小さな本の数奇な運命 (シリーズ愛書・探書・蔵書)

  • 晶文社
3.19
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本棚登録 : 151
感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (90ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794926616

感想・レビュー・書評

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  • 『桜庭一樹読書日記』で目をつけた本。
    主人公は1冊の本。最初の持ち主のこと、持ち主の家族のこと、2番目の、3番目の持ち主のこと、そして、古書店にいた時のこと、を独白する小品。
    なにぶんイタリアの作品なので、出てくる作品に馴染みがないのがちとツライ。
    本好きとしては彼の中に書かれた物語も気になるのだけれど(作中にヒントになりそうなことがちりばめられている)、翻訳者もさじを投げているので確たるモデルはないのかも。
    古本屋で客に念波を送って一生懸命呼んでいる彼が愛しい。
    図書館で働いていた時、「たまたま」落とした本に異常に書き込みされてたり、「たまたま」手にとった時に妙な違和感を感じてよくよく見てみればずっと迷子になっていた探索本だったりしたことがけっこうあって、「呼ばれたな」と思ったものだ。

    カバー・作品制作 / 三ツ橋 渡郎
    ブックデザイン / 坂川 栄治+藤田 知子(坂川事務所)
    原題 / DIECIMILA AUTOBIOGRAFIA DI UN LIBRO (2003)

  • おもしろい視点だった。いつもは本を選んでいるけれど、選ばれる本から買う人を見るという作品。新鮮な感覚だった。でも、残念なことに、本文の中にちりばめられている欧米の作品が全然わからなかった。これがわかればもっと楽しめただろうに

  • 図書館で読了後に購入。本による独白本。本屋の棚で本に呼ばれている気がするとき、ひょっとするとひょっとして本当に呼ばれているのかもしれません。予定された期間内に第四の主人が見つからなければ、古紙リサイクルという名の死あるのみ。そんなシビアな運命を背負った一冊の古本が、ウィットに富んだ語り口でサラッと吐き出すセリフは不意打ちのごとく胸に突き刺さり、おいそれと手放すことのできない一冊になりました。

  • 本がかわいく思えてくる本。

    誰かに読まれることを待つ’本’ を主人公にしたお話。

    名作としてのプライドや、リサイクルの恐怖、
    女性に読まれたときのドキドキなど、
    微妙に愛らしい思考をする’本’です。
    (そんなこと考えそうだよなーって所を絶妙に突いてきます)

    犬とか猫とかだとよくありますが、
    本の擬人化は珍しいですね。

    人に薦めたいほど面白いかというと微妙ですが、
    翻訳のせいか、文学的でもあり、童話的でもあり、
    「雰囲気がある」ってのが率直な感想。

    残念なのは、私が海外文学に疎いせいで、
    出てくる名作の名前が半分以上わからないこと。

    もう少し知識があれば、ニュアンスも伝わったし、
    この’本’の 正体の推理も楽しめたのかなと。

    実質70頁程度でこの値段なので買うのは厳しいですが、
    図書館で借りて読む価値はあると思います。

    本好きで、文学的な作品が好きな人にいいのでは。

    まあまあオススメです。

  • ボリュームがあまり無いのもあるけど、必死に読んでしまって、あっという間に終わってしまった。本の人生って、面白い。
    もっとあの辺りの文学に詳しかったら、もっと理解できたのかなと思うと、悔しい。
    あとがきにあった、一人芝居を観てみたい。

  • 1冊の本である「ぼく」が、それまでの人生を語る本。
    本を擬人化という目の付け所は面白いなと思いましたが
    内容は「数奇」ではなく普通の本の運命という感じでした。
    話に出てくる本が馴染みのない本(洋書はあまり読まないので…)ばかりで残念だったけど、読んで良かった本です。

  • 050901

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