魔法の庭

  • 晶文社
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本棚登録 : 39
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794923059

作品紹介・あらすじ

蟹だらけの船。魚とりの少年。羊飼いと狩人。猫と警官。菓子泥棒。パルチザンと少女。動物たちの森-。地中海からアルプスにつらなる自然を背景に描かれた、ユーモラスで寓話的な、そしてみずみずしく爽やかな、11の珠玉の短篇。名作『まっぷたつの子爵』から、遺作『パロマー』につながる、カルヴィーノの多彩な魅力の原点をなす初期作品集。

感想・レビュー・書評

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  • 短編集。現代的なクールで透明感ある筆致で“おとぎ話”的に日常の出来事を描写する。物語性の20世紀的な表現。心理小説風で、軽妙な上品な作品。

  • 20代最後に読んだ本がこれですね。

  • '94.1読了。

    「魔法の庭」「動物たちの森」「菓子泥棒」がおもしろい。

  • イタロ・カルヴィーノの「魔法の庭」という題名で書いていたのね。

  •  カルヴィーノの初期短編集。このひとの創りだすイメージはほんとうにすごい。表題作の「魔法の庭」とか「蟹だらけの船」なんて「うわあ…」としか言いようがない。で、今挙げた作品はすごすぎて、あらすじを紹介できない。だから代わりに、別なやつを紹介させてもらう。<br />
     「菓子泥棒」という話を紹介しよう。これは若い泥棒がケーキ屋の金庫を襲う話だ。ところが時は戦時中、つまりお菓子が珍しい時代だ。そんなわけでこの泥棒はケーキを食べたくてしようがない。金庫よりもまずケーキ。ついついケーキに顔を埋めて食べまくってしまう。段々胸焼けしてくるんだけど、それでも食べずにはいられない。だってこんなにケーキがあるのなんて初めてなんだ。<br />
     と、まあこんな風に、ばかっぽい心理描写が続く。でもこれがカルヴィーノの魅力。ちょっとへんな事件に、ちょっとへんな気持ちがくっつく。物語はこうやって進んでいく。で、この変な感じを楽しんでると、あるとき突然「…ん?」と立ち止まってしまうものが生まれてくる。その「…ん?」の正体は読んでもらうしかない。きっと読んだときによって、生まれるものはちがうだろう。<br />
     これがカルヴィーノの短編だ。この「…ん?」を味合わせてくれる作家はなかなかいない。(けー)

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