歌うダイアモンド (晶文社ミステリ)

制作 : Helen McCloy  好野 理恵 
  • 晶文社
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本棚登録 : 36
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794927354

感想・レビュー・書評

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  •  マクロイの短編集。予想外にバラエティに富んでいてびっくり。ウィリング博士が出てくるミステリはともかく、清朝末期の中国ものから空飛ぶ円盤?とか火星人が出てくるバリバリの古典SFまである。古き良きというかこういうのは楽しい。ドッペルゲンガーものはどこかで読んだようなと思ったら、以前読んだ長編「暗い鏡の中に」のプロットそのものだった。こんなに芸域の広いひとだったのか。

  • 短編集
    『東洋趣味』★★
     タイトルは違いますが早川の短編集『51番目の密室』の 『燕京綺譚』と同じものですね
     トリックよりシノワズリ感を楽しむ作 
    『Q通り十番地』★★
     人工合成食物以外不法となる未来
    『八月の黄昏に』★★
     子どもの頃父と目撃した飛行物体の謎
     オチがバレバレ過ぎて…
    『カーテンの向こう側』サスペンス★
     カーテンの向こうにある何かに恐怖する悪夢を見続ける女の話
     サスペンス色が強い
     得意の伏線がほとんどなくズルズル〜と後味の悪い落ちに
    『ところかわれば』★
     ファーストコンタクトもの
     テーマは搾取される少数派
    『鏡もて見るごとく』★★★
     ベイジル・ウェリングもの
     『暗い鏡の中に』の元となる短編。こっちの方が好いな
    『歌うダイアモンド』★★
     ベイジル・ウェリングもの
    『風のない場所』★★
     終末SF
    『人生はいつも残酷』★★★
     泥棒の罪を着せられ殺されかけた少年が
     数十年後に名を変え復讐の為戻ってくる

  • ミステリーとSFの短編がそれぞれ4編+中編のサスペンスが1編。

    SFは『ところかわれば』が面白かったけど、全体的に好みじゃない。

    ミステリーは
    『東洋趣味(シノワズリ)』
    古めかしい文体のせいか読みにくい。
    『カーテンの向こう側』
    アルレーの「わらの女」みたいで怖かった。雰囲気がクリスティーの「杉の柩」にも似てる。
    『鏡もて見るごとく』
    ベイジルもの。少し上手く行き過ぎ感があるけど、良かった。
    長編になったのも読みたい。
    『歌うダイアモンド』
    ベイジルもの。さすがにコレは無理でしょう。

    中編の『人生はいつも残酷』が一番良かった。
    短編では『カーテン〜』と『鏡もて〜』が好き。


    序文を書いたのが元夫っていうのがビックリ。

  • アメリカの女性ミステリ作家(1904-1993)の短編集。書かれたのはWWⅡ後〜1965年頃。

    ---
    私はあまり外国文学は読まないのですが(その土地の風土がわかっていないと読んでもあまり良さがわからなく十分に楽しめないから)、米澤穂信さんのtweet「こないだ読んだマクロイに藤子SF短篇「気楽に殺ろうよ」の元ネタと思しき一篇が入っていて驚きました。」から興味を持って手に取りました。なるほど、ミステリというか、星新一の世界に近い短編がいくつかあり、私は好きでした。長編ミステリも読んでみたくなりました。

    特に好きなのは「Q通り十番地」と「風のない場所」。「Q通り十番地」は近未来のSFの世界観が好きです。映画のイントロになりそうな印象的なシーン。世界の終末を描いた「風のない場所」もこのまま映画になりそうなきれいな情景が目に浮かびます。世界の終わりなのに。翻訳が良いのか、ありありと景色が見えました。しかも今それを日本が追体験するんじゃないかというリンク感にもゾッとしました。

    藤子・F・不二雄の「気楽に殺やろうよ」(1972年)が、「ところかわれば」(初出1965年)にインスピレーションを感じて書いたのかと思うと(真実はわかりませんが)面白いですよね。そういうことに気付けるだけの圧倒的な分量を読んでる(しかも本だけでなくマンガも)ってすごいことです。次は藤子氏のマンガの方を読んでみたいです。

  • SF作品混みの短編集

    火星人との文化の違いに笑った。

    そして最後の中編作品の出来にも面白味を感じた。わくわくさせる展開がうまいな、この人。

  • ヘレン・マクロイは短編の名手だったんですね。
    知りませんでした~。
    受賞作品が並ぶ名作揃い。
    しかもSFもある…
    ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアを連想しました。
    作者は1904~1992年。
    フランスに留学して、新聞の通信員等をしながら作品を発表。1938年ミステリ、デビュー。
    女性で初のアメリカ探偵作家クラブの会長になったのも納得の実力と知性。
    暗いイメージでしたが、幅広いんですね。

  • 面白いなぁ。「家蝿とカナリヤ」から入った口だからSFとかホラーには微妙な違和感がある…と思ってたんだけどそんなことない。その文章力と構成力、何よりその発想が凄い。面白い。「鏡もて見るがごとく」は名作「暗い鏡の中に」の元になった短編らしいけど俺はこっちのほうがいいかな。ロジカルだし。個人的ベストは「鏡もて見るがごとく」「歌うダイアモンド」「風のない場所」。特に「風のない場所」は感動。

  • 収録作品
    ・『東洋趣味(シノワズリ)』
    ・『Q通り十番地』
    ・『八月の黄昏に』
    ・『カーテンの向こう側』
    ・『ところかわれば』
    ・『鏡もて見るごとく』
    ・『歌うダイアモンド』
    ・『風のない場所』
    ・『人生はいつも残酷』

    SFは『Q通り十番地』、『八月の黄昏に』、『ところかわれば』、『風のない場所』辺りかな。
    正直言って、う〜ん、という感じ。
    発表当時はわからないけど、今読むと、使い古された普通のSFなんだよね。
    『ところかわれば』は藤子・F・不二雄の短篇で同じネタあったな。
    時代は関係ないかな。
    こないだ読んだデイヴィッド・イーリイの短篇はかなり昔のものだけど、結構強烈だったからなぁ。
    作家のスタンスの違いかな?

    そんなわけで、面白かったのは普通にミステリの『東洋趣味(シノワズリ)』
    異国情緒たっぷりで、入り組んだ路地のちょっと先も闇に包まれて伺い知れない、
    そんな魔窟のような中国の町が見事に書き込まれている。
    犯罪自体もコレクター心理、欧米人にとっての異世界のしきたり、に沿っていて満足。

    ちなみに表題作の『歌うダイアモンド』はミステリ。
    結構期待してたんだけど、こういうミステリは好きじゃないなぁ。
    どうしても、そんなわけないじゃん、という意見が先に出ちゃう。
    これがSFなら納得するんだけど(笑)
    ミステリ読みにはなれそうもない。
    初めてジャンル小説の壁ってのを実感した気分。

    『人生はいつも残酷』は中編で、日本版オリジナルで、原著には入ってないのかな?
    確かに薄くなっちゃうけど、これ省いてもうちょい安くしてくれればよかったのに。

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著者プロフィール

Helen McCloy

「2006年 『死の舞踏』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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