民主主義を直感するために (犀の教室)

著者 :
  • 晶文社
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本棚登録 : 111
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794968234

作品紹介・あらすじ

「何かおかしい」という直感から、政治へのコミットメントははじまる。パリの街で出会ったデモ、小平市都市計画道路反対の住民運動、辺野古の基地建設反対運動……哲学研究者が、さまざまな政治の現場を歩き、対話し、考えた思索の軌跡。民主主義を直感し、一歩踏み出すための、アクチュアルな評論集。

感想・レビュー・書評

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  • 「辺野古を直感するために」では思わず胸にぐっと来た。ほんと世の中には理不尽なことが多すぎる。腹をえぐられるような怒りが沖縄の人たちに湧き上がってるのが良く解る。

    辺野古のきれいな海を見に行きたい。

  • 冒頭で著者が述べた通り、内容に一貫性は無かったものの、幅広い分野に触れられた。読んでいる最中はタイトルと関係あるのかな?と思っていた話題ばかりでしたけれど、良く考えればどれも民主主義と繋がるようなことでした。

  • エッセイであったり、対談であったり。
    内容も民主主義について全体的に語っているものもあれば、住民運動や大学についてのものだったりと様々。
    広く色々と読めて良かった。
    全てに納得するわけではないけれど、同意できない考えでも、自分が考える時の足がかりになる。
    辺野古を実際に訪れて書かれたものは、胸を押し潰されるようだった。
    この部分だけでもたくさんの人に読まれて欲しい。

  • 「政治的な問題を考える時、最初にある素直な直観はとても大切である。」

     國分くんの考え方にスタイルというものがあるとすれば、この一言。「政治的な問題を」の部分はなくてもよさそうだ。この本が、ぼくたちが当面している「政治的な」問題を対象にしているから、この文句が入っているが、「哲学的な」、ほかの著書を読んでも、直感で始まっているという感じがする。
     本書の中で白井聡君と話し合っている、大学とかの改革の話の中で、大学におけるトップダウンの愚かさが語り合われているが、高校とかの現場では、30年前から進行してきたアホな現実が、アホなえらい人によって、そこまで来ましたかという感慨と、モノを言わない教員は考えることも、もちろん、直感に反応することもなくなるし、若い、新しい人たちも、悲しいことだが、すぐにそっちの人になるのを止めることはできなかったなあ、というもう一つの感慨に浸ってしまった。
     國分君は保育園の話とかにも首を突っ込んでいるけれど、「そうだよね、そこを見据えないとヤバいよね」というのが僕の「直感」というわけだ。
     

  • 心優しき哲学者、國分功一郎。
    残念ながら、これまで雑誌に掲載された文章や対談をまとめたものなので「民主主義を直感するために」というテーマに沿って書かれた本ではない。

    デモについて
      柄谷行人「民主主義は代表制だけでは機能しないのであって、デモのような直接行動がなければ死んでしまう」
    デモとは「いつまでも従っていると思うなよ」というメッセージ。だから、デモに参加する人が高い意識を持っている必要などない。ホットドックやサンドイッチを食べながらお喋りしながら単に歩けばいい。お祭り騒ぎでいい。
    単に群衆が現れることこそが重要。


    民主主義にはバグがある(山崎亮氏と対談)
     コミュニティ・デザイナーという職業があることを知った。
    市民運動のノウハウ、行政と正面衝突しない知恵はとても面白い。勉強になった。
    ウィリアム・モリスを読んでみたい。


    変革の可能性としての市民政治(村上稔氏と対談)
     吉野川と小平の住民投票運動を振り返りながらの対談。
    こちらも市民運動の具体的な方法論と地方議会の実態が面白い。

    教員は働きたいのであって、働くフリをしたいのではない(白井聡氏と対談)
     大学運営の実情。愚痴の言い合いになってる。

    辺野古を直感するために
    キャンプ・シュワブゲート前での抗議運動をレポート。
    初めて沖縄に行ったという著者の素直な感激、興奮、怒りが伝わってくる。



    民主主義の基本のおさらいができる本。
    卓越した何かが得られる訳ではないが、ちょっと元気が出る。

  • 民主主義をキーワードにした,様々な論文,書評,対談などをまとめたもの.

  • 今 こんな時代だから考えずにはいられない
    今 こんな時代だから話さずにはいられない
    今 こんな時代だから話しかけずにはいられない

    今 なにもしないということは
    そのまま加担してしまうことになってしまう

    自らは知らず、自らは考えず、自らは決断せず
    すべて人に委ねてしまい、その指導者が失敗すると
    、ここを先途と非難する。それも、自らは決してその
    責任をとることはない。
    そんな輩にならぬように
    心がけたいものである

  • 2016年08月21日読了。

  • 著者は、デリダ、ドゥルーズの翻訳や『スピノザの方法』等で知られる哲学研究者だが、道路建設の見直しを求める東京都小平市の住民運動に関わるなど、政治的にアクティブな面もあり、その発言は常に注目されている。
    この本は、新聞、雑誌、ウェブサイト等のメディアに掲載された著者の政治的発言を集めたもので、哲学分野のトップランナーであることを忘れさせるほどに素朴な、粗削りの見解を呈する件も少なくなく、親しみやすい。
    ひとりの市民として怒りや違和感を覚える政治課題があるとして、その「直感」を肯定することから思考が始まる。但し、哲学において「市民」とはきわめて論争的な概念だ。すぐに近代哲学史が召喚される。人間社会を理解するための膨大な蓄積と、今ここの「直感」の接続テスト。エラーが出たら、哲学者の出番だ。
    この「直感」の記録を準備作業とした、次なる哲学的探究に期待が高まる。

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著者プロフィール

1974年、千葉県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。高崎経済大学を経て、現在東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授。専門は哲学・現代思想。著書に『スピノザの方法』(みすず書房)、『暇と退屈の倫理学』(朝日出版社、増補新版:太田出版)、『ドゥルーズの哲学原理』(岩波現代全書)、『来るべき民主主義』(幻冬舎新書)、『近代政治哲学』(ちくま新書)、『民主主義を直感するために』(晶文社)、『中動態の世界』(医学書院)、『いつもそばには本があった。』(互盛央との共著、講談社選書メチエ)など。訳書に、ジャック・デリダ『マルクスと息子たち』(岩波書店)、ジル・ドゥルーズ『カントの批判哲学』(ちくま学芸文庫)などがある。『暇と退屈の倫理学』で第2回紀伊國屋じんぶん大賞、『中動態の世界』で第16回小林秀雄賞を受賞。

「2019年 『原子力時代における哲学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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