パーキンソンの法則

  • 至誠堂
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  • Amazon.co.jp ・本 (174ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784795319127

感想・レビュー・書評

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  • エコノミストで紹介されており興味を持ったので読んでみました。役人の非効率な習性を皮肉を交えて明解に分析しており、また日本語訳の文体にユーモアを含んでおり、楽しく読めました。
    絶版になってしまっていたので単行本を古本で買いました。昭和36年発行で定価が280円、翻訳者は大正生まれ。時代を感じる本でしたが、内容は今でも参考になる良本でした。

    以下、印象に残った箇所です

    役人は部下を増やすことを望むがライバルを好まない。
    役人は仕事を2つに分けて部下AとBに振る。そうすることで自分だけ2つのパーツに精通しているただ1人の男になれる。

    会議は5人が都合よいが次第に膨張していく。20人になると議論が進まない。すると会議を開く前に5人の重要なメンバーが集まって大体の決定をしてしまう。効率の良い会議体は5人まで。

    内閣が非能率になっていく過程は万国共通。内閣の非能率の境目は20人。それを超えるとそこにいるだけの一員が生まれ、会議中に眠る一員が現れ、もはや最初の意味の内閣ではなくなっている。

    委員会は植物のよう。育ち、花が咲き、種を撒き散らし、やがてその種からまた別の委員会が生える。やがてしおれ、枯れる。

    オヒィスビルの建設はその機関の崩壊点で達成される。その機関の前進の時期には忙しくきちんとした本部を設ける余裕がない。後で仕事がなくなり余裕が出来た時に建設に着手し完成の頃に機関は衰退している。

    パーティの重要人物の着く時間。彼らは始まる10分前なんかに着いたりしない。会の途中すでに相当数の人々が集まった頃に、そして他の重要人物が去ってしまう前の時間に着く。歓談中も同じ所に10分としてとどまらず他の重要人物と話して速やかに立ち去る。

    なるほど。






  • 複雑さと重要性は、割り当てた時間の長さに比例する - 読んだものまとめブログ http://t.co/t1iXgBh via @sadadad54

  • 感想
    どこまで真実か。だが一部に真実は含まれる。効率化がイマイチ進行しない理由。現場は自らの存在価値を確立するために仕事を作り続ける。

  • 「一千万ポンドの議論と十ポンドの議論は大体同じくらいの時間ですむ」、「候補者が絞られる募集をする」、「左偏性と中央忌避性による左巻き現象」

  • イギリス人らしい皮肉が効いたエッセイ。パーキンソンの法則以外もかなり人口に膾炙され、建物が良くなると中身は悪くなるとか会社を見るときはトイレを見ろとか経営評論家のネタはここにあったとは初めて知った。

    半分ジョークなのでどこまで真剣に受け取るかは難しいが、よく言われることとして知っておくことは重要。

  • 森永晴彦訳の昭和36年版だったので、時代を感じた。ちなみに、表示定価は280円でした!

    パーキンソンの法則(英: Parkinson’s law)は、1958年、英国の歴史学者・政治学者シリル・ノースコート・パーキンソンの著作『パーキンソンの法則:進歩の追求』、およびその中で提唱された法則である。
    役人の数は、仕事の量とは無関係に増え続けるというもので、具体的には、
    第1法則
    仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する
    第2法則
    支出の額は、収入の額に達するまで膨張する
    の二つからなる。
    第1法則について:
    パーキンソンの法則は、英国の官僚制を幅広く観察した結果に基づくもので、たとえば、イギリス帝国が縮小していたにもかかわらず殖民地省の職員数は増加していたとパーキンソンは指摘している。このような結果は、
    ・役人はライバルではなく部下が増えることを望む
    ・役人は相互に仕事を作りあう
    という2つの要因によってもたらされる。また、官僚制内部の総職員数は、なすべき仕事の量の増減に関係なく、毎年5-7%増加したとも指摘している。(ウィキペディア)

    高給取りの日本の議員の数も増える一方です。

  • 長年積んでいたのだが、ふと気になり読了した。
    パーキンソンの法則はWikiによると、

    第1法則
    仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する

    第2法則
    支出の額は、収入の額に達するまで膨張する

    の2つの法則からなるとされる。
    本書では10章立ててそれぞれのエピソードが記述されるが、要は組織なり規模の箱が充足するまで膨張していくような普遍的な心理が働くものを言っているものだ。
    たしかに、何か空間上に隙間があると埋めたくなるのが人間の性というものだし、わからなくもない。

    しかし、公務員の増加の件については非常に考えさせられた。やはり視点が何か新たなものを創出するような方向性でないと、何かの作業に対し役割分担などをしてしまい、その結果出せるアウトプットの総量に変化がないのに内部の人が増えるということになりかねない。
    中で出てくる方程式などは、どう導出されたのかツッコミどころが満載ではあるが、一仮説という側面で捉えれば、解釈のしようもある。
    やはりこうした罠に陥らないように定期的にエントロピーの均一化や散逸化などを企図することは大事なんだろうなと改めて感じた。

    ◆目次
    まえがき
    1 パーキンソンの法則 公務員は如何にしてふえるか /
    2 民衆の意志 中間派の理論 /
    3 高度財政術 関心喪失点 /
    4 閣僚の定数 非能率の係数 /
    5 人選の原理 採用試験と求人広告 /
    6 非建設的建築 行政のしこり /
    7 人物映写幕 カクテル・パーティーの公式 /
    8 劣嫉症 組織病理学 /
    9 苦力百万長者の話 中国風成功法 /
    10 恩給点の解析 退職の潮時 /
    訳者あとがき /

  • 「議題の各項目に費やされる時間は、それぞれの項目の出費額に反比例する」とはなんとも皮肉の聞いた法則ではないか。たしかに、3万円の決済はなかなか下りないのに、3000万円だとさっさと決済してしまうデシジョン・メーカーもいるので、経験的にはこの法則は正しいと思うが、なんとかならないものか。他にも鋭い法則多々あり。面白い。

  • ググって関連ポストを読むだけでもいいかもですな。

  • 1955年(英国『エコノミスト』誌 11月19日号)に発表した風刺コラムが税金に寄生する官僚の実態を見事に暴く。そしてステレオタイプ化された様相が笑いを誘う。巨大組織は官僚を必要とするが、官僚はどこの官僚も同じ表情をしている。
    http://sessendo.blogspot.jp/2014/03/cn.html

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