- Amazon.co.jp ・本 (374ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794927316
感想・レビュー・書評
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晶文社ミステリの第一巻なのに全然ミステリではないという謎。バークリーではなくアイルズ名義なのでうすうすそんな気はしていたけれど、でもこれはちょっと。扉には恋愛小説と書いてあるし。身勝手な男と女の不倫小説といってしまっては身も蓋もないが、まさにそう。読んでいて共感できるところがほとんどなく、これでミステリじゃなかったらやってられないな、と思ったらその通りだったのだから恐れ入る。アイルズには「殺意」という名作があるが、それに比べてこれは忘れられた作品であると解説で触れられていたが、忘れられるにはそれなりの理由があるということだ。最後にちょっと事件らしきものは起こるのだけど、まあエピソードていど。しっかりせいアラン!、ったく。
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遊びがすぎた。あまりよくない。
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アランの気持ちが分かるような分からないような・・・。
周りが自分より優秀なのばかりだと、自分で自分を褒めるしかなくなるよね。褒めすぎたら自分を見失うんだろうけどね。 -
未読
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アントニイ・バークリー名義でもミステリを出しているフランシス・アイルズの作品。ユーモア作家と聞いていたので、序盤の展開であれ?と思いました。感受性豊かな悩める青年の心理が語られます。同級生や恋人の前では見得を張りながらも優秀な家族の中で劣等感を抱き、自分の不甲斐なさに喘いでいる。少々長いくらいのこの布石が後半をよりユーモラスにしています。イブリンに限らず女性に限らず、いざという時はとっさに自分の身を庇うもの。そしてその行動に傷つけられたとしても、人間は強かにできているのです。このシニカルな笑いは、登場人物だけでなく自分にも向けられると思います。喉元過ぎれば熱さを忘れ、一度折れた骨はより強くなる。
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まるで恋愛小説かと思えるほどに序盤からずーっと仮面夫婦とそこに紛れ込んだ若い感受性豊かな青年の心の葛藤を描き続ける。まあこれがやたら感情移入しちゃってぐいぐい引っ張られる。しかし最後の最後で一気にミステリというかサスペンスというか、とにかくそんな展開が始まりそのまま最後まで持ってかれていくような感じ。特に最後のエピローグは最高。
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イギリスの作家で、もう亡くなった人?の作品らしい。
読み終わって脱力しました。
肺の病気で療養に来た学生アランと、滞在先の医師の妻ミセスポールが主要な人物。
前半は、繊細すぎる神経を持つアランは、ミセスポールの理解により、自分に自信を持っていく。その様がこちらにも伝わってきて、ワクワクしました。ミセスポールは素晴らしい女性と感じさせられ、こんなヒトに私もなりたいと思ったのさ。
中盤に入り、アランとミセスポールとの不倫関係。このころから、この女はただ者じゃないと感じ。。。
後半は、泥沼。。。やはり彼女は・・・。最後まで、ストーリー展開が読めなくて、次・次という感じで読み進みました。
読み終わり、脱力したものの、こういう作品が結構心に残るもんだよなと思った。