- Amazon.co.jp ・本 (374ページ)
- / ISBN・EAN: 9784795847927
感想・レビュー・書評
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岐阜県徳山村。小学2年生の時、まだ廃村前の村を訪れたことがある。2002年ごろはダム完成直前、翌年の湛水直後、ダム運用開始後など何度か足を運んだ場所なので、感慨深い。
後年、その下流で国体が開催されカヌーコースができ、時折遊びに行くことになるとは、不思議な縁を感じる。
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徳山村がダムに沈むまでを10年以上かけて記録し続けた本著。本にならなければ人々の記憶から簡単に消えてしまいそうな、村の人々のささやかな日常の記録が、かえってダムに沈んでしまう現実を突きつけてくる。
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シンプルに、ストレートに、ピュアに、徳山村のコアな暮らしぶりを伝える。
ダムに賛成、反対とかをとりあえず超えているのがよい。
著者がはじめに語るように、まさに村を自身が訪ねているように感じられる、旅したくなる本。
のびやかで、でも時たま力のこもる文章は、写真にも負けずに惹き込んでくる。
良くも悪くも、ダムは、水没する地域の人々にとって、「生活の一部」であると思った。
悪い意味でダムは生活の一部であって、つまり、人々にとってダムのことに向き合うことなくして現在や将来の生活は考えられなくなる。移転後にも周囲の目等がきになる等、やはりダムから逃れられない。
一方、よい意味でダムは生活の「一部」でしかなく、暗い気持ちになることなく、やはり明るく山や畑にむかう人々がいたのだとも気づける。
わりと淡々と村の様子の記述・写真が前半は続くが、後半あたりから、著者大西と村の関係が濃密になり、同時にダムをとりまく状況が進展してくるという、動きのある展開になってくる。
そうした中での、メディアとの関係とか、水資源機構(事業者)との関係なども、臨場感を伝えるポイントである。展覧会を訪れたテレビ局記者を案内したり、湛水スタートでの大勢の記者にむけられた一定の嫌悪感とか、水機構にネガティブな思いを抱きつつもその後関係を築き貯水池内の写真を撮っていたり。
同時に、じじばば達が移転したりこの世を去ったりしていくのも、象徴的な展開。 -
ここにこそ、人間の営み、生が存在する。
ここにしか、それらはまた存在しない。
大好きな場所を、家を、暮らしを奪われた人の気持ちはどんな風だったかな。
そしてそれを壊しているのは、誰だったかな。
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山菜取り、食料の保存の仕方、火の付け方など、何も知らず、僕には生活力がなかった。始めて見るものばかりだ、だから飽きなかった。
自分自身の中から、笑いがあふれ出ている。ここが楽しいのだ。もっと村を知りたい、見たいと思い始めるようになった。
ここが楽しくてしようがないのだ。一生懸命食べ物を作って、その仕事を苦にしていない。僕たちの働き方と生き方の違いを、教えられたような気がした。
ひとりのおばさんの人間関係ではなく、徳山村に暮らす人々、それぞれの人間関係の濃さも出ている。そのように生活していかないと、きびしい山での暮らしを乗り越えられないのであろう。
街の暮らしも大変うやっていうことがわかった。
人間がこういうふうにしてしまうで
徳山村には縄文土器がある -
実話。感動したした…(´;ω;`)
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岐阜県にある、日本最大級の徳山ダム。
今はその水底に沈む徳山村で、水に沈んでしまうまで徳山村に住むおばぁやおじぃとの生活を綴った本。
村のおばぁたちの元気な事!
おばぁたちの生活が、すっごく素敵で、うらやましくて、きらきらしていたぶん、最後はすごく切なかった。
水も、ガスも、電気も、キュッとひねれば当たり前に使える日本。
その蛇口の向こうに生きていた人たちがいる事、
私たち、ちゃんとみえているだろうか。
発案から、完成するまでに50年もかかるものが、
人や自然に大きな大きな影響と変化を与えるものが、
本当に私たちに必要なのかな。
文明を手に入れた私たちは、本当に進化したの?
私は、
そんなにたくさんのものを傷つけなきゃ得られない便利は、欲しくないよ。 -
山で暮らす知恵
人間の強さ -
本は読んでません。映画を観ました。
映画を置きたかったけど、ない。
だから本で代行。
しかしながら本は1ページも読んでないです。本になっていることをここで知ったくらいです。
映画、観てほしいなあ。じいちゃんばあちゃんの表情をみてほしい。