- 本 ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794925794
感想・レビュー・書評
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筆者は、東京日本橋で明治41年に生まれ、50歳を過ぎるくらいまで東京を出たことがなかったらしい。
植草さんといえば、なんといっても古書(古本といったほうがいいのかな)の収集家として有名で、印象に残るのは、うずたかく積まれた本の山の中でタバコを吸いながら雑誌を読んでいる一枚の写真です。この本でも、古書や古雑誌を買いあさっている自らの姿が随所に出てきますが、そうした収集家に独特のいわゆる該博な知識の披瀝のようなものは不思議に感じられなくて、新宿や渋谷などの街歩き、買い物、観察と人との交流が中心にたんたんとつづられています。あれだけの本を収集した人ですから、まあ変わり者、といってしまえばそれまでなのですが、そんな背景を感じさせないところが特徴的でした。
植草さんのこの本での叙述ははっきりいってとりとめがなく、生活のために、無理やり書いているところも多くみられるのですが、大正から昭和に至る時代をどう生きてきたかということが叙述の窓を通して伝わってきます。また、文体にも全く重々しさのようなものがなく、明治生まれの人が書いたとは思われないところがまた不思議なところでした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
第19巻 / 全40巻+別巻1
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1970年頃の小田急沿線から新宿、銀座、下町までの雰囲気を伝えるエッセイ。買い物するために出掛けるようなJJ氏の散歩術。
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[ 内容 ]
[ 目次 ]
1 いまの東京(経堂から新宿への繁華街を歩くとき;あるショッピング・センターで;新宿・ジャズ・若者 ほか)
2 むかしの東京(ぼくはもう昔の東京を思い出すことはやめる;まず簡単に自己紹介をしておきますと…;思い出す新しがり屋のぜいたく ほか)
3 ぼくの親しい友人たち(ぼくの交遊録;池波正太郎の二冊の本;池田満寿夫とぼく;五木寛之のよくスイングする文章)
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
生まれ育った下町の思い出をはじめ、東京との長いつきあいを散歩術を駆使し、いまの東京、むかしの東京、交遊録を語る。77年刊の新装版。
(「MARC」データベースより)
資料番号:010819993
請求記号:915.6/ウ
形態:図書
著者プロフィール
植草甚一の作品





