの少年。羊飼いと狩人。猫と警官。菓子泥棒。パルチザンと少女。動物たちの森-。地中海からアルプスにつらなる自然を背景に描かれた、ユーモラスで寓話的な、そしてみずみずしく爽やかな、11の珠玉の短篇。名作『まっぷたつの子爵』から、遺作『パロマー』につながる、カルヴィーノの多彩な魅力の原点をなす初期作品集。

感想・レビュー・書評

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  • 短編集。現代的なクールで透明感ある筆致で“おとぎ話”的に日常の出来事を描写する。物語性の20世紀的な表現。心理小説風で、軽妙な上品な作品。

  • 20代最後に読んだ本がこれですね。

  • '94.1読了。

    「魔法の庭」「動物たちの森」「菓子泥棒」がおもしろい。

  • イタロ・カルヴィーノの「魔法の庭」という題名で書いていたのね。

  •  カルヴィーノの初期短編集。このひとの創りだすイメージはほんとうにすごい。表題作の「魔法の庭」とか「蟹だらけの船」なんて「うわあ…」としか言いようがない。で、今挙げた作品はすごすぎて、あらすじを紹介できない。だから代わりに、別なやつを紹介させてもらう。<br />
     「菓子泥棒」という話を紹介しよう。これは若い泥棒がケーキ屋の金庫を襲う話だ。ところが時は戦時中、つまりお菓子が珍しい時代だ。そんなわけでこの泥棒はケーキを食べたくてしようがない。金庫よりもまずケーキ。ついついケーキに顔を埋めて食べまくってしまう。段々胸焼けしてくるんだけど、それでも食べずにはいられない。だってこんなにケーキがあるのなんて初めてなんだ。<br />
     と、まあこんな風に、ばかっぽい心理描写が続く。でもこれがカルヴィーノの魅力。ちょっとへんな事件に、ちょっとへんな気持ちがくっつく。物語はこうやって進んでいく。で、この変な感じを楽しんでると、あるとき突然「…ん?」と立ち止まってしまうものが生まれてくる。その「…ん?」の正体は読んでもらうしかない。きっと読んだときによって、生まれるものはちがうだろう。<br />
     これがカルヴィーノの短編だ。この「…ん?」を味合わせてくれる作家はなかなかいない。(けー)

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著者プロフィール

1923年キューバ生まれ。両親とともにイタリアに戻り、トリノ大学農学部に入学。43年、反ファシズム運動に参加、パルチザンとなる。47年、その体験を元に長篇『くもの巣の小道』を発表、ネオ・リアリズモ文学の傑作と称される。その前後から雑誌・機関誌に短篇を執筆し、49年短篇集『最後に鴉がやってくる』を刊行。エイナウディ社で編集に携わりつつ作品を発表、一作ごとに主題と方法を変えながら現代イタリア文学の最前線に立ち続ける。主な長篇に『まっぷたつの子爵』(52年)『木のぼり男爵』(57年)『不在の騎士』(59年)『見えない都市』(72年)『冬の夜ひとりの旅人が』(79年)などがある。85年没。

「2018年 『最後に鴉がやってくる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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