花束を抱く女

著者 :
制作 : 莫 言  Mo Yan  藤井 省三 
  • JICC出版局
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本棚登録 : 10
レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796604710

作品紹介・あらすじ

1989年6月4日「血の日曜日」事件以来、事実上、発表禁止とされた莫言は、黙示録的小説「花兵を抱く女」をひっさげて、二年ぶりに文壇復活を遂げた。-地域共同体も血縁共同体も崩壊に瀕している現代中国農村の状況を的確に描き、新しい中国文学の胎動を伝える待望の第2短篇集。

感想・レビュー・書評

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  • ときおり、ふと思う…はたして文学は、
    絵画や音楽のように芸術的な表現であるのだろうか…?と、
    有限の言葉から選び、並べているだけではないのか…?と、
    もちろん絵画表現は、新たな色を創ることとは違うのだろうけど…

    ならば、これまでに、数知れず使われた言葉を並べながらも、
    誰も見たことのない地平が拓けたとしたなら、
    やはり文学も充分に芸術的な表現となるのだろう。
    本作を読みながら…そんなことを、つらつら考えていた。

    ノーベル賞受賞の知らせを聞き、手にした本書…
    莫言(モーイエン)の短編集だ。
    「透明な人参」「蠅・前歯」「花束を抱く女」の3編を収録。
    これまで出逢ったことのない表現が、確かにあった!

    たとえば…口づけする男の心情…

    ―長雨のときの生産隊飼育小屋のあのグラグラと沸き立つオンドル、
     竈のそばで鳴くコオロギの歌、石の桶のそばで飼料を咀嚼する
     カサカサという音、ラバがブルルと鼻を鳴らす音、鉄の鎖が
     石桶にガチャリと当たる音…
     すべてが彼の感覚の内に響きわたっていた。

    ボクは、こうした風景の中で暮らしたことはないのだけれど、
    でも、どこかで出逢ったような感じがする…おそらく、
    そうした未知の世界を既視に変えてくれるような、
    世界中の人に響く表現なのだろう…じっくりと味わいたい本だ。

  • 確かに、ガルシア・マルケス的

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プロフィール

中国・山東省高密県出身。小学校中退後、1976年に人民解放軍に入隊し、執筆活動を開始。『赤い高粱(コーリャン)』(1987年)が映画化され世界的な注目を集める。「魔術的リアリズム」の手法で中国農村を描く作品が多く、代表作に『酒国』『豊乳肥臀』『白檀の刑』など。2012年10月、ノーベル文学賞を受賞。

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