音楽の未来を作曲する

著者 :
  • 晶文社
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本棚登録 : 34
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794968944

作品紹介・あらすじ

この世界には、様々な対立や衝突がいっぱいある。それらが、総体として醜い不協和音になって、悲惨な状況がいっぱいある。現代音楽では、不協和音を美しく響かせる方法を開拓してきた。世界の対立を美しく響かせ、紛争を共存に変えていけるヒントは、作曲にあるはずだ……。
生きた音楽を求めて、老人ホーム(お年寄りとの共同作曲)、動物園(動物との音楽)、銭湯(お湯の音楽会)、キャンプ場(火の音楽会)、遺跡(I-picnic)など、頻繁にフィールドワークをおこなう稀代の現代音楽家が、自身の発想と実践を振り返りまとめた一冊!

感想・レビュー・書評

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  • すごい人だ。野村さん。
    駅の歌を作ってるのを聴いたときは変な人だとしか思わなかったけど。

    作曲家によって完成された作品を再現するための「かたい楽譜」。作曲のプロセス、その結果、再現する人によるクリエイティブな誤解の余地が生じる「やわらかい楽譜」。って、この発想よ。

    『地域アート』を読んだ時にも書いてあって共感したことがここにも書いてあった240ページ。

  • 音楽とは、楽器を弾いたり歌を聞いたりすることだと思っていませんか。この本では、生活にあるものを作曲する。遊びとかスポーツとか動物とか…。身近にある動きを「作曲」と呼んでいます。どのように作曲するのか…興味津々で最後まで謎の深い一冊です。

  • 大きなフィールドで勝負しているのに、小さな声も取りこぼさない、忘れない。こんな人がたまにいるから、世界はかろうじてやさしいんだろうなあ、と思う。

  • 曲を作ることや楽器を演奏することといった音楽の概念をどこまでも乗り越えて、新しい音楽のあり方を探求していく取組みの数々に、圧倒された。

    演劇や言葉遊び、果ては考古学や農業まで、音楽のフィールドとつなぎ合わせていき、音楽家以外とのコラボレーションの中から新しい表現を生み出すという営みを、これほど徹底的にやっている人がいるというのは、知らなかった。

    さらに興味深かったのは、ただ単に予想外の音や作品が生まれてくることだけを期待するのではなく、これらの取組みを通じて起こったことに対して、筆者がどのような価値や可能性を見出したのかという思考のプロセスがともに書かれていた点である。

    高い技術を持った人だけでなくいろいろなレベルの演奏者が共存することでうまれるずれや間違いに、新しい音楽を発見するチャンスを見出したり、一生懸命真似をしても似ないことが個性であるという気付きを得たりといったことは、頭で考えるだけではなくそれが実践の中で見えてくることに非常に意味があるのではないかと思う。

    また、楽譜に記録をすることの意味を考えることで、「やわらかい楽譜」という概念にたどり着き、さらにそれがワークショップの取組みとつながることで、ワークショップの結果からどのような未来をつくり出すかという「ポスト・ワークショップ」の重要性の気付きにつながるといった展開も、面白かった。

    音楽は我々の暮らしや社会の中でどのようなことができるのかということを見せてくれた本のように思う。

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784794968944

  • 著者は音楽の範囲をものすごく広くとらえている人。「音」が「楽」しければすべて音楽だと思っているようで、パフォーマンスとのコラボや動物とのセッション等々にトライしている。また、音大出身ではなく、普通の大学出身で音楽家になったというところもユニークだ。

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著者プロフィール

1968年名古屋生まれ。作曲家/鍵ハモ奏者/ピアニスト/瓦奏者。京都大学理学部卒業。British Councilの招聘で英国ヨークに滞在(94〜95年)。「Whaletone Opera」を日英で創作・上演する。イギリスでは100回以上のワークショップを行う。ガムラン作品「踊れ! ベートーヴェン」でのインドネシアツアー(96年)以来、東南アジアの音楽家との交流を続ける。箏、ガムラン、アコーディオン、オーケストラなど、様々な楽器の作曲をし、20カ国以上で作品を発表。CDに「ノムラノピアノ」(とんつーレコード)、「瓦の音楽」(淡路島アートセンター)など。著書に「老人ホームに音楽がひびく」(共著、晶文社)ほか。第1回アサヒビール芸術賞受賞。06年度、NHK教育テレビ「あいのて」出演、音楽監修。現在、日本センチュリー交響楽団コミュニティプログラムディレクター。

「2015年 『音楽の未来を作曲する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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