食・べ・て (リーフノベルズ)

著者 : 香月宮子

• リーフ (2000年2月1日発売)

感想・レビュー・書評

[yukiserigayaさんの感想 · 2010年7月9日]

取り寄せ先：江東区立東雲図書館（受け入れ先：町田市立中央図書館）

ボーイズラブにとって「他者」（特にゲイ）とは何なのかを考える上で参考になるのではないかと。
帰国子女である主人公のホモフォビアは鮮烈かもしれないが、そういうことしか外国を舞台にした作品において描けてこなかった（当時の）ボーイズラブ業界の知の浅さを逆転の発想で捉えなおしているというのは評価の対象になるのかもしれない。

確かに、濡れ場の描写がきついのは承知の上だ（料理という設定の上なので、主人公が当然のごとく「素材」として取り扱われるからだ）。際どいプレイも現れる。しかし、そこを抜け切った先にある「なにか」が読者に届けばいいのだが。余計なことは言わないことにしておこうか。