よかれと思ってやったのに 男たちの「失敗学」入門

著者 :
  • 晶文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794970954

作品紹介・あらすじ

女は「わかる! 」、男は「マジで?」
「すれ違い」の背景がわかる、衝撃のレポート

恋バナ収集というちょっと変わった活動を行うユニット「桃山商事」の代表を務める著者が、これまで1200人以上の女性たちの失恋話や恋愛相談に耳を傾けるなかで気づいた、失望される男性に共通する傾向や問題点とは? 女性たちの生の声を聞いてみると、男女でこんなにも違う景色が見えているのか、ということが浮かび上がってくる。ジェンダー観のアップデートが求められる現代を生きる、すべての人たちに贈る、より良い関係を築くための「心の身だしなみ」読本。

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ここに書いてあること、オレに関係ねぇ〜もん、って男に会ってみたい。
その自己認識のなさもとっても「男らしい」ーっ!
上野千鶴子氏推薦!
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35億、総懺悔!?

◎食べたいものを聞いても「なんでもいい」という彼氏
◎タオルやTシャツの置き場所を覚えない夫
◎「ありがとう」と「ごめんなさい」を言わない上司
◎備品を元に戻さない職場の男性たち
◎3年で起業すると言ってずっと会社にいる男友達
◎体調が悪くなっても病院に行きたがらない父親 etc...

本書の内容に知人女性の99%が同意しています(著者調べ)

感想・レビュー・書評

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  • "昭和のおじさん"たちに投げつけたくなった!!笑 (※本は大切に扱いましょう。)

    そもそも男女とかって、区別つけるのはあんまり好きじゃありませんが、わかるなぁって思うことたくさんあった。

    そして、ああ、なるほどな、そういう感覚だったのかって理解して、こちら側もどう接すればいいか考えるきっかけになる本だった。

    でも、というか、なんか女性であるわたしのほうが、耳が痛い話もあって、少し反省しました笑

    相互理解。相手を理解するって、本当に大切。


    個人的には、女性の身体的なことをもっとたくさんの知らないひとたち(男性)に知ってほしいなと思う。切実に。

  • 「(略)男性にとっては自分自身を振り返るための一冊に、女性にとっては『わたしが感じていたのはまさにこれ!』とモヤモヤを晴らすような一冊になれたら幸いです。」(260ページ)

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    コミカルな表紙とタイトルにひかれ、「サラッと読めそうだな」と手に取ったのですが、読み始めてびっくり!
    なんとも濃い、人間観察についての考察なのでしょうか…!

    様々な女性たちからの話に、本からの知識、そして著者自身の鋭い考察が絶妙にブレンドされ、主に男性のイタい行動の理由がくっきり浮かび上がっています。
    イタい行動の背景は、男性も無意識に行っていることだったりしますが、その背景を冷静に知ることにより、あとがきで記されたように「男性にも女性にもメリットが在りまくる」1冊に仕上がっています。

    かく言うわたしも、学生時代に「付き合い始めると油断する男たち」と付き合ってしまったことがあります。
    具体的にはデート中にも関わらず、可愛い子が横を通ると「あ、あの子かわいい!」とすぐ口に出して言われました。
    「かわいいと思ってもいいけど、わたしが居るときは口には出さないで」と、何度お願いしたことでしょうか…。
    しかしついに、その言動は直ることはありませんでした…。
    今回、本書を読むことで、そのオトコの中ではおそらくこんな考えがあったんだな、ということがわかり、理由らしきものを得られたことで気持ちがすごくスッキリしました。
    ありがとうございました。

    また、各章のあいだに書かれている対談形式のコラムが、これまた深くてすごいのです。
    たった数ページでこんなことまで書いてくれるの?!というくらい、読んで損はない内容ばかりのコラム、というか衝撃的な内容のコラムばかりでした。

    この本、本当に1400円(税抜き)でいいの?!というくらいの内容です。
    正直、立ち読みでは読みきれませんので、図書館で借りるか購入することをオススメいたします。

  •  女性が疑問に思う(苛立ちや不満)男性の代表的リアクションを集めた本。男女の認識の齟齬を解消することを目的としている。ジェンダー観のアップデートという側面もあり、内省するのにも役に立つ。
     男たちの「失敗学」とは、男性の具体的な行動、行為、態度、発言が女性から見て疑問や問題に感じるものを指す。例えば、女性が男性に対して「話を聞いていない」と感じる事例である。これが問題となるのは、男性側としては相手の話に耳を傾け、会話ができていると思っていても、女性側から見れば、不要なアドバイスを送られたり、励ましてほしいだけなのになぜか説教の話になったりという出来事である。これらの原因は、男女の「話を聞く」の認識の違いにあり、女性が思う「話を聞いている」とは、「ちゃんと相手に話が届いた」という感覚であり、「相手と同じ景色が見えている」と感じるときにあり、男性はそうでないことが多いためと本書は分析している。上記の出来事を解消するためにそういった見方のズレを炙り出した上で、解決策を論理的に提示している。
     全員が当てはまるわけではないにしろ数多くの男性の不満に関する「あるある」が寄せられるのは、それだけ誰の身でも起こり得る出来事なのだと理解できる。だからこそ、より心地よく誠実なコミュニケーションを考える必要がある。「よかれと思ってやったのに」なんてならないように身を引き締めていきたい。

  • 借りたもの。
    「男女あるある」を「男の目線から」丁寧に解説した良著。
    読んでいて思ったのは、本のタイトル「良かれと思って」とは“相手を思いやって”という意味ではなく、“自分がそれで良いと思って”という意味だという事。
    安っぽい心理学系の本でも男女のモノの捉え方に差があること――女性性に相当する共感、グレーゾーンを許容する傾向がない――ことは指摘されているが、それを丁寧に“言語化”することにこの本は重きを置いている。
    世の男性たちに向けて代弁しているのか、その言語化によって気づかせようとしているのかは、私には判断しかねるけれども……
    19種類の事例を挙げ、こうしたコミュニケーションに難ある男性に対して共通している事は、どれも主観(等身大の自分ではなく妄想の場合もある)で、共感と想像力に欠如していることだった。客観性に乏しいと言える。
    ラクしたい、快感だけを味わいたい、失敗したくない、説明したくない……
    それらを回避できる世界観に依存する問題…
    すなわち男性だけの暗黙の了解――ホモソーシャル――の世界に留まっていることに警鐘を鳴らしている。
    ゲイの話ではなく男子校的な男尊女卑、内輪ネタ的な世界のことだ。
    そこは男だけの共通認識しかないため、居心地がいい。
    その中にいる男たちの“女”は記号、物体でしかない。女性に人格や人権があることが消えている。
    ポルノや二次元と同じ“消費するためのフィクションの女性”の感覚。
    これをそのままホモソーシャルの外に持ち出しているようだった。

    それを解消するのが女性をはじめとして他者に“共感すること”だが、この本では共感という言葉は使わず、図で相手と自分の領域が重なっている部分で表している。
    そして19種類の男たちはその重なっている部分に踏み込んでいないことを指摘。
    処方箋は「話し合い」だが、この本ではその前段階に留まる。何故なら個々人のケースバイケースだから。

    男性がどういう思考回路をしているのかを文章化している点で面白かった。

  • 『男たちの失敗』に関する分析が細かい。
    細かすぎて、
    こんなに分析して説明しないと、分からないの??
    ってイライラしてザクザク飛ばし読み。
    いまの私にもう少し心の余裕があれば、じっくり読めたと思う。

  • 自分に当てはまるものはごく一部でしたが、それ以外のものについても「あ~、わかる」というカンジで読み進めていましたから、ここに書かれているのと同じ”芽”は自分のなかにも確実に存在するのであろうと感じました。
    それにしても人間の内側をここまで論理的に分析されている点、また文章表現としても的確な言葉を選び、読み手に正確に伝わるよう丁寧に書かれている点が素晴らしい一冊であると思います。
    PART4でも書かれていますが、自分の内面をのぞき、自分の感情や考えたことを正直に言語化してゆくこと、これが大切な点であり、そういうスキルを身に付けたいですね。

  • 女の側から見た「妻のトリセツ」、男の側から見た「LOVE理論」。全く解釈は違うが全く同じことを言ってるこの2冊は男と女の性差を殊更に主張し、ああしろこうしろとラベリングする指南書だ、、、ということが「よかれと〜」を読んで痛感した。
    男と女の性差の、「その先」を本書では糸をほぐすように分析して根底に流れる問題を浮き彫りにしてくれる。全男性に読んでほしいが、この本を読むような人はきっと本書に登場するホモソーシャル村の住人ではないのだろう。
    いじめもハラスメントもDVも。被害者よりも加害者のカウンセリングが必要なのだから。

  • 『よかれと思ってやったのに――男たちの「失敗学」入門』を読んだ。読みたいなーと思っていたのにずっと読めていなかった。そういう本がたくさんある。
    読みたい本を同時に読めるだけの自分の分身がほしいと思う頻度が高くなっている。
    実際に出会ってやりとりをしたことがある男性、SNSなどネット見る男性の言動を見ていて「な、なぜ…!?」となることも多いので、なぜそういった行動になるのかそれらに行き着く思考回路ってどうなっているのかに興味があった。
    読んでみると「それな!」「マジでそれ」「そうなんよ…」のオンパレードである。
    この本はどんな本なのかというと『はじめに』のところで以下のように書いている。

    ”本書は、女性たちから聞いてきた「男に対する不満や疑問」の数々を紹介しながら、我々男性が抱える問題点について考えていくというものです。主に男性読者へ向け、「自分の内面を見つめ、”心の身だしなみチェック”」ができるメンズを一緒に目指しませんか?」という視点で描かれていますが、女性読者にも、男性の心理やs効果色を理解するための本として役立ててもらえると思っています。”
    『よかれと思ってやったのに――男たちの「失敗学」入門』p8より

    男性は「もしかして…」と思うのだろうか。もしくは「そんなことない!」と思うのだろうか。
    後者の「そんなことない!」と思った人は責められているように感じるのだろうか。
    実は何か提案を持ちかけられたときに「責められてる!?」と思って過剰なリアクションをとってしまう男性のことも取り上げられいるので「そんなことない!」と思ってしまった方にも読んでもらいたい。
    女性は「あ~……」と思う部分も多いと思う。私はそうだった。
    自分たちの気持ちを受容してもらっていると感じて、読んでいてもやもやが晴れた。
    男性である清田さんがなぜ男性はこういう思考回路や行動になるのかを解説してくれているだけではなく、学者で男性やジェンダーのことについて研究している方の話も掲載されている。
    女性と男性はわかりあえない、と絶望したくなるようなことも多いが清田さんや学者さんをはじめ真摯に取り組んでいる男性の姿に癒やされるし、励まされる。

  • ・男性あるあるがたくさん。自分としてはかなりあるあるだなと思うけど男性はピンとくるものなのか気になる。ただこの本男性は読むのかな?とは疑問。
    ・特にあるあると思ったのは「決断を先送りにする」「謝らない」「男性同士だとキャラが変わる」「話し合いができない」あたり。でもまあ人による。
    ・本では枝葉の部分が紹介されている感じがあるがなんとなく男性あるあるの根幹として普遍的に言えそうなのは「感情の言語化が苦手」「上下関係/社会的評価を重視する=見栄やプライド重視」とかだろうか。
    ・対談部分が読み応えある。
    ・性欲には性的快感と心的快感(誰かと精神的にわかりあえる喜び)があるが前者のみが性欲と捉えられがち。性教育が足りないことが歪みを生む、安倍さんが先導して性教育のバックラッシュが起きた。統一教会の例のやつ。
    ・ヘテロ男性はマジョリティで自分に疑問を持つことが少なく、下駄を履かせてもらっているとか内省するような言葉が届きにくい。
    ・男性のハゲへの恐怖って異常だよね。「ハゲはモテない負の烙印」と「男性は見た目なんて気にすべきでない」に引き裂かれて(そもそもハゲはモテないということの根拠もないけど)身動き取れず、でもハゲを気にすること自体もまた負の烙印になる。

    ★女性からの恋愛相談の内容ベースで組み立てているものだと思うので、この本に書いてあるような男性あるあるは必ずしも全て悪いものではないとも感じた。逆に男性から見た女性あるあるも気になる。でも本に限らずそういう女性あるあるのまとめってなんとなくいつも女性蔑視が含まれてしまう気がするのでフラットに比較的学術的に性差がまとめられているものがあれば読みたい。男性が読むと気付きはあるかもしれないけど男性は読まなそうな本。

  • 桃山商事3冊目、これが一番腑に落ちる内容だった。特に専門家にきく教えて、先生コーナーがためになった。ホモソーシャル、ハゲ問題、DV等々。

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著者プロフィール

清田隆之(きよた・たかゆき)
1980年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。文筆業、恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表。恋愛とジェンダーの問題を中心に執筆活動を展開。桃山商事としての著作に『モテとか愛され以外の恋愛のすべて』(文庫ぎんが堂)、共著に『大学1年生の歩き方――先輩たちが教える転ばぬ先の12のステップ』(左右社)、単著に『よかれと思ってやったのに――男たちの「失敗学」入門』(晶文社)、『さよなら、俺たち』(スタンド・ブックス)、『自慢話でも武勇伝でもない「一般男性」の話から見えた生きづらさと男らしさのこと』(扶桑社)などがある。

「2022年 『どうして男はそうなんだろうか会議』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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