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- Amazon.co.jp ・本 (396ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794923714
作品紹介・あらすじ
誰より愛しい父の声も、風が木々をゆるがす音も、洗濯女の歌声も、聞こえない。18世紀初頭のシチーリア。聾唖の少女マリアンナは、広大な領地をもつ貴族の家に生まれた。13歳で伯父に嫁ぎ、愛を知らぬままつぎつぎと子を産む。身を取りまく静寂が、少女を書物の世界へとみちびく。ゆたかに息づく内なるものに耳を澄ませつづけたマリアンナは、自由と愛、新しい時代の知性に、とまどいながらも目覚めてゆく。障害は、牢獄ではなく、開かれた窓となったのだ。そしてある日、船出の時が訪れる-。ジャスミンの馥郁たる香り、太古の海とアフリカからの風、落日を前にした豪奢な貴族社会を背景に、魅力あふれる登場人物によって織りなされる豊穣な物語。イタリアの代表的文学賞カンピエッロ賞受賞作。
感想・レビュー・書評
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なかなか強烈な本だった。舞台は18世紀のシチリア。家柄を気にするいいとこのお嬢さんが13歳で嫁に行く(伯爵とか公爵とか男爵とか)。自分の母親の兄に。なんでかと言うと、耳が聞こえないので貰い手がないから。その人の一代記。一応周りの人とは筆談する。しかし時々ホラーのように彼女に相手の情念が伝わる時がある。それがすっごい黒い。会話してなくても、人間同士の内臓の混ざりあったような人間描写に結構打ちのめされた。イタリアらしくまた女性作家であるゆえ、料理と服装の記述が多かった。しかしイタリア人はほんと情熱的だな。
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