酷いくらいに (ガッシュ文庫)

著者 :
  • 海王社
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796400992

感想・レビュー・書評

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  • 元彼の弟×車椅子の恋人。
    前半は攻め視点で兄の恋人に
    切ない片想いから結ばれるまで。
    後半は受け視点で兄との馴れ初めや
    弟と付き合った後の話。
    時間軸が行きつ戻りつしますが
    混乱することもなく読みやすかったです。
    足の悪い受けが色んなことを諦めて
    生きているのは切なかったです。
    いざとなっても全く抵抗できないってのは
    怖いことだなって読んでて思いました。
    本人は「酷くされたい」って言ってましたけどね。
    出来た兄が人の心の分からない
    酷い人のように描かれていますが、
    読んでいくうちに実は出来の悪い
    (と思われている)弟の方が
    愛され体質なのだと分かりました。
    お兄さんはちょっとかわいそうだなと思いました。
    でも私も弟の方が好みです。ごめんねお兄ちゃん。
    後半の病んだ女の子の話はイライラしましたが
    広見がガツンと言ってくれてすごくすっきりしました。もっと言ってやれ。
    この女の子のエピソード自体は私は要らなかった。
    もっと二人の関係を掘り下げて欲しかったです。
    でも最後の絶倫気味なエッチは
    わりと好きだったから許します(笑)
    年下のいいところは体力のあるところだよね!

  • なんか兄ちゃん、そんなに言うほどそこまで悪い人じゃ無いのに物凄く悪者にされててちょっと不憫(笑)切なくて良かった。でも、後半の少女とのお話はあまり要らなかったかな。麻生さんの繊細な絵がピッタリ。

  • ん、攻めの勤め先の支配人が、とてもやわらかな雰囲気になっていたのが印象的でしたよ。

    メインの二人は・・・うん、頑張れ!!wwww

  • ひどいお兄さんだ。

  • 短編が2本入っていて、最初は攻めの広見視点。
    兄の恋人であった秋に惹かれ、でも秋は兄のことを深く愛していると思っていて「自分なら」と歯がゆく思う広見。
    広見は秋のことをとても綺麗で儚い存在だと思っていたけれど、実際の秋は愛されたいと強く強く願っていて、その悲痛な叫びが強く胸にきました。

    次の秋の視点のお話で広見が勘違いというか思い込んでいた部分が実はそうではなくて、というのがいろいろ見えておもしろかったです。
    コーデリアのくだりの秋の心情描写がもう胸に詰まってつらかったです。こういうところは本当に高遠さんはうまいなあと思います。

    広見のお兄さんが少し不憫な気がします。彼も幸せになって欲しいです!

    あのレストランが出てくるというので手に取ってみましたが、いいお話でした。
    障害者ということで少し敬遠したのですが、読んでよかったです。
    ディレクト―ルとシェフも元気そうでよかった!

  • イラストも文章も、ベテランでレベル高かった。
    障害を持ち、両親も喪っている受キャラが「かわいそう」という目で見られるのでなく「愛されたい」と心の叫びをあらわすシーンなど本当に良かった。
    なかなか重い題材だ。
    綺麗な受はふだんは儚ささえもかんじさせるけれど、そんなふうに内側には衝動や強い感情があって良いし
    攻キャラの性格も男らしくて素直で好感もてた。
    今後のお兄さんがどうなるかすこし気になる(((^-^)))
    また、物語の構成力も高くて、時系列が2章→1章→3章になっているのも新鮮だった。

  • 料理人見習い・瀬名広見×車椅子の翻訳家・愁藤秋

    ★4かなぁと思ったんだけど、なんかのりきれず。

    兄の恋人だった秋に想いを寄せる広見。
    パーフェクトな兄にコンプレックスを持ちながらも、自分の道を歩く広見は、若いながら芯のあるいい子。
    足の不自由さとそれによる孤独を受け入れる秋の淋しさが痛い。
    切なくて、高遠氏のお話だなぁと思う。

    例のレストランに勤めてるらしい広見。こんなコラボは嬉しいな。

  • ずるいな
    ないちゃったもん

  • 作家買いです。大好きなあのレストラン関係で、でも独立した話。

    冒頭から高遠センセらしいですね。瀬名広見の一人称で、飼犬コーデリアに語りかけるもう一人の人物への目線から始まる、憎いオープニング。秋って誰?何者?広見との関係は??と興味が深まっている瞬間、もう話に取り込まれちゃいます。
    読み進むうち、広見の秋への恋心や、兄に対する対抗心、家族との複雑な関係などが次第に明らかになっていき、とても満足度の高い恋愛ドラマになってます。

    あらすじを読んだ時には、車椅子とかの設定では痛い話なのかとかなり危ぶみましたが、そうではなく、どちらかと言えば切ない系でした。
    本編と書き下ろしで目線が交代するのは、いつもの手法です。私は今のところこの書き方が気に入っています。ともすると偏りがちな一人称なので、双方目線が無いと、せっかくのデリケートな心理描写がこっちに伝わりにくいし。
    広見は、あのレストランのシェフとか、好きで好きで好きで…な堂島みたいに、大事な男を傷つけて泣かせて、それから優しくしたいタイプです。ちょっと無神経なところなんか類似してるのは、高遠センセらしい攻です。
    ベッドシーンはエロくないけど胸キュン!すごくよかった。
    それより、おいしそうなお食事シーンにうっとり。オムレツ食べたくなりますよ。

    書き下ろしは、秋が虚勢を張ることを止めて、広見に自分のすべてを明け渡す過程が細やかに描かれています。
    秋の揺れる気持ちと、真摯な広見の愛情に涙腺が緩んじゃいました。その後もぜひ読みたいですね。

  • 高遠さんの透明感のある文章と細やかな心情描写に何度も胸が詰まりました。雑誌掲載作と書き下ろしで視点が変わるのでそれぞれの想いが理解しやすかったです。攻めも受けも相手を想うがゆえの己の願望との葛藤や、それによるすれ違いが切なくもどかしく心を揺らされました。憎まれ役である攻めの兄のコンプレックスもわかり、彼もまた迷える子羊(?)だったのだなぁと感慨深かったです。彼が地べたに叩き落される話もじっくり読みたいな(笑)そして、あのレストランのシェフとディレクトールが元気そうなのもわかって嬉しかったです!

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