発達系女子とモラハラ男──傷つけ合うふたりの処方箋

著者 :
  • 晶文社
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本棚登録 : 188
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794972569

作品紹介・あらすじ

好きで一緒になったのに
「ふたりが生きづらい」と思ったら
読んでください。
衝撃の「妻の布ナプキンを洗う夫」記事でTwitterトレンド入り!
熱い共感で多くの「ふたり」が涙した鈴木家の物語、最終章。

発達系女子のど真ん中を行く妻、御年41歳、子ども無し。働く意思も無く自発的に家事をするでもなく、テレビと猫とゲームにまみれて家から出ようともしないプチひきこもり。シングルインカムでワンオペ家事の夫は鬱憤蓄積し、いつしか妻に叱責や暴言をぶつけるモラハラ男に。しかし夫が脳梗塞で倒れ「後天的発達障害」ともいえる高次脳機能障害になり関係性が激変。夫は妻の「不自由」や「苦手」を徹底的に考察し、家庭改革に乗り出す。相互理解の困難と苦しさの渦中にある発達系女子×定型男子のふたりに贈る、読む処方箋。

僕たち定型男子は発達系女子と暮らす中で互いを傷つける関係性に陥りがちです。そして僕はかつてのDV夫として、発達系女子を好きになって一緒になってみたものの、生活がたちゆかなかったり日々ストレスを抱え続けたり、何より大切なパートナーを傷付けてしまうことがどれほど苦しいことなのか、痛いほど分かります。DVを肯定するつもりは絶対に無いけれど、そうしてしまうところに僕らがなぜ追い込まれてしまうのか、嫌というほど分かるのです。(「まえがき」より)

【目次】
まえがき
第1章 されど愛しき発達系女子
第2章 不自由な脳で生きる異世界
第3章 発達系女子が片付けられない
第4章 発達系女子と家事を分担できない
第5章 発達系女子と話が通じない
第6章 発達系女子と将来像の共有ができない
第7章 発達系女子が自分を大事にしてくれない
第8章 発達系女子が働いてくれない
最終章 発達系女子と生きる
あとがき

感想・レビュー・書評

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  • 前半に漫画の箇所があり、あらためて疲れやすさや、できないことに理由がちゃんとあること、認知資源のしくみについて学ぶきっかけになりました。お2人がどう工夫して生活をしているのかを、具体的に書いて下さっていて、こういう形もあるんだよ、とメッセージを発信してもらえるのがありがたく、心強いです。

  • ガッチガチの発達障害である奥さんと結婚した定型発達の旦那さんが事故で高機能障害になり、奥さんが見ている世界を体験することで、「発達女子の面倒見てる偉い俺」から降りて、「夫婦がうまくいくにはどうしたらいいか」を考えるという本。
    正直、この旦那さんは確かに加害はしてたと思うんだけど、ここまで180度考え方を転換できる時点で、本当のモラハラパーソナリティではないと思う。本当のモラだったら、たとえ自分が同じような立場に置かれても絶対反省しないし、なんなら自分の身に降りかかった不自由は嫁のせいにしそう。
    注意が何かにぴたっととめられてしまう「ゴリラグルー」の感覚は何となくわかる。改めて自分の特性を考えるきっかけになったし、発達ゆっくりの息子と今後一緒にいる上でもいい気づきになる本だった。

  • 教育現場でも役立つ内容でした

  • マンガを交えていて、特性がわかりやすい。

  • これはすごく良い本だった。発達障害と定型発達の埋められない・理解し得ない溝を、奇跡的に理解した(せざるを得なかった)、極めて珍しいルポタージュ。医学的・臨床的にも価値がある事例なのではないかと思う。

    夫側の言い分が、まさに私の今の精神的な「私はDV加害者なのではないか?相手を傷つけつつも、一番傷ついているのは私自身なのではないか?」と悩む気持ちと完全にシンクロしていて、涙が止まらなかった。こんなに深い共感を得られる体験はこれまでになかった。

  • 発達障害の人たちにとって、世界はどう見えており、何がどう難しいのか、なぜ難しいのかが物凄く分かりやすく説明されている。

    ただ疑問に思ったのが、話が長くなるほど冒頭の話を忘れたりインパクトがある点のみに執着してしまい、その間に会話が流れていってしまい全体像が掴めなくなる特性が強いとのこと。
    それって、映画見たり本読んだりして全体の流れが掴めるのか?また、それでおもしろいと思えるのか?というところ。(本の中で、発達障害のある妻がドラえもんの映画が面白いと言っている)

    もう一つの疑問が、妻は約束を必ず守るタイプだ と前半に書いてあるものの、後半には約束の時間を守れない妻、とも書いてある。どっちやねん。

  • 5冊目(1-5)

  • 高次脳機能障害や発達障害の障害の説明がわかりやすく、納得感がある。
    自身パートナーの障害やパートナーシップにおいての問題解決力が高く読んでいて楽しい。

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著者プロフィール

1973年千葉県生まれ。文筆業。子どもや女性、若者の貧困問題をテーマにした取材活動をし、代表作として『最貧困女子』(幻冬社新書)などのあるルポライターだったが、2015年、41歳のときに脳梗塞を発症し高次脳機能障害が残る。当事者としての自身を取材した闘病記『脳が壊れた』『脳は回復する』(ともに新潮新書)が話題に。他にも、夫婦での障害受容を描いた『されど愛しきお妻様』(講談社)『発達系女子とモラハラ男』(漫画いのうえさきこ。晶文社)、当事者視点からの実践的な援助ガイドを試みた『「脳コワさん」支援ガイド』(日本医学ジャーナリスト協会賞受賞。医学書院)、当事者と臨床心理士との対話を記録した『不自由な脳』(山口加代子氏との共著。金剛出版)などの著書がある。

「2021年 『壊れた脳と生きる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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