誰も国境を知らない―揺れ動いた「日本のかたち」をたどる旅

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  • Amazon.co.jp ・本 (390ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784795848924

感想・レビュー・書評

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  • 昨今の日本と周辺国との軋轢というか、考え方の違いがナントナクわかる。
    正しいというのが相対的なものと思わざるを得ない。
    レポートとしては単純に面白い。

  • 日本人なら誰しも、海外で初めて国境というものを目にしたときに、強い興味を抱いたことがあるのではないだろうか?日本は島国であるがゆえに、国境という意識が希薄とよく言われる。しかし、本当にそうだろうか?あまりにもナーバスな問題を孕むため、いつの日からか国境について考えることをやめてしまっただけなのではないだろうか?本書はそんな国境について綴った渾身のルポ。

    ◆我々の知らない国境の現実
    ・北方領土
    電波状況の良い地域では、日本の携帯電話やTV番組を受信することができる。島には、レーニン像やロシアの戦勝記念碑も立っている。
    現在、島に住む人たちは、ソ連時代に北方領土の経緯を何も知らされずに来た人たち。
    ・沖の鳥島
    日本最南端の無人島。岩なのか島なのか、議論が分かれており、国境をあいまいにする大きな要因となっている。
    ・竹島
    竹島の頂上にそびえ立つ有人灯台には、韓国国旗がはためく。
    ・対馬
    島の経済は韓国からの観光客によって成り立っている。島根県が「竹島の日」制定後、釜山近郊の都市にて「対馬島の日」が制定される。
    ・与那国島
    日本より台湾の方を身近に感じており、2005年、台湾との間で自由に人と物が行き来できる「国際交流区案」を国に提出。
    ・尖閣諸島
    土地の所有者は日本の個人。国が賃借しているという位置づけ。上陸するたびに罰金が取られる現実もある。

    こういうナーバスな話は、冷静なルポに限る。国と国の話以前に、大切なものがある。理不尽な現実の中で生活を強いられる人々の佇まい、今もなおそこを故郷と思い続ける人々の気持ち、複雑な歴史を紡いでいきた島の大地。マスコミには一切報道されないが、タブー視して目をそらすことのできない現実が、そこにはある。
    まずは知ること、そして感じること、そんな思いが繋がること、そこからじゃないだろうか。感情論や政治的な駆け引きではなく。

  • 中学生以上は、必読かも~。
    国境を見たことがありますか?

  • 次は 誰も「国民」を知らないっていう本を誰かが書いてくれるといいのに。

  • 日本の国境付近に位置する島々を巡った著者の旅行記。竹島や北方領土などの領土紛争の舞台ではそこに住む人と元島民の声を拾う。韓国からの旅行者に溢れる対馬、台湾と経済交流したくても出来ない与那国島、米国での占領時代を経験した小笠原諸島、、、そこに暮らす人、暮らしていた人の言葉から、日本の「最果て」を描く、優れた旅行記。

  • 2008年旅の本屋大陸堂No.1ノンフィクション!
    沖ノ鳥島や北方領土など日本の辺境をめぐる渾身のルポ。
    こういういい本をしっかり売りたい。

  • 日本の端っこの島々の旅行記。端っこなので領土紛争中の島々も含まれます。領土問題にはあまり興味無いのですがそんな秘境がどういうところなのかということについてはとても興味があるので読んでみました。北方四島、小笠原諸島、沖ノ鳥島、硫黄島、対馬、竹島、与那国島、尖閣諸島の話が載っています。尖閣以外は上陸した話が書いてあります。小笠原の欧米系住民の話、沖ノ鳥島の建造物の写真、硫黄島に生活があった頃の話などが興味深かったです。もっと写真をたくさん載せてもらえたらよかったですね。

  • 極上に面白い。

    ノンフィクションライターである著者が、日本という国の境界線に浮かぶ島々を訪れた旅行記です。
    国境の島といっても、いくつかのカテゴリーに分けることができます。

    1.隣国との間で領有権を争っている島々
     北方領土、竹島、尖閣諸島

    2.現在では間違いなく日本の領土であるが、島の歴史においてその位置づけが左右されてきた島々
     対馬、小笠原諸島、与那国島

    3.日本の領土であるが、普通の日本人が訪れるのは極めて難しい島々
     沖ノ鳥島、硫黄島
     ※硫黄島には2.の要素もあります。

    取り立てて特筆するような事件が発生するわけでも、ドラマチックな出来事が起こるわけでもなく、苦労してコストをかけて実際に島を訪れた著者が、島の様子を肌に感じ、島に暮らす人、かつて暮らす人から聞いた話を綴っただけの内容ではあります。
    だけど、それが抜群に面白い。

    特に興味深かったのは、上記2.のカテゴリーにある島々。
    小笠原に初めて入植したのが西洋人で、その子孫が今でも暮らしているという話は寡聞にして知らなかったし、韓国や台湾が日本の統治下にあった頃には栄えていた対馬や与那国島が、戦後国境が引かれたことで「辺境」となったことの影響を受けていく様子も感慨をおぼえずにいられません。

    そして、北方領土や竹島。
    自分など、国境紛争については、国際法に照らして…とか、どうしても理屈で考えてしまいがちですが、そんな理屈など「実効支配」という既成事実の前ではまったくの無力であることを痛感させられました。

    国家、国境という極めて人為的な概念が、地理的・物理的な距離を凌駕していく不条理。
    その不条理さにこそ、逆説的に人間の営みの偉大さを感じさせられるような気もしました。

  • 社会

  • "領土問題について考える本。国境沿いにすむ人たちの思い、戦前にすんでいて未だに帰れない人たちの思い、などにもふれている。北方領土、竹島、尖閣諸島、
    歴史的にどう解釈されているのかにもふれているので勉強の教材にもなる。"

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著者プロフィール

ノンフィクション作家・フリーライター
1970年大阪府生まれ。神戸学院大学法学部卒。
離婚を経験し、わが子と離れて暮らす当事者となって以来、子どもに会えない親、DVや
虚偽DVなど、家族をテーマにした記事を雑誌やウェブメディアに執筆。
著書に『僕の見た「大日本帝国」』、『誰も国境を知らない』『本で床は抜けるのか』
など多数。18人の父親に話を聞いた『わが子に会えない 離婚後に漂流する父親たち』
(PHP研究所)を2017年に出版。

「2020年 『子どもを連れて、逃げました。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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