こわいもの知らずの病理学講義

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  • 晶文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794969729

感想・レビュー・書評

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  • 医学専門用語もあり、少々難しい内容なのかなと思いましたが、退屈することなく読み進めることができました。
    医療の進化に驚かされた一冊です。

  • 難しい言葉があるのにスーッと入ってくる仲野先生の面白い話。

  • 細胞の大きさや毛細血管の太さを知っただけでも、役にたつ勉強をした実感が。

    <本から>
    pathology

    病理学総論、病理学各論

    病気の成り立ち=病因は、etiology, pathologenisisの二つに分けられる。

    私たちの体は250〜300種類、約60兆個の細胞からできている。
    病気になるということは細胞傷むということ。

    細胞の大きさは直径が10マイクロメートル、1センチの1000分の1です。
    細胞というのは、脂質の膜で囲まれた袋で、ヒトの体に何10兆個もある細胞ひとつひとつはしっかり呼吸して生きている。そして、その細胞の中には「核」がある。核も膜に囲まれた袋だが、こちらは膜が二重。液体で満たされている。ミトコンドリア、小胞体といった細胞内小器官が入っていて、色々形をした小さな袋が入っているようなイメージ。
    核を持った細胞は「真核細胞」。核がない生き物、原核生物。
    われわれの体はたくさんの細胞でなりなっている「多細胞体」。

    細胞レベルでの四種類の適応である肥大、過形成、萎縮、仮生。

    化学物質は、どのようなものでさえ、細胞障害の原因になりうる。

    病気という観点から最も重要なのは、低酸素、すなわち酸素が不足することによる損傷。

    帰還不能限界点 point of no return

    臓器へ十分な血液が供給されない状態を虚血といいます。臓器のレベルでのこういった現象を「梗塞」と呼びます。

    清水茜、漫画「はたらく細胞」(講談社コミックプラス)

    人の体、血液量はおよそ体重の13分の1。細胞成分と血漿から成り立っている。細胞成分は、体積でいうと、男性で40%~50%、女性で35%~45%で、そのほとんどが赤血球。
    血管の長さ総延長10万キロ、地球を2周半。そのほとんどは直径が100分の1ミリ程度の毛細血管。赤血球がようやく通れる程度の太さ。

    血色素濃度、ヘモグロビンの濃度が低くなるのが貧血。赤血球の数が減った状態。
    赤血球が破壊されることを溶血。そのような貧血は溶血性貧血。

    免疫というのは自己と非自己を認識して非自己をやっつける仕組みです。

    ひじき。2015年の「日本食品標準成分表」で、含有率が改訂前の一割程度に減らされた。
    ステンレスの釜が使われるようになったため。以前は鉄釜だった。
    ひじきそのものに鉄が多いのではなくて、製造過程において鉄がしみこんでいただけなのです。

    炭水化物、タンパク質、脂質の三大栄養素以外で、生物の生存に必要な有機化合物-炭素を含む物質-ビタミンといいます。

  • スキャンした

  • めっちゃ難しい用語が多いけど、面白い脱線話多くわかった気がする。もう一度読めばすっきりしそうです。

  • 自分がつまらん人間っていうだけのことかもしらんし、これを実際に聴講したら面白いのかもしらんけど、笑い的要素は殆ど感じなかったです。ただ、その部分を期待して手に取った訳じゃないので、マイナス要素にはならず。何よりも内容が素晴らしくて、分かりやすくて、かなり感動的でした。研究生活の頃これがあれば…って、何度思ったことか。分子生物学的観点からの癌について、基礎的なことは殆どここで網羅されてるんじゃないかな。無駄に小難しい表現もされてないし、かといってでたらめが書かれている訳じゃないし、理想的なバランスで綴られていると思います。いやホント、取っ掛かりにこれを読んでれば、学会とか実験とかにもっと身が入ったんじゃないか、と。今さらながらに悔やまれるわけです。かといって、またそんな生活に戻りたいとは思わんのだけど。

  • 一般向け、とはいいつつやはり内容は難しいと思います。ただこれ以上簡単な記述はできないとも思うので、あとはマンガにでもするしかないでしょうね。

  • <目次>
    序章   病理学ってなに?
    第1章  負けるな!細胞たち~細胞の損傷、適応、死
    第2章  さらさらと流れよ、血液~血行動態の異常、貧血、血栓症、ショック
    インターミッション  分子生物学の基礎知識+α
    第3章  「病の皇帝」がん 総論編~その成り立ち
    第4章  「病の皇帝」がん 各論編~さまざまな進化

    <内容>
    軽い書き口にさらっと読めます。そのわりに本格的です(たぶん)。読んでいて思うのは、医学の進歩と病気の進化(がんなどは怖いほどに。耐性ができるということ)。そして、高校生物が大事だということ。病気を知るということは、インフォームドコンセントに対し、理解できるということなので、こういう本をしっかりと読んでいきたい。

  • 「近所のおっちゃん・おばちゃん」に読ませるつもりで書き下ろされたものだけあって、大変読みやすくわかりやすかった。ただ、やはり内容が内容なので、何割理解して、何割頭に残ったかは、ちょっと自信がない。何度でも手に取りたい。

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著者プロフィール

1957年、大阪生まれ。大阪大学医学部卒業後、内科医から研究者になる。ヨーロッパ分子生物学研究所、京都大学などを経て、大阪大学大学院医学系研究科教授。2022年に退職し隠居生活。専攻は生命科学。著書に『エピジェネティクス』(岩波新書)、『こわいもの知らずの病理学講義』『(あまり)病気をしない暮らし』(共に晶文社)、『みんなに話したくなる感染症のはなし』(河出書房新社)、『からだと病気のしくみ講義』(NHK出版)、『仲野教授の 笑う門には病なし!』(ミシマ社)などがある。

「2022年 『撤退論 歴史のパラダイム転換にむけて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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