内田魯庵山脈―「失われた日本人」発掘

著者 :
  • 晶文社
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本棚登録 : 17
レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (620ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794964632

作品紹介・あらすじ

埋もれていた内田魯庵の小篇に、見失われた知の原郷が隠されていた-。内田魯庵(明治元〜昭和4)。若くしてドストエフスキイの『罪と罰』を翻訳、丸善顧問として輸入洋書の大半に目を通し、『学鐙』を編集する。当代一の随筆家と目されながら、一度も流行児とならず、友はつくるが組織によらず、独自の道を歩く。近代日本の諸学(人類学・考古学・民俗学・美術史…)は、学校のようなタテ型でない趣味や遊びに根ざした市井の自由なネットワークに芽吹き、魯庵はその象徴的存在だった。本書は魯庵を手がかりに、近代日本に一貫して流れる知の最良の部分と粋な日本人たちを壮大な規模で掘り起こす、歴史人類学の達成。

感想・レビュー・書評

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  • 600ページに及ぶ重たい本である
    良くわからないままに手にとったが
    その実焦点のない訳の分からない内容である
    が、実に内容の深い風物詩というか
    思想的なことを対面を気にせずに語り抜いているようだ

    自主的な趣味と社会性を持った本業との
    二足のわらじを履いた人生を幸せと呼べるのだろうか
    しかも本業で功成り名を遂げた者にのみ
    税的にも公に趣味を持つ権利が認められる風潮の中で
    その主観すらも自主性を欠いた社会的圧力に
    そそのかされたものではないのだろうか

    本物であろうとあえてマイナーな暗闇を高楊枝しながら
    迷走した人は山ほどいたのだろう
    この魯庵なる人もその氷山の浮き出した一角の一人なのだろう
    多分著者の山口さんも浮き出た部分の一人なのだろう

    自分がこの魯庵に似ていると感じてしまうが
    社会の挑発に乗せられて二の舞を踏まないようにしたいと思う
    特に「結びにーー切れることのない糸」を読むにつけ
    ここにコピーしたいと思うほどに
    頷いてしまう自分がいるようで寒気がする
    せめて死ぬまでは海の波間に突き出すこと無く
    しかも静におそれを知ること無く
    無手勝流に冒険を愉しんで自分を全うできればと願う

  • 開国、そして異文化の流入によって花ひらいた転換期・明治。現在の素地となる様々な出来事や潮流が生まれた明治文化の多様性をご紹介します。
    <閲覧係より>
    内田魯庵とは、目立ちはせず無頼派の如く淡々と独自の道を歩むも、その随筆は当代一とも言われた文化人。先日逝去された現代の「知のノマド」こと山口昌男が掘り起こす魯庵と魯庵を取り巻く「近代日本に一貫して流れる知の最良の部分と粋な日本人たち」。そこには思索のヒントやアイデアが、まるで別世界への扉の如くちりばめられています。
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    所在番号:910.268||YAM
    資料番号:20061186
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プロフィール

1931年北海道生まれ。アジア・アフリカ言語文化研究所、同研究所所長、札幌大学学長等を歴任。文化人類学者として、西アフリカ、インドネシア、カリブ海諸国等でフィールドワークを行う。道化・トリックスターの分析、中心と周縁理論、近代日本の負け派に着目した敗者学を通じて、国内外の思想界に衝撃を与え、その広い学識は、文学・芸術等の分野にも影響を及ぼした。2013年逝去。

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