- Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
- / ISBN・EAN: 9784796400299
感想・レビュー・書評
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倦怠期の四十路カップルが愛を再確認する話。作者買いしてみたものの、くっつく過程や、くっついてからのイチャラブが好きな身としては好みではなかった。あらすじとかから、わかってはいたけれど…。なんていうか、リアルすぎて…(^^;)そしていくら倦怠期と言っても、浮気はだめだと思う…。
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チャレンジャーなお話ですね。
書き下ろしの千里視点の話は面白かったしBLですが表題作は違いますね。
作品としては良かったですが好みの問題です。現実を読みたいんじゃないのよ、と思ってしまう。近親相姦とかSMとかはOKだけど浮気は意外とNGでした。 -
付き合って20年のカップルについて書かれた話。
始めの冷め切ってしまっている関係については、なんだかとても自然な流れで、リアルな感じがしました。
その後少年との不思議な出会いを挟んで、二人の関係がどう変化していくのか…。
他の小説とは違うアプローチの方法がよかったです。 -
主人公は、大学の時から20年間連れ添ったアラフォー同い年の、大学教授×中堅小説家。倦怠期を維持して同居人レベルの関係になってしまった二人です。綾小路き●まろも驚きそうな、馴れ合いすぎて新鮮味を失くした♂×♂cpのリアリティあふれる「熱愛のその後」
よく言えばしっとりした大人の話で、穿った言い方をすれば夢もロマンもないビターな切り口で、表題作のみだったらBLとは言い難いです。男女の夫婦でありがちなことが、男同士のcpで描かれていているんですよね。
でも、興味は湧きます。
特に、男同士という壁を乗り越えて結ばれた二人が、王子様とお姫様のようにめでたしめでたし、末永く幸せに暮らしました、などとおとぎ話のようにはいかないことを知っている読者には、溜飲の下がる思い。シビアだけど。
どんな熱愛カップルでも、夫夫ゲンカもすれば、浮気もして、心が離れてしまう事もありえるのです。事実はそんなもの。
大学教授の洸一と作家の千里も、例にもれずささいなことでケンカになり、家を出たのは攻の洸一でした。憤懣やるかたない洸一はヤケになり、夜の新宿で自分の子供くらいの年齢の健太と知り合います。そして、なりゆきで遠くに行きたいという健太と3日間一緒に、東北を旅する事に。千里と面影が似た健太と、生まれ育った場所に近い地方を旅行することで、洸一は忘れていた愛する人への想いを甦らせるのです。
ケンカしてキレて家を飛び出した洸一が、冷静になって自分を見つめ直す様子が淡々と、丁寧に描かれていて切なくさせられました。色っぽいシーンはなかったけれど、洸一の気持ちが全部頷けるくらい上手く描かれています。
書き下ろしは同じ時間が千里視点で読めます。これがまた面白かった!2004年の投稿作品だった表題作より、垢抜けています。こちらはプラス、知りたかった二人の大学時代の出会いから恋人同士になるまでが、千里の回想という形で知ることができるのがポイント。昔を思い出すことによって、千里の洸一への情熱もまた熱く甦るところがステキでした。セックスレスだった二人のお久しぶりなベッドシーンに照れました。
「未来航路」は、グッと軽いタッチでラブ復活ぶりが上手く描かれていて、湿っぽさを一掃しています。健太のこともきちんとおさめていて拍手。 -
大学教授×小説家
大学時代から共に暮らして20年…。しかしこの数年は、身体を重ねることもなく、お互いの生活のリズムの差にすれ違いっぱなし。
「俺はお前のなんなんだろうな」
喧嘩のはてに、主人公は二丁目でパートナーの学生時代と瓜二つの少年と出会い東北方面に旅に出る…。
大学時代の出会い、やりとりを思い出すとともに、少年の事情も見え隠れして…。
大学時代から20年。
…四十路ですか!え、買います買います!ってことで、麻生ミツ晃さんのイラストが背中をおしてくれての「おっさんとイラスト買い」で手元にやってきたこの本。
面白かったです!
決してハデさはないのですが、しっとりとじっくりとお話を重ねてくれている実感があります。
それは話の展開による部分もあるのでしょうが、メインが40代二人と20代二人という平均年齢や、主人公の性格のせいかな、と。
40代というには麻生ミツ晃さんのイラストは若干若い気もしますが、それがまたいい味がでてるきがします。 -
★4.5
20年愛のお話。
長い20年の間のあれこれ、もっと聞かせて欲しいと思いました。
こういう生身のお話を読みたかったので満足。 -
出来上がったカップル
恋愛成就話ではなく、慣れきった二人の日常
長い間に、心が、微妙にかみ合わなくなっていたりするんですね
そんなこんなな、二人のお話です
麻生ミツ晃さんのイラスト買いだったのですが、思いもかけず、好みのお話でした -
「交際20年、倦怠期の四十路カップルのお話」というあらすじに
興味をひかれゲット。オッサンオッサン言ってるけれど、描写的に
それほどくたびれ倒している様子はないので、そこはひと安心?
3話に分かれている。
最初は攻めの大学教授(口下手)の目線で。
恋人との会話も今やほとんどなく、顔を合わせるのも数日振りという
ある夜、いつもの些細な苛立ち(もはや言い争いもほとんどしない)に
人肌を求めた先に出会った青年との数日の逃避。青年は若い頃の恋人に
そっくりで、青年との時間の中でやはり自分はまだ彼を愛していることに
気づき、部屋へ戻っていく。
2つめは、受け(小説家)の側から。彼らの出会いとなれそめ、そして
それを追想していきながら、相手に甘えそれゆえ壊してしまった2人の
蜜月を反省し、出て行ったまま戻らない恋人の喪失感、そして帰ってきた
彼とやっと「今も変わらずずっと一緒に居たいのは恋人だけだ」と
思いを告げ合う。
3つめは「自分にそっくりだと言う恋人に会ってみたい」と、攻めと
数日間を過ごした青年が、2人の部屋にやってくるお話。
「倦怠期」「同じパートナーと長い時間を過ごす」といった経験のある人は
「あるある」と頷いてみたり、若いころ(つきあい当初)とは違う
“好き”という感情の変化や、相手への諦め、自己反省、我慢がきくこと
きかないこと、などなど、思うところも色々出てくるんじゃないかな。
倦怠期、しかも片方の浮気時間も読まされるわけだが、彼らはお互いを
最も愛していることは伝わってくる。そういう瞬間ってあるよな、って。
すれ違っているようで、結局はお互いを見続けている。5年ぶりに体を
重ねる描写には、温かい切なさがあって◎。
大人だから楽しめちゃう作品です。 -
(あらすじ)
大学教授の宮地洸一と小説家の塚原千里は、
学生時代から連れ添って二十年の「恋人」。
しかし、ここ数年は一緒に暮らしながらも
セックスどころかまともな会話もない日々。
ある日、些細な諍いから洸一は煙草と財布だけを手に
家を飛び出し北へ…。
一方、千里は独り残された部屋で
互いに想い合っていた頃を思い出す。
かつてはあんなに愛しく想い、
添いとげようときめた相手だったのに…。
二十年の歳月を経て、凍りかけた想いに再び灯がともる。
宮地洸一(大学教授)×塚原千里(小説家)
(感想)
なんかね、思いやりって大事ね。
っていうか、一歩下がって相手を見るって大事ね。
当たり前のことなんだけど、何十年も一緒にいると
それを忘れる時があるんだよね。
自分中心になり過ぎるとやっぱりね。
でも浮気はダメよ二人とも。
健太君がいい感じの役割果たしてくれて良かったかも。
健太くんが、いい子で良かったよ。
これって倦怠期とかになりそうな人が読むといいのかも。
きっとすんなり自分に入ってくるよ。
なるほど、だから私にもすんなりきたんだ。
だけど倦怠期も過ぎ、こういう小説の時期も過ぎた人に
とっては、どうなんだろう…