貧困旅行記

著者 :
  • 晶文社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (193ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794960702

感想・レビュー・書評

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  • 猫町紀行なんかは、中学校あたりの国語の教科書に載せて欲しい。誰もが一度は味わったと思う不思議な体験が、見事に文章化

  • 若き日の九州への蒸発行。養老鉱泉の宿の、ミシミシきしむ階段とかしいだ畳。親子三人、ヤドカリを放しにいった外房の大原。薄紫色の夕映えのなか、ちらりとその姿をかいま見せ、幻のように消えてしまった旧甲州街道犬目宿。山ずまいへの断ちがたい憧れを胸に訪ねた山梨の秋山村…。ふらり、村里や宿場、鄙びた漁村や温泉宿に足をのばせば、身も心も解き放たれ、平らかな思いに満たされる。「つげ式」旅行術の深奥を明かす、紀行13篇。(アマゾン紹介文)

    初めてのつげ義春さんの著作。なんて、あまり身構えてもいないのですが。
    常々顔を出す逃避癖というか隠居癖にはいくばくかの共感を覚えつつ、著者の方ほどにも達せられないなぁというのが正直な感想です。

    「また同じ四国に「落し宿」もあったらしいことを宮本常一は書いている」(P129)

  • 2018/04/05

  • 5年ぶりの再読。
    昭和の雰囲気に浸りたくて、昔ながらの純喫茶に通いながら少しづつ読み進めました。

    前読んだときより旅した場所が増え、年齢も重ねたからか、作品に、作者にぐっと親しみを感じました。

    これから何年かおきに読み返していくのが楽しみです。

  • 20160612 何年ぶりかの再読。今読んで感じる事の方が真実に近い共感が得られる。

  • 2016/5/26購入

  • 本書にある温泉や町、宿、全く知らなかった作家をところどころ検索。今もちゃんとあるのに驚き。いや、そんなに前の時代じゃないんだ・・・と思いながら。 それらの多くは検索すると必ずと言っていいほど「つげ義春が・・・」との解説も見受けられ、秘境や温泉経営を絶大なる影響力で支えている。おおっぴらに流行らなくてもつげ氏の力はすごい。 この旅日記を読んで旅というのはこのようにして、近いところにたくさんの掘り出し物件があったり、いろいろ心に光や影を与えてるものなのだ、私の今までの旅はまちがっとる!と思った。
    しかし、今のところ、つげ作品はこれにて休憩にしようと思った。影響力、濃いから(笑)。

  • 請求記号 291.09/Ts

    添えられた写真そのままにモノクロの情景が頭に浮かぶ、なにか心に引っかかる読後感を持つ作品です。

    逃避行の自暴自棄感だったりけだるさだったりといった感情と赤裸々にさらす行動とが次第にまとわりついてきますが、一方で私がこういう体験をすることはないんじゃないかという、超えられない一線を感じながら読み進めました。

  • 最近旅に興味があるので先人の旅を真似てみようと思いこれを借りたのだが、自分の思い描く貧困旅行とは似ても似つかぬものだった。最初の蒸発旅日記では旅先でのストリッパーとの一夜などの描写もありわくわくしながら読むことができたが、後半に進むにつれて個人的にはイメージのしづらい描写になっていたのが残念であった。

  • 作者は漫画家であり、竹中直人主演監督映画「無能の人」原作者。こんな旅館泊まれるの?というような写真が載っていたり、よくこんな所みつけたなぁという旅行記。片仮名の他、人名、地名を覚えるのが非常に苦手な私。もっと地理感があって、地名を覚えたら、何倍も楽しく読めそう。作者のやる気のないような虚脱感が好きです。

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著者プロフィール

つげ 義春(つげ・よしはる):1937年生まれ。漫画家。

「2024年 『つげ義春が語る 旅と隠遁』 で使われていた紹介文から引用しています。」

つげ義春の作品

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