蚕: 絹糸を吐く虫と日本人

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  • 晶文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794968999

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  • 養蚕を神話や歴史、地理風土などから多面的に調べている。蚕にまつわる知識に深みを持たせる。

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  • ●養蚕から見る民俗学の本といったテイスト。蚕と日本人との関係を、歴史的視点だけでなく、文化、信仰といった視点からも掘り下げている。

  • 近代以前の養蚕も近代の養蚕も信仰という要素は多分に強かったということか。それは日本人の精神構造と関係があるのかもしれないな。(この本を読んで、鎗水が俄然気になってきた。南津電気鉄道?も鎗水と関係があったのか。やはり行かねばなるまいて。)

  • 民俗学的な視点から、蚕糸産業を語った本

  • 蚕についての民俗学的な調査と考察がまとめられている。
    とても内容は興味深い。

    富岡製糸工場をはじめとして歴史の表舞台にたったものに限らず、蚕はずっと日本人にとって身近な存在で、信仰とも強く結びついたものだったにもかかわらず、その蚕についてこうしてまとまった著書が一般に出ることがあまり無かった。

    その理由として挙げられていることとして養蚕・織物産業が家庭内仕事の延長、つまり女性の仕事であったからという記述もあり、なるほどと思いつつ、そこに焦点をあてて各地域の信仰や歴史・文化を紐解いていくことの面白さにどんどん引き込まれていった。

    歴史の表側にはなかなか出てこなかったが、産業として確立するずっと以前より、人々の生活に根付き、人々の生活に大いに影響を与え続けたものとしての蚕は、もっと注目されるべき存在であると感じた。

  • 養蚕の歴史。古代から続く養蚕が江戸を経て明治の文明開花とともに爆発的に成長し、東日本一円が桑畑になった在りし日の日本の原風景。
    しかし、おしら様っていうのは訳の分からん神様である。

  • 「蚕」から
    紡ぎ出されるものは 糸 だけではなかった

    「養蚕」を担ってきた
    明治までの日本人たちが
    育ててきたもの
    見てきたもの
    大事にしてきたもの
    搾取したもの
    搾取されたもの
    そこに まつろってきた
    さまざまな有形無形の文化たち

    キリスト教の伝播
    オシラサマ
    郷土の芸能
    絹の道といわれた街道

    人はモノと一緒に生きてきた
    モノは人の暮らしの中で活かされた

    さて
    今の私たちの場合
    すぐ身近にある「素材」で
    「蚕」に相当する力を持ったモノは
    はたして あるのだろうか

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著者プロフィール

大阪府大阪市生まれ。民俗学者。著書に『災害と妖怪』(亜紀書房)、『蚕』(晶文社)、『天災と日本人』(ちくま新書)、『21世紀の民俗学』(KADOKAWA)、『死者の民主主義』(トランスビュー)、『五輪と万博』(春秋社)などがある。

「2023年 『『忘れられた日本人』をひらく 宮本常一と「世間」のデモクラシー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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