近くても遠い場所: 一八五〇年から二〇〇〇年のニッポンへ

著者 :
  • 晶文社
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本棚登録 : 47
感想 : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794969347

作品紹介・あらすじ

戦前に町の中にあった戦争の英雄・軍人像が戦後は平和を祈る裸体像に変わった。戦後に多く作られた動物園は、いまや財政難で、おいそれと野生のゾウを購入できない。多くの祭りは神輿を担いで盛り上がるが、江戸では仮装行列をして練り歩いた。
隣にあってしかるべきだと思っていたものは、常に刻々と変化している。
見世物、絵馬堂、美術館、動物園、お城、戦争……著者は見慣れた風景の中に、見落としてきたものを見つけ、新たな意味や価値を発見する。およそ150年の日本社会の変遷を、風景から掘り起こす歴史エッセイ。

感想・レビュー・書評

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  •  幕末から現代に至る時間軸の中で、日本の祭りや絵馬、見世物といった風物詩や、戦争とそれを記録する写真、博物館、美術館の変遷をたどった本。
     著者の視点は現在から過去にさかのぼるが、そこからさらに現代へ戻って、日本人の風習や意識がいかに変化していったかを追っていく。
     取り上げるテーマは著者の関心事に偏っているが、歴史の一齣がどのような意味を持っていたのか光をあてて考察している。

     戦争博物館について書かれた章は、古市憲寿著『誰も戦争を教えてくれなかった』の若い視点と比較すると興味深い。

  • 【請求記号】7000:1326

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著者プロフィール

1954年浜松市生まれ。東京藝術大学大学院修士課程中退。兵庫県立近代美術館学芸員、東京大学総合研究博物館をへて、東京大学大学院教授(文化資源学)、静岡県立美術館館長。
見世物、銅像、記念碑、動物園、お城など、忘れられたもの、消えゆくものなどを通して日本の近代について考えてきた。2015年春の紫綬褒章、2017年中日文化賞。
著書に『美術という見世物』(平凡社、1993年、サントリー学芸賞)、『ハリボテの町』(朝日新聞社、1996年)、『写真画論』(岩波書店、1996年)、『世の途中から隠されていること』(晶文社、2002年)、『わたしの城下町』(筑摩書房、2007年、芸術選奨文部科学大臣賞)、『股間若衆』(新潮社、2012年)、『戦争という見世物』(ミネルヴァ書房、2013年)、『銅像時代』(岩波書店、2014年)、『近くても遠い場所』(晶文社、2016年)、『せいきの大問題』(新潮社、2017年)、『動物園巡礼』(東京大学出版会、2018年)。

「2019年 『木下直之を全ぶ集めた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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