- Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794969262
作品紹介・あらすじ
憂国の議論が日本を覆っている。しかし、85歳になって自分の一生を得心するにあたって、国の行方など、自分の幸福にはなんの関係もないことがわかってきた。もちろん国家という枠組みから自分が逃れえないことは百も承知である。が、なんでも国にやってもらおうという発想はすて、民間の共生の工夫をこらしたい、自律した生活を送りたい――。少年時代から学校も嫌い、裁判システムも大嫌い。とにかくできるかぎり管理されることから離れて、まわりの人との生活を楽しみ、町を楽しみ、人生を終えたいという。日本という社会で、個人が充足し落ち着いて暮らしていくために何をしたらいいのか? 名著『逝きし世の面影』の著者の最新の評論集。
感想・レビュー・書評
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図書館で借りて読む。2016年刊行。
もう、7年も経ち、元号が令和になって5年目であるが、内容は今なお色褪せないものであるように思う。
現在の上皇(平成の天皇)が生前譲位のご意向を示された年、平成という時代の大きな節目でもあった年。その平成という時代の日本は、人間の個性が失われてしまった時代でもあったように思う。昭和天皇には、しばしば戦争責任問題が様々な議論を醸し出されたが、平成・令和の天皇には、人間の個性が失われてゆく時代を作り出した責任の一端があるようにも思える。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「塾の先生でもここまでやれるのか?」と大学の先生から様々な反応があった『逝きし世の面影』の著者による、エッセイや書評をまとめたもの。
基本的には保守なのだろうが、ジブリとの関係やポランニーへの評価等々左翼的な部分もないわけではない。総じて年を取ると思想的にはこの辺の所に落ち着くのかなあという印象。ただし、坂口恭平に肩入れしている事には少々疑問もあるが。 -
19/03/18。
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安倍批判も少し落ち着いてみようと思った。社会防衛運動なのだ、グローバル自由市場に対する。
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歯に衣を着せぬの言葉がぴったりの
現代への評論
天下国家の論議はもう御免こうむりたい
とおっしゃっておられる
けれども、どうしてどうして
きちんとご自分のこれまでの85年の生きてきた足跡を踏まえて
ずっと考えておられた「人はいかに生きるべきだろうか」をきちんと
提示しておられる
第二章の「インタビュー」が特に面白く思った。
編集者(であろう)の足立さんの当意即妙な問いかけが
渡辺京二さんの「今、考えていること」を見事に引き出しておられる
いつまでもラディカルな渡辺京二さんが素敵です -
2016/7/8