気になる人

著者 :
  • 晶文社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794968807

感想・レビュー・書評

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  • 訃報がキッカケでこの人のことを教わった。

    著者が気になる、と思う熊本県民を訪ねて行ってインタビューするという、ちょっと異色なエッセイというか、コラムというか。熊本日日新聞の連載を一冊の本にまとめたものなのだそう。

    面白かった。
    私には、取り上げられる人たちもほとんどが知らない人。
    インタビューをしている著者がどんな人か?ということが、インタビューされる方を超えて過剰なくらい伝わってくるような対談。そこが面白かった。

    取り上げられる人の標本を見たいわけではないし、プロフィールを知ってもたぶん、こんなには面白くない。
    個性も存在感も強烈そうなインタビュアーである著者が好き勝手に(少なくともそう見える、聞こえる)投げてくるさまざまな言葉に、取り上げられる彼らがどう対応するのか?ということを通じて見えてくるキャラクターというのがあって、そこがとても魅力的。

    著者がインタビュアーとは思えないくらい沢山喋っているのに、それでいて、取り上げる人の本音や本質のようなものもキチンと捉えて、引き出されているような気がして天晴。

    何気ない会話に見えても、ふとしたところにすごい人生哲学が潜んでいたりして、そういうところにふせんを貼りながら読んだら、オニカサゴの顔周りみたいになってしまった。

    あとがきに「人のことを根掘り葉掘り聞くのが大好き」とあった。
    そうなんだろう。
    でもそれだけじゃない気がする。
    彼はたぶん、人間が好きなんだろう。
    悩んだり、突き詰めたり、嫉妬したり驕ったり、
    突っ走ったり愛したり尽くしたりしてしまう、「ニンゲン」のことが好きで好きで、知りたくなってしまうのだろうな。

    取り上げられた人たちに会ってみたくなる。

    これがたぶん、この著者の勝ち、というか、インタビューの成功の証なんだろうな。。。

  • 今 日本には
    こんな人も ちゃんと 生きている
    そこが うれしい
    渡辺京二さんが
    根を下ろして暮らしておられる
    熊本に暮らす九人の
    存在が うれしい

    その人の顔が
    これまでのその人の生きてきた証であることを
    反映するように
    その人とっての「気になる人」
    が 自分のこれまでの生きてきた道を
    反映しているのだろうな
    と 思いました

    では
    今の私にとって「気になる人」は
    一体誰だろうと ちょっと
    振り返ってしまいました

  • 類は友を呼ぶ。
    ジャンルも年代も専門分野も
    ばらばらだけど、渡辺氏のアンテナに
    引っ掛かった人は、底辺に共鳴するものがある。
    この国の中では、ちょっとアウトローだけれど。
    地方在住というのが素敵。
    東京はそろそろ崩壊状態。
    都会で齷齪するより、地方でのびのび暮らすほうが
    たぶん、はみ出し者には心地好いかも。
    首都圏脱出を読みながら、考えます。

  • 面白かった

  • 対談だから、読みやすいっちゃ読みやすかった。

    地元、熊本日日新聞に載っていたものだから、読んでるはずなんだけど、結構、忘れてる部分も多かったな。
    紙面に載せられず、ウェブで読めた部分も収録されてるから、きっと読み損ねてた部分も多かった気がする。
    いろいろ思い出した。

    ただ、熊本以外の人が読んでわかるのかなって思ったところも少しあった。結構ローカルな話題。

    ただ、これビフォー熊本地震なんだよね・・
    この後いろいろ変わったもんなあ・・

    熊日の記者さんでもいいから、アフターの皆さんたちを追ってもらうとかいう企画立てないかなあ・・

  • 【配置場所】工大特集コーナー【請求記号】 281.94||W
    【資料ID】91151131

  • 【選書フェア2015】
    資料ID:98150985
    請求記号:281.94||W
    配置場所:工枚選書フェア

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著者プロフィール

1930年、京都市生まれ。
日本近代史家。2022年12月25日逝去。
主な著書『北一輝』(毎日出版文化賞、朝日新聞社)、『評伝宮崎滔天』(書肆心水)、『神風連とその時代』『なぜいま人類史か』『日本近世の起源』(以上、洋泉社)、『逝きし世の面影』(和辻哲郎文化賞、平凡社)、『新編・荒野に立つ虹』『近代をどう超えるか』『もうひとつのこの世―石牟礼道子の宇宙』『預言の哀しみ―石牟礼道子の宇宙Ⅱ』『死民と日常―私の水俣病闘争』『万象の訪れ―わが思索』『幻のえにし―渡辺京二発言集』『肩書のない人生―渡辺京二発言集2』『〈新装版〉黒船前夜―ロシア・アイヌ・日本の三国志』(大佛次郎賞) 『渡辺京二×武田修志・博幸往復書簡集1998~2022』(以上、弦書房)、『維新の夢』『民衆という幻像』(以上、ちくま学芸文庫)、『細部にやどる夢―私と西洋文学』(石風社)、『幻影の明治―名もなき人びとの肖像』(平凡社)、『バテレンの世紀』(読売文学賞、新潮社)、『原発とジャングル』(晶文社)、『夢ひらく彼方へ ファンタジーの周辺』上・下(亜紀書房)など。

「2024年 『小さきものの近代 〔第2巻〕』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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