街場の平成論 (犀の教室)

  • 晶文社
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本棚登録 : 146
レビュー : 14
  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794970374

作品紹介・あらすじ

どうしてこんな時代になったのか?
「丈夫な頭」を持つ9名の論者による平成30年大総括

平成の30年は、日本の国運が「隆盛」から「衰退」へと切り替わる転換期だった。
なぜ30年前に期待されていた「あのこと」は起こらずに、
起きなくてもよかった「このこと」ばかり現実になったのか?
平成という時代の終わりに向けて、この間に生まれた絶望の面と希望の面を、
政治・社会・宗教・自然科学など9つの観点から回想するアンソロジー。

感想・レビュー・書評

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  • 内田先生の編纂である『待場』シリーズでの平成論
    平田さんの日韓の関係の話。
    白井さんのポストヒストリー(歴史の終わり)について
    の2編が面白いと思いました。
    釈さんの宗教論。宗教の多様化、多元化についても面白い
    と思いましたが、論としてはちょっと疑義があるというか
    そんなことできるのかなあとの思いに駆られます。
    鷲田先生の小さな肯定の積み重ねについては、いつものように難解でちょっとわかりづらいところがあります。

  • 昭和天皇が崩御したのは、ぼくが中3、15歳のころ。
    家庭科の実習でうどんを作っていたのを、なぜか記憶しています。
    それから平成が始まりました。
    馬齢を重ねて45歳となり、時代は平成から令和へと変わりました。
    15~45歳は、人生の黄金期と言っていいでしょう。
    感慨深いものがあります。
    というわけで、いずれ劣らぬ名うての書き手たちの論考で、平成を振り返ろうと図書館で借りたのが本書。
    贔屓はやはり小田嶋隆さん。
    「個人から『群れ』へと進化した日本人」
    と題して論考を寄せています。
    「スマホを装備しインターネットにぶら下がることになったわれわれは、脳を外部化し複数のネットワークでつながることを通じて、一つの巨大な群れになった。」
    というのは、鋭い指摘と思いました。
    平成は言うまでもなく低成長時代。
    ちなみに私は大学時代にバブルを謳歌した口です(最も後から振り返れば、私の大学時代にはすでにバブルは弾けていましたが、タイムラグがあります)。
    ですから、就職活動は困難を極めました。
    就職してからも、景気回復を実感しないまま今に至ります。
    学生時代はDCブランド(メルローズの5万8千円のジャケットを普通に着ていました)に身を固めましたが、今はもっぱらユニクロやGU(ジャケットはせいぜい5千800円)。
    小田嶋氏の「(群れだ)とすれば、多少貧しくても将来に夢がなくても特段に不満はない」との指摘にドキリとしました。
    編者の内田樹さんの「戦後史五段階区分説」、白井聡さんの「ポスト・ヒストリーとしての平成時代」も興味深かった。
    あと、トリを飾った鷲田清一さんの「小さな肯定」ね。
    特に、先日亡くなった橋本治さんの次の言葉を引用しており、強く印象に残りました。
    「AIの導入も外国人労働者の受け入れも経済的側面からの要請です。経済の問題は数字の帳尻合わせで、数字で計れない人の心の問題はどこかへ行ってしまいます。『失ってしまったものはどこかから持ってきて、辻褄合わせをすればなんとかなる』と思っているようですが、それは『失われたものの数をかぞえる』という後ろ向きのことで、我々が考えなければいけないのは、『失われていないもの、残されているものの数をかぞえる』ということではないでしょうか。」
    うむ。
    令和時代も「小さな肯定」を積み重ねて生きたいものです。

  • ☆☆☆2019年8月レビュー☆☆☆


    内田樹を編者として、稀代の論客が「平成」をテーマに持論を展開する。共感できるところもあれば、できないところもある。

  • それぞれの先生の平成論を読み、自分自身が個人的にあまりにも暗いので、なんだかますます暗くなった。
    そして、そんなつもりはなかったのに、私にとっての平成を振り返り、「なぜこんなことになってしまったのか」「30年前にはまさかこんなことになるとは思わなかった」と同じことを感じて暗くなった。
    救いは、鷲田清一さんが引用されている橋本治さんの、失われたものを数えるのではなく、失われてれていないもの、残されているものの数を数える、というところだろうか。同じことを別の本で内田先生がおっしゃっていたのも思い出す。
    私と日本と世界と…

  • 東2法経図・6F開架:210.77A/U14m//K

  • 限られたページ
    限られた枠組み
    の中で語られる「平成論」で
    あるがゆえに

    もうちょっと 読み進めてみたいな感
    もうちょっと 論考を進めて欲しいな感
    が 出てきてしまう

    それでも
    鷲田清一さんの
    「小さな肯定」論は
    かなり面白く読ませてもらいました

  • いろいろな観点から「平成」を振り返る論集。30年間の変化の大きさに愕然とする。もっとも改元が時代の変化を表さないことは言うまでもないが。

  • 平成論とあるが、平成というより、それを話の起点に各論者が持論を語っている。
    但し、選定された論者は分野は多岐にわたり、優れた視点を持った方たちばかりである。
    通り一遍に平成という歴史を俯瞰するのでなく、こういったアクのある視点から平成を見るのは面白い。

    私たちは「どう生きるか」より「他人からどう見えるか」に意識をおいてしまう。でもそれはまさにsnsというバーチャルな世界の中で人と繋がっているものの定めなのかもしれない。

  • 19/04/12。

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著者プロフィール

1950年東京生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。東京都立大学大学院博士課程中退。神戸女学院大学を 2011年3月に退官、同大学名誉教授。専門はフランス現代思想、武道論、教育論、映画論など。著書に、『街場の現代思想』(文春文庫)、『サル化する世界』(文藝春秋)、『私家版・ユダヤ文化論』(文春新書・第6回小林秀雄賞受賞)、『日本辺境論』(新潮新書・2010年新書大賞受賞)、『街場の教育論』『増補版 街場の中国論』『街場の文体論』『街場の戦争論』(以上、ミシマ社)など多数。第3回伊丹十三賞受賞。現在、神戸市で武道と哲学のための学塾「凱風館」を主宰している。

「2020年 『日本習合論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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