異聞風土記 1975-2017

著者 :
  • 晶文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794971821

作品紹介・あらすじ

過去の風景が未来を語る。
流転の日々をその土地と人々の記憶から紡ぎ出す、
<極私的日本史>。

高度成長期に生まれ、多感な時期にバブルとその崩壊を体験し、
阪神大震災・東日本大震災という二つの巨大な天災をへて、いま
未知のウイルスに浸食されている「私たち」。
その姿がたった一人の視点と経験が浮かび上がらせる。

神戸・京都・大阪、東京を経由して、福岡・鹿児島、そして宮古島へ。

すでに行き去りし人々の息遣いと熱をまとった「私の物語」から明らかになる
もう一つの日本史。

【本文より】
そこでしか語られない言葉があり、そこに吹き渡る風がある。
風土を記すとは、表に現れないところを感じることではないか。
――そんな想像を手掛かりに私が暮らした、歩いた土地について記してみたい。

【目次】
第1章……神戸編
1:神戸、1975年
2:あちらとこちら、1975年
3:阪神間モダニズム
4:モロゾフとコスモポリタン、1984年
5:震災、1995年

第2章……京都編
1:洛中洛外
2:路地
3:ソウル
4:巫祝

第3章……大阪編
1:大阪との邂逅、1989年
2:鶴橋
3:彼女の口の達者さ

第4章……東京編
1:東京、1994年
2:大山ハッピーロード
3:別離、1995年
4:歌舞伎町、2002年
5:千駄木、感情教育の始まり
6:2011年3月11日

第5章……福岡そして鹿児島
1:福岡、2013年
2:メゾンプールサイド
3:本当に本当の記憶
4:鹿児島、2017年
5:しょうぶ学園

第6章……宮古島
1:宮古、2015年
2:ミャークとヤマト
3:淫蕩

終わりに

感想・レビュー・書評

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  • 著者のお名前、読み方は、ゆん・うんで氏、ライター、インタビュアーとのこと。
    表紙が素敵すぎ、タイトルにも惹かれ拝読。

    親と祖父母世代が大変な、本当に大変なご苦労をされた在日の方で、その当時の暮らしぶりら京都での特殊なコミュニティとの関わり、お婆さまの特異な生き様が壮絶で読んでいる方もショックであり、淡々としかしその当事者としてのどうしようもないありようが描かれている。
    そのほかの時代(筆者のご年齢、そのときどき)の、土地の描写もとても丁寧で内在的洞察に富み、一読の価値あり。繰り返し読めば毎回違う気づきがあるだろう。

    風景の変貌、喪失。記憶の源泉がたたれるものがこれほどつらいとは。という気持ちを吐露される神戸、震災1995年。インドを旅してトラブルフルな旅で、自分のアイデンティティを求めなくなった。インドの空の下でどうでも良くなる。何者であるかは、私が考え決めることではない、自分が何者か、そんなことはあれこれ考える自分の外側にあることだと悟る。

    続きあり

  • しょうぶ学園で働いてたエピソードも

  • 矢萩多聞さんらしい装丁が目に留まり思わず手に取った。なので特に答えや意味を求めずに始めた読書、それ自体が個人的に久しぶりで、各地で巡らされる著者の思考にじっくりと耳を傾けている感覚が終始あった。文体が好き。
    3.11後も日常を止めることのない東京から離れるところでは、世情を思い浮かべる。
    前に前にという生き方だけでなく、地を這う根のように成長していく術を自分なりに身に付けていきたい。

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著者プロフィール

1970年神戸市生まれ。インタビュアー&ライター。政財界人やアスリート、アーティストなど約1000人に取材し、その経験と様々な武術を稽古した 体験をもとに身体論を展開している。
主な著書に『さよなら、男社会』(亜紀書房)、『異聞風土記 1975-2017』『親指が行方不明』(以上、晶文社)、『モヤモヤの正体』(ミシマ社)、『脇道にそれる』(春秋社)など。

「2022年 『つながり過ぎないでいい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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