- Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794965608
作品紹介・あらすじ
巨人軍の桑田投手をはじめ、様々な分野からの注目を集める武術家・甲野善紀。人はふつう、関節を支点にして、「テコの原理」で身体を動かす。甲野師範は筋力によらない、「不安定」な身のこなしで、現役の関取すらもスルリとかわす。近代以前の人々は、甲野師範と同じような身体の動きをしていた。伝説としか思えない剣豪の逸話にもリアリティがあるという。このような身体観と、私たちが常識だと思っている身体観は、どのように違うのだろう。まったく異質の身体観から、どんな世界が拓けるのだろう。どんなヒントが得られるのだろう。そして、頭じゃなく、身体で考えるとは、どのようなことなのか。甲野師範のもとへ長年通った著者が、技の面白さと思想の核心を解き明かし、リハビリテーションへの応用など、広がりつつある活動を紹介する。混迷の時代を楽しく生き抜く、指南書ともなっている。
感想・レビュー・書評
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松聲館に参加された筆者の体験記
及び甲野善紀氏の武術を志すきっかけから
2003年位までの稽古会の内容概要
現代社会で凝り固まっている感覚を
そうと気付かせて、解きほぐす手掛かりに
なりそう
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網膜に投影される映像も、皮膚に感じる圧力も本来は二次元情報でしかない。それらを経験により脳が三次元に翻訳している。
西洋文明が入ってきて以来日本人が教え込まれてきた運動の原理は解剖学的に拠るものであり、全て支点と力点が措定されている。
人と人が相対し相手から作用を受けると、受ける方は相手方の力の支点を無意識に想定し、それに対抗しようとする。支点を持つ動きに支点を持つ動きで対抗するなら、力の強い方が必ず勝つ。
しかし、支点をなくしてしまえば、受け側は対抗するべき力の方向が分からなくなり、戸惑うことになる。
支点をなくした動きとは、腕一つ動かすにしても全身の筋肉と神経を総動員すること。
そのような動きは筋トレのような単純な訓練ではなく、常にそういう動きを心掛け、感覚を鋭敏にしていくことでしか会得できない。
太極拳などの中国拳法や合気道へのヒントが随所に見られる。 -
分類=武術・身体論。03年1月。