蛇淫の血 (ガッシュ文庫)

著者 :
  • 海王社
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796402415

感想・レビュー・書評

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  • ごく普通に生活している、どちらかと言えばおとなしい側の美大生が実は組長の隠し子で、もう一人の息子との後継争いに巻き込まれいきながら、最後には組長としての自覚をもって覚醒する。攻は謎めいたボディーガード役。
    積読消化、と、あらすじから何となく先は見えるしちょっとやくざモノの食傷気味かな、と飛ばして読むつもりが、さすが沙野先生、文章力は言わずもがな、しっかりとした話の展開で、情景描写や背景描写も多すぎず少なすぎずしっかりとしていて、思いの外良かったです。覚醒部分では爽快感もありました。タイトルとちょっと雰囲気が違うかな。読んでよかったです。

  • 前読んだ作品の新装版。
    初恋の絵画の続き。そしてお気に入りの一冊です。

  • 極道の隠し子だった主人公が跡目候補にされて
    連れ去られて監禁される話。
    ボディーガードの男に犯されるわ
    異母兄に犯されかかるわ殺されかけるわで
    大変な目に遭う主人公が可哀想。
    ボディーガードの男に惚れてしまい、
    言われるままに入れ墨まで入れてしまって
    後戻りできなくなっていくのが辛かったです。
    後半で極道の血に目覚めたっぽいからいいのかな。
    どうせやらなきゃならないなら開き直って
    思いっきりやるといいと思います。
    あと、絵の才能があるところは救いだなと思いました。
    それも今までどおりにはできそうにないけれど・・・。
    エロは濃厚で回数も多めです。
    もっと凌辱風味かなと思ったけど意外と優しかった。
    描き下ろしで落ち込んだ主人公に角能が
    「袋が熱くなって、腫れてるな」って言うから
    てっきりけしからん袋の方だと思ったら
    涙袋だった。・・・と思ったら、案の定、
    「こっちの袋も・・・」とエロが始まった。
    そうだよね、涙袋を袋って略す人はいないよね、と
    安心して読みました。
    袋責めは別に好きじゃありません。

  • Amazonの評価が凄く良かったので期待して購入。一昔前のJUNEの雰囲気を出しながらも古臭くはなくて、なかなか良かった。でも帯で攻めの執着や陵辱的な強引さを期待させられたせいか、攻めが結構いい人だったのが拍子抜け。刺青はエロスだけど、受けが攻めにそこまで惚れるまでの過程が短く、感情的についていけなかった。あとあとになればいい男だと分かるので、受けは見る目があったってことか。人間関係希薄なわりに見る目あるって凄いね。

  • ▼あらすじ
    その日を境に、大学生の凪斗の平穏な日常は崩れ去った――。
    凪斗の警護を任されたという男・角能が現れ、岐柳組組長の隠し子である凪斗が跡目候補となり命を狙われていると言い放つ。己に流れる血を忌み怖れ、平凡な生活を必死に守ってきた凪斗。だが、護る者であるはずの角能に監禁され、冷めた眼差しで弄ばれる。
    「おまえは、俺に与えられた玩具だ」
    心も身体も翻弄され、淫らな熱に理性は浚われていき――。
    極道BLの秀作、書き下ろしも収録してついに復活!!

    ***

    極々普通の大生活をし、絵の才能もあった受けが流されるように刺青を入れてどんどん裏社会の人間に染まって行く様子にどうしても抵抗があり、イマイチ感情移入出来なかった…。
    ヤクザものは大好物なんですけどこれはあまり受け付けませんでした。
    文字通り、何もかも捨てるっていうのが…うーん…。
    やっぱり何か引っ掛かりを覚えてしまう。自分と重ねてしまうからなのかな。

  • 蜘蛛の褥を先に読んだんですけど…こっちも良いですね。面白かったです。
    カタギさんから極道の世界に入っていく、ただの日常に上手いこと裏の世界が交錯してきて、段々綯い交ぜになって凪斗の心を動かしていく描写はいい感じに煽られました。
    蜘蛛の方の攻めがさん付けもいいもんだなーと思いましたが、一回り差で反抗的な受けのさん付けもやっぱいいなーと思いますね。楽しかったです。

    最近警察、極道のどっちかの絡むような作品しか読んでないな…。

  • おどろおどろしいタイトルのわりに、内容は思ったほどヘビーじゃありません。(ダジャレか)
    でもタイトルの意味合いは内容にものすごくマッチしてた。
    自分の体に流れる禍々しくも妖しい血が、抑えても抑えきれない奔流のように、運命を突き動かしていく。
    大物ヤクザ組長の庶子として生まれた事をひた隠しにして静かに生きてきた美大生の凪斗。
    血なまぐさい世界とは無縁な普通の生活を送ることだけを願ってきた。
    けれども凪斗の描いた一枚の絵が、そのささやかな願望すらあざ笑うように、歯車を大きく狂わせていく。
    その絵から溢れ出す狂おしいほどのエネルギーに確かな血の絆を感じた組長が凪斗を四代目に指名したことで、望まない跡目争いに巻き込まれてしまう。
    凪斗を守るために現れたのは、傲岸不遜な角能という男。角能もまた組織に失望した過去を持ち、元SPというその腕を高く買われながらも、組内部に深く取り込まれることを頑なに拒んでいた。
    自分の意志ではどうにも出来ない大きな奔流に飲まれ、なすすべもなく絶望しても折れない凪斗の強さは、ただきれいなだけじゃない、底知れないポテンシャルを感じさせる。
    最初は成り行きで、いつの間にか身勝手に自分を抱いてくる角能に激しく反発しながらも、いつしか内に秘めた情熱を暴き出されるようなつながりに溺れる凪斗。
    角能に抱き始めた初めて恋心が、凪斗の隠された本性を開花させていく。
    行きがかり上引き受けてしまった凪斗に、気がつけば丸ごと絡めとられていた角能。
    本当の意味で相手に飲み込まれていたのは角能の方かもしれない。
    絶体絶命の状況に陥りながらも、まさかのチェックメイトで見せた凪斗の気迫と色気は圧巻。
    この忌まわしい血の枷から逃げられないのなら、全てを引き受けて相手を喰らうまでと、四代目を継ぐ代償に凪斗が望んだのは角能だった。
    “こいつに全てを捧げるのか”とそれは不思議なほど、角能の胸にストンと落ちる。
    フェロモンたれ流しの悪い男で、精神的にも肉体的にも優位に立っていた角能だけれど、この先の凪斗はホント計り知れなくて、いつか立場が逆転しそう。この先が気になるふたり。おもしょかった!!

  • その日を境に、大学生の凪斗の平穏な日常は崩れ去った――。凪斗の警護を任されたという男・角能が現れ、岐柳組組長の隠し子である凪斗が跡目候補となり命を狙われていると言い放つ。己に流れる血を忌み怖れ、平凡な生活を必死に守ってきた凪斗。だが、護る者であるはずの角能に監禁され、冷めた眼差しで弄ばれる。「おまえは、俺に与えられた玩具だ」心も身体も翻弄され、淫らな熱に理性は浚われていき――。極道BLの秀作、書き下ろしも収録してついに復活!!

  • シリーズ第1弾。新装版+書き下ろし。
    若頭×組後目。
    凪斗が余りにも頼りない印象だったのが、快楽を憶えるとあんなにも扇情的でそのギャップに角能もヤられた感じかしら?w
    墨入れしたあとの奈良先生の絵も色っぽさ全開!
    双頭の蛇の舌が…ww
    書き下ろしは賛否ありそうな仕上がりでした…。

  • 既読ですが書き下ろし付だったので新装版を購入。何度も読み返してるのに、また最後までじっくり読んでしまった…
    一見ハードな正統派任侠のようでありながら、そこにダークで官能的な愛がプラスされていて、独特の持ち味があります。
    読んでると、なんだか脳みそ痺れるかんじ。

    日本画を専攻するごく普通の大学生だった凪斗は、突然命を狙われた瞬間から人生が一変してしまいます。亡き母親が「凪斗」と名づけ、平穏な人生を歩むように願い戒めたにもかかわらず、角能という男が現れたことで、彼は岐柳組四代目候補としての生き方を余儀なくされます。
    最も嫌悪していた道を強制的に歩かされることになった凪斗が、あたかも蛇が脱皮するようにウブなお子ちゃまから魔性の極道に変化していくのが感動的。その一番の要因は角能への愛であるのが純情でせつなくて泣けます。そして、およそ組を支えていけるような器でもない一回りも年下の凪斗に、角能もまた魅入られて溺れていくのがエロかった。

    かなりの主従萌えでした。不遜な印象の角能が凪斗の前に跪くとこ(縛ったテープはずすためなんだけど)とか、守るために自分の体を張って凶弾を受けてしまうところとか。ベタだけど萌えポイント。
    子供じゃないのにおんぶされてしまって、しかも感じるというのもプレイちっくでエロス。
    そして、なんといっても凪斗が刺青を入れるシーン。角能が「俺がおまえのために用意した絵を、この肌に入れさせてくれ」と言いくるめる場面から扇情的で痺れた。
    極めつけは、匕首片手に覚醒した受の「俺に角能さんをください」プロポーズ。漢らしく成長した受とこれまた漢らしい姐さんに、はげしく萌え。

    書き下ろしは、心にズキンとくるシビアな話。もうカタギじゃないんだよ、という自覚と諦念かな。そこはもう「俺が受け止めてやる」と豪語する角能に、全て忘れちゃうくらいどうにかしてもらうのが正解みたいです。

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