祈り (ガッシュ文庫)

著者 :
  • 海王社
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本棚登録 : 111
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796400749

感想・レビュー・書評

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  • 冒頭からもしや…っては思ってたけど
    ハードだった…メンタルが…
    先輩麻薬取締官(マトリ)×新人マトリ
    ストーリーもクスリ絡みで。

    狂気に堕ちる一歩手前で必死踏みとどまろうとする受
    の心の強さが読んでて苦しくてでもそれが
    良くて。
    「祈り」続けることも意思の強さが必要なんだと。

    大曽根と薫。苦しかった過去乗り越え
    これから二人幸せになって欲しい!って
    思った

  • 予感はありましたが、見事にツボりました。少林寺が役に立ってねえじゃん!とか、そこまでワルに嵌めさせっぱなしじゃなくていいじゃん!とか、攻めとの甘々場面がもっとあっていいじゃん!とか突っ込みどころがあるにせよ、ラストのふたりの崇高なまでの愛の絆には涙するっきゃなかったです。語られる言葉もすごく美しくて、心に沁みました。文章を書き留めるだけじゃなくて【暗記したい】と思ったのは久しぶりだった♪綺月先生、現在BLを書いておられないと聞いていますが、復活されるまでに読破したいです。他も読みます(*´∀`)

  • ★3.0。薬物&セックス依存に堕とされながらも、法の裁きという使命のために自分を犠牲にする受の凄絶な戦い…面白くて一気読み!しかし萌えより辛さが上。序盤で攻とフラグ立てた後は終盤までひたすら加虐者・井原にヤられまくる描写で、凌辱萌えの私も流石に食傷に。最後の拷問のショック状態がエグい。最後くらい攻の救出を間に合わせて未遂で終わって良かったのに。その後一気に三年経ったのも多少消化不良でしたが、あまり攻の出番がなかっただけに、三年間キスもせず受を待ち続けたといういい人っぷりと深い愛に今一つ感情移入しきれず。

  • 満員電車の中、片手で自分の体を支えてくれた精悍な面立ちの大人の男に憧れて、とか、一見物凄くBLファンタジー設定の王道のように思うのだが、主人公の薫がトラウマを抱えていながらそれに立ち向かおうといつも笑みを浮かべている様や、自分を堕落させた男との心理戦、そう言う「心の中の動きや計算」部分が緻密に書かれていると思う。どん底に在りながらも自己憐憫に浸りきって、その弱った姿を見せて同情を買うタイプではない薫が痛々しくて、それでいて実に人間臭く、いつの間にか物語に引き込まれるように一気に読んでしまった。ゾネの過去も、薫の過去も、BL作品内では予想の範疇内かもしれないが、作者の作風と言うものが「自己陶酔」に浸らない筆致で書かれている。ヒーローが最大のピンチに駆け付けるなどは、やはり王道なんだけども、その後の、病室のベッドの上でゾネの言葉と態度に「愛の形」を実感する薫の心理描写なども、作者の作風の言ったんだと思う。

  • 込み合った電車で優しく助けてくれた男性大曽根がマトリだと知り、少しでも近づきたくてマトリになった来栖。
    過去に自分を過ちへと導いた元彼の出現からやっと掴んだ日の当たる生活が蝕まれていく。
    元カレの非道な仕打ちにも拘らず、最後まで誠意を持って接する事は中々出来ないと思いました。
    ヤクザが絡むと痛さもありますが、それでも愛の力で乗り切る事は出来るんだ、と思わされました。
    感動致しました。
    梨とりこ先生の絵が美麗☆〜

  • BLとしてはかなり硬派。重いです。巷でもマスコミを騒がせる麻薬がらみの話なので、当然といえば当然ですが、ヘビーな内容です。

    ですが、薫登場のシーンは明るくて、微塵の不安も感じ取ることはできない仕掛けになってます。就活する薫が満員電車で運命の出会いをする場面は、とても印象的。憧れの職業と、憧れの先輩大曽根への思慕が、淡々と描かれていて、時折挟まれる暗澹とした心理風景がもの凄く暗くて、どす黒くて、そのギャップに衝撃を受けます。
    下手に頭が良いだけ、ほんとどうしようもない井原は、薫の暗黒過去の元凶なんですが、この二人の救いようのない関係が話の殆どを占めています。壮絶だし、リアルに迫るものがあるし、正直読んでいて心が折れそうになりました。
    でも、読み通してよかったと思います。
    人生をあきらめて、従順になって、それでも尚そこから這い出して「マトリ」という職業を薫はなぜ選んだのか、そして命にかえて何を守ろうとしたのか、ぜひ一読して薫の心理を追求してみて下さい。

    伏線の張りかたがとてもよかった。ま、細かいツッコミどころはいろいろあるけど、カフスとイチゴミルクは印象的で使えていましたね。
    あと、ストーリーの流れで凌辱シーンがてんこ盛りで読む人を選びそうですが、これがないと大曽根の気持ちとか、薫の決断とかが浮き彫りにならないので無駄なシーンではないと思います。それに、それほど痛くないかも。薫に強さがあります。で、適度に濃いエロさもあるので。
    タイトルの「祈り」もぴったりだったと思います。祈りが通じたのか通じなかったのか、そのあたりも見所です。

  • この作家さんのは初めてだと思います。絵師さんがすきすぎて衝動買いした覚えが。
    きれいな表紙とは打って変わっての内容の重さ、つらさ、エロさ。読み終わった後にどよん、ってきました。けど読み応えもあってわりと面白かったです。でも攻めと受けの関係よりも受けともう一人のほうとの関係のほうが多かったので攻め受けの関係が少し薄く感じられたような。

  • [麻薬取締捜査官同士]
    ベテラン×新人

    井原との絡みが多すぎて、
    大曽根と結ばれた時の感動があまり無かった。
    受けにもそれほど感情移入できなかったかもしれません。
    しかし、ストーリー自体はまぁまぁ面白かったです。
    もっと大曽根の心情がよく分かれば感動したのかな?と思います。
    梨とりこさんの絵が凄く素敵でした。

    ☆あらすじ☆
    来栖薫は、憧れの大曽根麻薬取締官の元で仕事をすることになった。想像通り彼は仕事のできる紳士だった。そしていつしか二人は互いを意識し始める。しかしある日、薫の前に元恋人が現れて大曽根に誤解されてしまう。「薫を幸せにするのが私なら、もっと嬉しかったよ」いつまでもこの人を見つめていたかった。けれどもう側にはいられない。ヤクに侵された元恋人が関わる事件に気がついた薫は、事件解決のためにある決意をするが…。

  • 綺月さん初読みです。ハードで面白かった。狂気に堕ちる一歩手前で必死に踏みとどまろうとする来栖の心の強さがいい。タイトル『祈り』…祈り続けることにも意志の強さが必要ですよね。でも来栖ならきっと大丈夫。大曽根と共に幸せに!

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