- Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794970879
作品紹介・あらすじ
たしかに、これで書ける!
小論文、レポート、論述問題から、
企画書、書籍やラノベの執筆まで、
あらゆる文章作成の芯に効く!
編集者/作家/漫画家として
「相手に伝わる言葉」を模索し続ける著者が
長年の蓄積から、本当に必要な86のテクニックを
厳選し、一挙公開。
・各章ごとに「漫画でまとめ」が用意されているので、
読みながら復習ができます。
【読後の効能】
・全般:書くのが楽しくなる!
・学生:レポート能力アップ(課題発見の方法から、インパクトのある書き方まで)
・受験生:論述筆記能力アップ
・社会人:企画能力アップ(論理を構成する力がつく)
【書くためのヒント】
・疑問から書きはじめよう
・文章と文章の間を疑う
・伝える「は」と進める「が」
・転んでしまうように書く
・書き出しは情報の整理から
・「私たち」を主人公にしない
・「私」に社会を背負わせる
・コトコトするな
・アレコレするな
・カラマーゾフ「の」助詞
・昨日の話はそこそこに
・強調は短く!
・書いた文章をゆっくり読む
……などなど盛りだくさん。
感想・レビュー・書評
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2階開架書架:901.4/KAW:https://opac.lib.kagawa-u.ac.jp/opac/search?barcode=3410164088
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前半は、批評がなぜ必要か・批評を書く構えはどういうものか、で後半は、実際に書く際に気をつけること、になっている。前半は理論編で、後半は実践編というかんじです。前半はけっこう刺激的で面白いのだが、後半は単発的なTips集のようなところがあるので、同じペースでは読み進められないかな。後半のさらに後半はかなりトリヴィアルな”文章作法”なので通読するよりは、眺めておいて後で必要な時に参照するような使い方でいいように思います。
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最後まで読んで、これは批評を書くためというより、よりよく生きるための方策を「書く」という行為を通じて実践していくための本とも言える気がする。
句読点の打ち方や助詞の「の」効果など、いわゆる文法にまつわる指摘から、書いた文章の読み方、読者からの反応の受け取り方まで、一筋縄では行かないことばかり。
だから、書き続けて以前より良くなることを目指していく。
言葉を磨いて自分が磨かれれば、外へと少しずつ広がっていく…のかもしれない。 -
「はじめての批評」という本の増補改訂版として企画されたということで、文章を書くこと全般ではなく、批評の書き方に特化している。
頻繁に出てくる著者の謙遜が、本書の内容の堅さと合わず、引っかかった。
以下、参考になると思った点。
•わかりやすい言葉が、本質を見えづらくする(例 国債を国民の借金)
•安易につまらない、おもしろい、と評価しない。どう面白いのか、つまらないのかを考えることで、語彙力が飛躍的にあがる。つまらないと感じたものを5つ集めて、それぞれを説明するとトレーニングになる。 -
816||Ka
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2016年に書いた本の増補改訂版らしい。
今の時代に文章を書くためのヒントがたくさん。
誰もが発信し、受け止められる状況が出来て、
かえって以前ほど気軽にものを言うことが難しくなる中で、
いかに勇気をもって自分の言葉を発していくか。
世にあふれる文章は、多様性よりも、
むしろ二つから一つを選ばせるような狭い価値観や、
二つだけをつなげて出したような拙速な結論が目につくように思う。
情報は山のように集められても、それはただの材料でしかなく、
じゃあそこからその人が何を見出すのか、がないと面白くない。
データという客観性の中に隠れた自分は、無記名で暴言を吐くのとたいして変わりない。
かといって自分の意見だけを押し通しても読んではもらえず、
意見の違う他者(自分よりも頭がイイ)の存在を思いながら書いていく意識が大事。
以前書いたことと今書くことが変わることも当たり前。
多義性を含んだ言葉(「こと」など)で用を足さずに言い換えること。
分かりやすい文章には弊害や危険性もあること。
いろいろと示唆に富む1冊でした。 -
削りながら書く=文字数を節約する。
過去へのリサーチ=書く前に調べる必要がある。
読み手は賢く鋭く感受性に富んでいる。
わからないもの、に視線を向ける。
文章と文章の余白を意識する。思考の形跡がある。
yesを伝えるために、noから始める。
テキテキしない=的を使いすぎない。
つまらない、と書かない。おもしろい、と書かない。
カタカナ語依存症にならない。
略語は、言葉を省略するだけでなく新たな意味性が生まれる。
描き続ける以上に文章術はない。 -
文章(批評)を書く心構えから書くことの意味、細かい文章術まで、「書くこと」について書かれています。当然SNSなどが普及した現状に即して考えられています。 ただし、個人的にはそれほど目新しい話題があったわけではなく、特別心に残ったこともありませんでした。現在執筆に勤しんでいて、書けないとかどう書いていいかわからない、という問題がある方は一読してみてはいかがでしょうか。
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文章を簡単に発表できる時代に、まがい物ではない「強い文章を書く」ための、そんな文章を「書く勇気」を手に入れるための方法論を提案
「書く」までの準備として「書く理由=批評の意味」「言葉を考える=批評の準備」に前半2章を費やし、文章術としては「どう書くか」ではなく「誰に書くか」から始め、「わかりやすい文章」への疑義を展開、匿名性に依存せず「私」を出すことを勧めるなど、文字のつまった正統派、骨太の文章読本
《文章を書くことによって、自分自身の見方(視点、対象への態度、そこから育まれる思考、醸成される思想……いろいろなものを含む言葉です)をも変えることを可能とする方法論、それが文章を書くことの最大の意義なのです。》──「おわりに」より
著者は東京藝術大学大学院美術研究科修了の作家・編集者
『ネットカフェ難民』『重版未定』などの著書があり、イラストを描きアーティストとしても活動している
本書は『はじめての批評』(フィルムアート社/2016年刊)を大幅に加筆修正、100ページ以上を書き下ろして新しい本として出版したもの -
作家・編集者である著者が、「批評を書く」ための心構えや技術を書いてる本です。
好きなものを好きと書きたい人に良い本だと思います。逆に、論理的かつ気が利いてるフレーズをたくさんストックして短時間でメールやレポートを作文したい人にはお勧めできないです。
この本では批評=「価値を伝える文章」と定義しており、より多くの人が批評を書くことを勧めています。(背景に著者の信念、「様々な価値観が容認される多様性のある社会は素晴らしい」があります。)
感想は、なんというか、著者の書きたいものを詰め込んだんだなあ! という感じ。体系的な文章を読むというより、ブログや連載記事を遡って全部読んでるような気分になります。話題がたくさん出てくるし、話題のそれぞれに著者の気持ちが溢れてます。
私が良いと思ったところは以下
・分からないと書く、迷いながら書く
私に「文章は主張や結論を用意した上で書くもの」という思い込みがあったので、その辺を柔軟に考えられるようになりました。
・ラノベ「の」助詞、ルビを侮辱るな
日本語の新しい?表現に注目。助詞の使い方から表現の新しさを発見するなんて、凄いなあーと思いました。全くない視点です。