- 本 ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794968173
作品紹介・あらすじ
右肩上がりの指向から「踊り場」的思考へ、私たちの社会を転換させよう。コラムニスト・小田嶋隆と政治学者・岡田憲治の壮大な雑談
感想・レビュー・書評
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社会
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2015年9月16日読了。コラムニスト小田嶋氏と政治学者の岡田氏の、「日本」を論じる対談集。「現在と将来の日本を憂いている」「とはいえ過去の日本を美化するわけではない」お互いの立場が共通していて、かつお互いの思想・仕事を尊敬・尊重しあっている雰囲気が感じられ、対談の内容も興味深い。村上龍のコラムなどでもよく見かけるが、「どの政治家がどの層の利益を代表しているのか分からない」「対立軸がどこにあるのか分からない」ため、政治に興味を持つことができない仕組みが日本にあり、何でも欧米に倣うのが正しいわけではないが、「政治がビジョンを持って国を動かす」ことができないこの仕組みはまずいよなあ・・・さりとて自分はどこから手をつけることができるのか・・・と絶望的な気分にもなる。何事に対しても理性的に、批判的態度は崩さずに、論は戦わせるが個人攻撃はしない、というスタンスを取り続けることは難しいもんだよなあ。
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よじれた世界で生きる辛さ。
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居酒屋談義を小難しくした話かな。この方達らしい議論です。
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内田樹、平川克美、そして本書の小田嶋隆は、ここ数年の反グローバリズム、反新自由主義経済、反反知性主義(?)という路線で日本の政治・経済のあり方についてもの申している面々。どうも大企業や右派政治家には人気がないようだ。あたりまえか。
しかし最後に務めた外資系の広告代理店でグローバル企業のシビアさとカネの動き、そしてドライな人事を目の当たりし、最後は本国からの縮小命令で職を追われた身としては、やはりグローバリズムってのはどっかにいる強者がガッポリと持って行く仕組みに他ならないと思う。ていねいに人を育てたり、相手を思いやったりするようなものはおそらく排除される。だから彼らの説に共感するのです。たぶん、それまでは僕は「強者」のポジションに立つことを夢見ていた。そのために「弱者」が割りをくうのは仕方がないというか、考えないようにしていた。あるいは自分が充分に成功したら、弱者を救ってやればいいと〜トリクルダウンを起こせばいいのだと思っていた。
それは今のグローバリスト達の考え方そのものだ。
いま、弱者の側にいる自分が彼らの思想に共感してしまうのは都合のいい必然であると思うが、どこか彼らもひとの「弱さ」を知っていてそれを抱えて生きる方法を模索しているのだと思う。
穏やかに、声を荒げずに淡々と生きる。タオイズムのような中庸の思想。それはとても弱々しいけれど、そこに日本の未来を良きものにするヒントがあるような気がする。 -
小田嶋隆さん、岡田憲治さんの対談。表紙裏の折り込みのところにも書いてあったけど、ほんとうにお二人の雑談です。
行きあたりばったりの話やけど、政治やらオリンピックやらなんでも話せそうなひとたち。ただ、政治には疎いので、あまりちゃんと読まず。すみません。
いっていることにめちゃくちゃ共感できるだとか、理解できるとかでもないのだけど、それでも「このひとがどんなことをいうのか?」ということには興味があって、そんなひとは貴重やなぁと、読んだあとにしみじみ思った。 -
たいそうおもしろくて、気持ちがすっきりする本でした。
対談って、当たり前ですけれど、口語で語られているので、とてもわかりやすいのがよいですね。その人の人となりもよくわかるし。
岡田さんはなんていうか、とてもリベラルな方だと思いました。小田嶋さんの飛ばしぶりもステキでした。 -
いゃあ おもしろかった
知的思考満載の会話のキャッチボール
あっちから
こっちから
ひょいとそれていったかと思うと
また ひょいと戻ってきたり
政治から
文芸から
スポーツから
映画から
昭和のサブカルチャーから
あらゆる「文化」をまぜこぜにした
丁々発止のやりとりが
心地よく脳を刺激してくれました
垂れ流される「情報」の取捨選択
そして 自分の思考のために
読んでいるときも
読み終えたあとも
かなり
リベラルな気持ちにさせてもらいました -
14/09/22。
10/09読了。
著者プロフィール
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