本なんて読まなくたっていいのだけれど、

著者 :
  • 晶文社
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本棚登録 : 465
感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794968586

作品紹介・あらすじ

本というメディアの力を信じ、本と人が出会うための環境づくりを生業とする幅允孝さん。デパート、カフェ、企業ライブラリー、はたまた病院にまで、好奇心くすぐる本棚をつくってきた。漫画、写真集、文学、料理……あらゆるジャンルの本を読み、どうやって人に勧めようかと考えている。図書館のなかにテーマ別の図書館をつくってみよう。ミュージシャン顔負け、朗読の野外フェスを開催。認知症患者が手に取る本は? 地方の温泉街を文学の町として復活!? 幅允孝の挑戦は今日も続く。待望のエッセイ集。

感想・レビュー・書評

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  • 文章が好き。
    ゆったりとしてて落ち着く。

  • 小さな書店入ったら……
    店員さんがオススメしてくれるような感覚。
    作者が本当に本好き、著者好きであるのが
    ひしひしと伝わってくる。
    読んでて幸せになる文章が多かった。



    P.13〜P.14
    百人いれば、百通りの読み方が、そこにはある。
    その本のどこに影響を受け、シンパシーを
    感じるのかは完全に読者に委ねられている。
    そう、本の読み方に正否はない。
    つまり、書き手の言霊を読み込む自由を、読者は
    そのページをひらいた瞬間から獲得しているのだ。
    もちろん、自らが本と対峙することが大前提ではある。
    最近はインターネットで検索すれば、
    あらゆる本のあらすじや結末、骨子、ミステリー小説
    だったら犯人(!)などが丁寧にまとめられている
    情報に接することができる。

    本を読んだ気になるのも、本を読んだふりをするのも、
    楽ちんな世の中。けれど、結局読書というのは、
    書き手と読み手との一対一の関係からしか始まらない。
    あなた自身がその本を読んで何を感じ、
    心の何が動いたのか、に尽きると思うのだ。

    本を読むことは、
    数時間かけて空想の中を旅するだけではない。
    読んだ本の一文でも一言でもいい、
    ある言葉が読者の中に深く刺さり、血肉化し、
    日々の実際的な生活に作用することが
    大切なのではないかと僕は思っている。
    速く、たくさん読み、
    多くの情報に触れることばかりが奨励されているけど、
    本当に重要なのはそんなことではない。
    朝一〇分早く起きる気分になったとか、夕飯のレシピを
    思いついたなんていう、些末な、けれども毎日を
    形づくる積層の一部分に本が関わっていて欲しいのだ。



  • 本と向き合う仕事をしている人の話を聴く(読む)のは、常に刺激的。
    本を読まない多くの人たちにとって、本を読むことがとても小難しく、敷居の高いコトになってしまっているとしたら、その誤解を解きたい。
    本をもっとフランクにささやかな生活の一部としてそっと傍らに置いておけばいい。気が向いたら数行、数ページ辿ってみるだけでいい。そんな風に思う。
    に、しても幅さんの読書レンジはなんでこんなに広いんだろう。
    とても自由に本の海を渡っているようで、羨ましい。

  • ブックディレクター幅允孝氏のエッセー集。基本的にはこれまで執筆してきた雑誌の掲載部分を寄せ集めたものなので、統一性はない。SFマンガから写真集、ノンフィクションまで、幅氏がこれまで読んだ本の中から自身の経験を踏まえた感想が語られている。決してつまらなくはないが、あえて人に薦めるほどおもしろいものでもない。それこそ「読まなくたっていいのだけれど、読んでみるのもいい。」一冊

  • タイトルに惹かれて手にとってみました。本と本の間にある深いテーマを探って、本棚を編集するブック・プロデューサーである幅さん。本のない場所に本棚を作り、編集するという考え方に驚かされました。
    この本は幅さんがあちらこちらで書かれたものを集めたもの。難しく思う部分もありましたが、読んでいて心地よく、なるほどと思ったりするものもありました。奥深くにあるテーマに視点を持つって面白いな。いくつか気になる本もあったので読んでみたいし、幅さんの仕事も別に本になっているようなので、そちらも読んでみたい。

  • 幅さんの本を初めて読む。この人の文章好きだな。

    こよなく愛する「自発的に不運なアーセナル」について語るときに、フランクルの『夜と霧』の一節を引いてくる、とか、嗚呼このセンスよ。

  • 紙がいい。本を愛する著者だからこそ?

  • 著者の本への愛着、読書という行為への信頼が読み取れた。

  • 年齢が近いせいか刺さる記述が多かった。紹介されてる本を読んでみます。

  • ブックディレクターである、幅允孝さんのエッセイ集。
    「検索型の世の中において、知らない本に偶然出くわす機会を日常の中に点在させたい」という幅さんが、さらりと紹介する本たちは、ジャンルが広く、知らなかった本も多くあり、とても魅力的。

    エッセイとしては「僕はいかにして本屋の虜になったのか」が好き。

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著者プロフィール

1976年、愛知県生まれ。ブックディレクター。有限会社BACH(バッハ)代表。愛知県立芸術大学非常勤講師。本との出会いを人々に提供するべく、学校や図書館、病院や企業などでライブラリーの制作を行う。安藤忠雄氏が設計を手がけた図書文化施設「こども本の森 中之島」にはクリエイティブ・ディレクターとしてかかわり、「村上春樹ライブラリー」として親しまれる「早稲田大学 国際文学館」では選書を担当。著書に『つかう本』(ポプラ社)、『本なんて読まなくたっていいのだけれど、』(晶文社)、近刊に『差し出し方の教室』(弘文堂)などがある。

「2023年 『NHK理想的本箱 君だけのブックガイド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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