土星とメランコリー: 自然哲学、宗教、芸術の歴史における研究

  • 晶文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (674ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794923868

作品紹介・あらすじ

メランコリー。人間の体内に存在する四つの体液の一つである黒胆汁によってもたらされ、土星の下に生まれたものの運命であるとされる。そして、それは人間を憂鬱におとしいれ、その意識を鈍磨させるとされた。古代ギリシアに淵源するこの体系は、西欧の自然哲学、医学・宗教、芸術の根幹に脈々と流れ、それらに大きな影響を及ぼし続けた。ピタゴラス学派、アリストテレスから、中世アラビアの占星術師、ルネサンスのネオプラトニストを経て、北方ルネサンスの巨匠デューラーに至るまで、この体系の起源と展開を精細にあとづけ、近代思想によって駆逐されたかに見える、破壊的なまでに洞察力にみちた人間観を発掘、まさにヴァーブルク学派の代表的成果というにふさわしい大著。

感想・レビュー・書評

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  • 古代より不幸な宿命を背負わされた土星の生まれを、中世、ルネサンスを経て、異教とキリスト教の融合を通して天才、高邁な女神のイメージに変えていく歴史が面白い。何かの束縛から逃れて自由に生きようとする人間の姿が見られる。

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