男子劣化社会

  • 晶文社 (2017年7月12日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794969682

作品紹介・あらすじ

ゲーム中毒、引きこもり、ニート……いまや記録的な数の男たちが、社会からはじかれている。学業では女子に敵わず、女性との付き合いや性関係でしくじり、正規の職に就くことができない。世界的な不況や、社会構造の変化、そしてネットの普及が、彼らをより窮地に追い込み、ゲームやネットポルノの中に縛り付けている。
本書は、行動心理学、社会学、生理学の成果などを駆使しながら、今、若者たち、特に男性にどんな変化が起きているのかを検証。さらその原因が解明していく。社会の変化によって、「男らしさ」や「男の役割」も変更を迫られている。
先進国共通の男子の問題に、解決策はあるのか?

男子劣化社会の感想・レビュー・書評

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  • 1/4ほど読んだところで挫折。それ以降はパラパラと流し読み。もう男子ではないおっさんだけど、男が弱くなっているっていうのは他人事でないし、そうなんだろうと思う。

    ネットでゲームやポルノばっかり見てると依存症になってコミュニケーション能力が低下して云々、とか、男子より女子のほうが勉強できるとか、肥満、両親の離婚、父性、男らしさ、教育環境、ITの発展、その他諸々もっともらしいことを言っている。様々な研究結果らしきモノを根拠にしてるけど、なんだか眉唾。薬物やら肥満やらの問題は日本にはあまり当てはまらないかな。

    「男らしさ」をめぐる混乱は実感としてある。表向きには穏やかで共感的なやさしさを求められ、本質的には攻撃的で威圧的な良くも悪くも旧来的な男らしさを求められている気がする。草食男子ならぬロールキャベツ男子(中身は肉食)が求められている、なんて何処かに書いてあったのを思い出した。男のコミュニケーション能力については、今も昔も大差ないんじゃないかな。現代は昔よりその能力が重要になっているから問題が露呈してきただけで。まったく他人事でないが。

    途中で挫折したけど、文中で引用されていた以下の箇所が印象に残った。

    『女は初めから女だが、男には成らなければならない。雄性は危険で捉えどころがない。それは女の反発により達成され、他の男たちのよってのみ承認される。』

    『それは女の反発・・・』以降の文はわかる気もするけど、よくわからない。

    後半では対処について書いているけど、正しい普通のことが書いてあってうんざりした。投票行け、とか書いてあって「えー?」と思った。

  • 金と法と教育の信奉者?関心が読者でなく自分にある典型

  • (2018/2/22-3/2)

  • 日本で言うところの草食系男子が世界中で増えていることを、ゲームの普及とポルノへのアクセスの容易さに結び付けて説明しようとしている。こういう現代になって顕在化してきた問題について論じるとき、自己責任論と社会構造に原因を求める論調のどちらかに偏ってしまうものだが、本書ではその両面から描かれている。ただ、この議論が正しいかと言われると疑問がある。たしかに男子が誘惑に飛びつきやすいというのは確かだろうが、「男子頑張れ!」というムードが社会にないというのが、男子の自立を妨げている最大の要因であるような気がしている。

    共感したポイントは、よく男子は数学や理科が得意だから理系に進み、女子は英語や国語が得意だから文系に進むという俗説を批判しているところ。男子にも当然歴史マニアや文学少年がいるはずだが、将来の稼ぎ頭となることを期待されていることを暗黙の裡に了解し、無意識的に高収入の職に就きやすい理系を選択しやすいというのが本当のところだと私も思っている。

  • 日本で草食系男子などと言われて久しいが、実は世界的な潮流であると知って驚いた。正確に言えば、ネットインフラが充足している先進国共通の課題ということであろうか。同様に、引きこもりも日本だけの問題ではない。

    原因は、テクノロジーが進化することによって、脳がテクノロジーに適応しすぎてしまい、現実とのギャップを埋めきれず、人とのコミュニケーション能力が低下していることにあるということだ。今後、人工知能がさらに我々の活動に入り込んで、日常生活が便利になっていく一方で、失われていくものもあることもあることに気づき、その対策を立てることが、テクノロジー社会を構築していく我々の責務であると言える。

    「テクノロジーの魔法と興奮依存症」の章には、以下の記述がある。
    ”多くの情報が即座に注意を向けさせようとする資格的刺激の強い環境にのめりこんでいる時には、その認知的負荷が私たちのワーキングメモリには大きすぎて、すべてが長期記憶には移行しなくなる。また、認知的負荷が大きくなると注意力は散漫になり、頭は適切なデータとそうでないデータを選り分けるのが困難になる。”

    つまり、刺激が強いパソコン画面にばかり向き合っていると、脊髄反射的に反応をしてしまい、深く考え判断しなくなってしまうということだ。この一例として、オンラインポルノの弊害を本書では指摘している。
    オンライポルノを提供する側は、より多くの収入を得るために、どんどん過激な内容になっていく。若くしてオンラインポルノに触れると非現実な過激表現を現実と混同してしまうことになる。実際には巧妙に編集されているにもかかわらず、AV男優の身体的特徴と信じられない持続力を見て、若者は自信を喪失しセックスに踏み出せなくなるらしい。さらには、AV女優が演じる女性像と現実の女性との区別がつかなくなり、女性の方が男性よりもセックスが好きであると勘違いし、そしてAVの中でのプレイを当然のことの様に要求する様になる。女性を人間としてではなく、モノとして見てしまい、生身の女性との良好な関係を築くことができなくなる。

    本書で最も印象的だったのが、現在のデジタルワールドとマズローの「欲求五段階説」を対比して論じているところだ。五段階の内ボトムに位置する”生理的欲求”と”安全欲求”は、現代でも物理的な現実の世界で満たされなくてはならない。しかし、その上に位置する”社会的欲求”、”尊厳欲求”、”自己実現欲求”については、デジタルワールドでは、段階を踏むことなく満たすことが可能であるかもしれないと説いている。
    しかも、デジタルワールドでは、結果に対するリクスを追うことなく、それらの欲求が満たされる場合があるため、現実世界との折り合いの付け方を間違える可能性がある。実際に、オンラインゲーマーがデジタルワールドと現実世界との区別がつかなくなり犯罪への発展した例は枚挙に遑がない。

    では、どうすべきか。これについては終章で提言にとどめているが、一言で言ってしまえば、小さなことからコツコツと行い、コミュニケーションを大切にしていくに尽きると提案している。しかし、今はそのコミュニケーションがLINEなどのSNSが主となってしまい、課題解決の困難さのスパイラルに容易に陥ってしまう。
    本書はキャッチーな題名で面白いことに着目させてくれたので、どうあるべきかの提案も引き続き上梓されることを期待したい。

  • ゲーム、メディア、AV etc..
    21世紀の男子らを誘惑してきているのはリアルではなくデジタルにある。本物の女性よりも画面越しの女性に欲情し、彼女らとコミュニケーションをとるあまり(ほぼ一方的だが)、現実での女性との距離のつくり方がうまくいかない。そんな男子が日本だけでなくアメリカ、中国、そして他の世界で起きていることだというのだ。この状態が今後も続いてしまえば、世界から子供の数は間違いなく減り、これまでのクラーク・ゲーブルや加山雄三、三船敏郎などの男らしい男は世界から消えてしまうだろう。

  • 眉唾ものではあるけど、バカにもできない。タイトルは原題直訳でもいいと思われる。

  • タイトルに惹かれて借りてみました。

    序盤は、現代社会における男子のダメっぷりを述べていますが、最終的には、「男女それぞれの特性を踏まえて、互いに協力し合える社会を作るための提案」という内容になっています。

    ちなみに、引きこもりは、先進国に注目すると、世界的な現象であり、そのほとんどは男子。
    そして、彼らは、ゲームやエロ動画(本の中では「ポルノ」という表記で統一)に入り浸って、もともと乏しい社会性を鍛えることなく、ますます社会から離れていく、といったことが書かれています。
    引きこもりについては、本人の資質も大きいとは思うのですが、周りの環境や教育も重要。
    特に親による教育は重要。
    我が子の将来を思い、前向きで密な(できれば親密な)コミュニケーションを心掛けることは、子どもにとっても、親にとっても、そして国にとっても、よいことであり、大切なことです。

  • 社会のある側面を鋭く提示してくれているように思え、興味深く読んだ。後半はやや説教臭さが鼻に付いたが。日本でも青少年の男子が直面する問題点を誰か書いてくれないものか。

  • これからの数十年、ますます男女の断絶が起こり得るような気がした。
    そんな殺伐とした社会環境において男性がどのように立ち振る舞い、どのような信念の元に女性と関わり合えば良いのか、共に歩むめば良いのかの形が薄っすらと感じ取れた。
    それと日本においての未婚率の上昇は育児支援の不足や男性の経済力低下などの目に見える外面的な要素だけでなく、異性に対する内面的(心理的)な要素も大きく影響を与えていて、それは僕が以前から感じてたことでした。
    つまり、経済や政府の支援だけでは肝心な部分が覆い隠され男女の真の共栄は訪れない気がします、、っが!
    俺に限ってはできるはず

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