鳥たちのふしぎ・不思議

著者 :
  • 晶文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (165ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794961358

感想・レビュー・書評

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  • 1.雄は華麗なアーティスト
    <フウチョウ類>
    ・きれいな羽とそれを際立たせるダンスを踊る
    ・より美しくて、その美しさを際立たせるのが上手な♂ほど♀と交尾できるチャンスが多い
    ・♀のいないところでも、♂同士でライバル意識をもって見せ合うということもある
    ・フウチョウ類の別名は極楽鳥。剥製になってヨーロッパに持ち込まれたときどれにも足がついていなかった。それで聖書に出てくる天国にすみ一生を風にのって過ごす鳥そのものに違いないということで風鳥、極楽鳥と呼ばれることになった
    ・踊りは基本的には遺伝的に決まっていて、それを洗練させるために、学習・経験などが必要になってくる
    ・若い鳥より、年取った鳥の方がきれい

    <ニワシドリの仲間>
    ・姿が地味なものほど美しい庭を作る
    ・鳥の世界の美しさを、われわれ人間が見て美しいと感じるのは、鳥の色覚、つまり色を感じる感覚と、人間のそれが非常に近いものだ、ということもひとつ影響しているでしょうな。

    ・フウチョウ類にしろニワシドリ類にしろ、ひとつの仲間の中に何十種といるから、お互いにはっきりと違いを区別するために違った美しさを表現する必要がある
    ・ネイティブな素材を使った芸術作品は、そんなにバリエーションがなく、結局、鳥の巣になったり、鳥のつくる構造物に近いような形になったりする

    2.子育てはおまかせ
    ・カッコウは相手が卵を温める時期にあわせて産む
    ・カッコウの仮親はカッコウの雛が卵を巣から放り出す時、腰をうかせて卵を押し出しやすいように手伝ったりする
    ・カッコウの子供は誰にでも大きな口をあけるため、近くを通りかかっただけでカッコウの子供に食べ物を与えてしまったりすることもある
    ・カッコウの雛は巣の中に消しゴムとか石ころなどを入れておいても押し出そうとする
    ・自分の背中に触れる自分以外の異物は巣の外に放り出してしまおうとする
    ・背中に卵をのせて巣の外に出そうとする時、背中から卵が落ちちゃっても、巣の端までそのままの姿勢であとずさって行って、いかにも背中に卵がのっているかのように、首をぐいっと起こして卵を放り出すようなしぐさをする
    ・一度背中にあたったものを巣の外に落とす
    ・托卵する小鳥の巣の方がたくさんある
    ・カッコウの雛は巣から出て1ヵ月半くらいは仮親の世話になる
    ・小鳥は普通、親からさえずりを学習するが、カッコウは遺伝的に決まっている
    ・仮親よりカッコウの雛の方が大きいから、餌をもらう時に口を大きくあけてわーっと持って行くと仮親が怪我をしてしまう可能性がある。そのため、カッコウの仲間は口をあけても絶対にバクバクやらない。あけっぱなしで、親が口に入れてくれるまで受身で待つ。
    ・自分よりも体の大きな鳥に托卵すると、背中に乗せて放り出すことができない。
    ・小鳥は大きいものに弱い。鶏の卵くらいのを巣に入れると卵の上でつるつるすべったりなんかして、ころがりおちてでもあたためようとする。でも、小豆くらいの小さな卵を入れると嫌ってはじいたり巣を捨てたりする
    ・カッコウの卵は仮親のより少しだけ大きい。色はチェックする。色が違うとだめ。
    ・完全に産座に入っていなければ自分の卵とみなさない
    ・ムシクイは色にあまりうるさくはない

    3.食うために考える!?
    ササゴイ・・・日中餌をとる。待ち伏せ型=投げ漁をする
    コサギ=追い込み漁、ゴイサギ=夜なので投げ漁はやらない
    カラスはどこに食べ物があるか知っているので暇=生活と関係ない遊びをやる

    4.旅から旅へ、地球をめぐる
    ・夜渡る鳥たちは星を見て、昼間渡る鳥たちは太陽を見て渡る
    ・昼間渡る鳥は、太陽の位置&地図&地磁気を利用して渡る。だから、曇っていると間違っちゃうこともある
    ・大きい鳥は昼間渡ることが多く、小さい鳥は夜渡ることが多い
    ・生まれて数ヶ月かの間に星空を見せないと、大きくなってから向かうべき方角が定められない
    ・星の中心(=見かけ上、天空の中心は「北極星」)を見定めるのが重要
    ・子育てをするためには自分が生きていく以上のエネルギーが必要。温帯地域より北極に近いところほど、爆発的に昆虫でも魚でも増える
    ・渡る先が厳密に決まっている。同じ鳥が毎年、同じ町の、同じ林の、同じ場所にぴったり帰ってくる・・・林の鳥
    ・よく群れになる小鳥はだいたいが種子食

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著者プロフィール

1936年札幌生まれ。41年両親とともに北京に渡り、47年引揚船に乗り帰国。北海道大学農学部卒業。農林省農業技術研究所に勤める傍ら、「三田文学」に作品を発表。72~89年自然観察会代表。82年「野餓鬼のいた村」で第14回新潮新人賞、83年「夢の壁」で第88回芥川賞、91年『尾崎翠の感覚世界』で芸術選奨文部大臣賞、2002年『長江』で毎日芸術賞を受賞。08年から財団法人北海道文学館顧問。日本野鳥の会会員。

「2015年 『尾崎翠の感覚世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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