こわいもの知らずの病理学講義

著者 : 仲野徹
  • 晶文社 (2017年9月19日発売)
3.82
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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794969729

作品紹介・あらすじ

ひとは一生の間、一度も病気にならないことはありえません。ひとは必ず病気になって、死ぬんです。だとすれば、病気の成り立ちをよく知って、病気とぼちぼちつきあって生きるほうがいい。書評サイト「HONZ」でもおなじみ、大阪大学医学部で教鞭をとる著者が、学生相手に行っている「病理学総論」の内容を、「近所のおっちゃんやおばちゃん」に読ませるつもりで書き下ろした、おもしろ病理学講義。脱線に次ぐ脱線。しょもない雑談をかましながら病気のしくみを笑いとともに解説する、知的エンターテインメント。

こわいもの知らずの病理学講義の感想・レビュー・書評

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  • いろんな身近な病気を平易な言葉で分かりやすく説明されているのかと思ったらそうではありませんでした。本書の最初に説明があるのですが、「病理学」というのは、病気の理(ことわり)、原因を調べる学問とのこと。ということで本書で説明されていることはかなり研究より。50年ぐらいで急速に進歩した分子生物学的な解説がメインで、動物の体はを作る細胞の話しから始まり、その細胞の設計図たるDNAとその変異によって発生する「がん」の解説と進みます。病気とは結局は細胞の生死に還元できるようです。著者の大学での講義でもそうらしいのですが、ところどころ脱線して雑談がちりばめられているのが本書の面白いところだと思います。でも、肝心の「病理学」の解説は、分かりやすくはなっているものの専門用語が多くて1度読んだくらいで理解するのは門外漢には難しいと感じます。前半の知識を踏まえて後半はほとんど「ガン」についての説明。多くの「がん」は結局は「運」によるようです。DNAの複製の際に確率的に入ってしまう突然変異が積み重なって、それがたまたまガンをドライブする遺伝子のいくつかに入ると癌化するとのこと。だからいわゆる「がんもどき」はほっといても大丈夫なことがあるかもしれないけど、変異が積み重なれば悪性のガンとなる可能性は高いらしい。そういうことを理解して、自分で治療を選択できるようになるのことは必要だと感じました。

  • こちらを読了。
    色々な本を読んでいると「あまりにささっと作られた感じの本だなぁ…」というのも多い一方で、逆に「この本はとても丁寧に書かれた本だなぁ…」と感心する本というのに出会うことがありますが、こちらがまさにそのような本。
    とにかく内容が濃い。門外漢向けなのに手を抜いていない。よって、正直一度読んでイマイチ理解出来ない箇所もある。でも全体としては限られた書面の中で極力内容レベルを下げずにそれでいて専門外の人にも分かりやすく書かれており、ときにかなりのユーモアも盛り込まれていて読み手を飽きさせない。恐るべし。
    いや、とても勉強になりました。

  • 前半でざっと病理学のおさらい。
    分子生物学の基礎のインターミッションを挟んで、先生の専門のガンの話に。

    先生の講義と同じく、雑談がちょいちょい挟まって来るのですが、むしろそっちのがおもろい!
    この本のおかげで授業中の雑談の効用がよく分かりました。
    無味乾燥になりがちな学術的な講義も、内容に関連のある雑談によって、奥行と彩りが加わります。
    結果、雑談のない講義よりも格段に記憶の定着率が良いはずです。

  • 書評で気になって手にした一冊。ちょうど人間ドックでピロリ菌が引っかかって気になっていた時でもあったので。
    大阪大学医学部の教授が、その名の通り、まるで講義で話すような口調で語るような病理学入門。適度な脱線までまるで講義実況中継。
    細かいカタカナ用語は斜め読みしましたが、今後お医者さんに説明を聞くことがあるとしたら、その準備が出来ました。
    途中紹介されていた、解剖医とか人体実験の話の本は読んでみたいと思った。

  • 491.6

  • 衝撃的だったのは、「日本で1年間での妊産婦死亡数はおよそ40人程度で、もうこれ以上下げることは不可能だとされています」の一文。現代ニッポンで、お産で亡くなる人が今でも年間40人もいて、しかも不可抗力ってか。どんなに世の中が進んでも、太古から根本的に変わらない、お産って本当に大変なんだ。
    映画「うさぎ追いし ー 山極勝三郎物語 ー」も、どこかで観たいな。遠藤憲一主演だって。
    がん発症の詳細、原因とか過程とかに総論と各論に分けて多くのページを割いて丁寧に説明されているが、その割には子宮頸がんワクチンについては態度が曖昧。

    「エピジェネティクス――新しい生命像をえがく (岩波新書)」と同じ筆者であることがかなり後半になって判明。これ、エピジェネ関連ではダントツ良書。

  • 病気の成り立ち、特にがんの現在わかっていることについて書いてあり、細胞の突然変異とそれを促進、抑制する物質、反応が複雑に入り組んでおり個々人で異なる経緯反応があるため対応が難しい。また抗がん剤ががんを引き起こすことも多く、オーダーメイド医療の進展が望まれる。

  • 医学分野においては、重要ではあるが意外にシンプルな論理を理解できれば、生命現象や疾病のメカニズムの本質がわかりやすくなるという事に関心した。著者の脱線話も面白く最後まで飽きずに読めた。次巻が楽しみ!

  • 医学専門用語もあり、少々難しい内容なのかなと思いましたが、退屈することなく読み進めることができました。
    医療の進化に驚かされた一冊です。

  • 難しい言葉があるのにスーッと入ってくる仲野先生の面白い話。

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