マイルス・デイビス自叙伝 (1) (宝島社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796616829

作品紹介・あらすじ

20世紀の音楽…ジャズ。草創期から常にその中心にいて、"帝王"と呼ばれながらも絶え間なく変化を続け、ついにはジャズの範疇からも飛び出した天才。「オレがやっているのは、ただマイルス・デイビスの音楽だ」と豪語した男の実像は、厳しいまでの努力と強烈な自負心に裏打ちされていた…。マイルス唯一の自伝が、待望の文庫化(全2巻)!"バード"や"ディズ"とのNY時代から始まる第1巻。

感想・レビュー・書評

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  • 長い、けどとても面白かった。自伝にして面白い人物ナンバーワンだろう。とにかく自分のスタイルで、自分がやりたいようにやる、を貫いた人。自分を信じる力と虚栄心が強烈にある。それと黒人差別への反骨心。
    ミュージシャンとしての才能は、個人の演奏技術は他にも優れた人がいたけど、マイルスは指揮者の能力、音楽をプロデュースする能力、自分を演出する能力で帝王になったと思う。読んでそれが良くわかった。
    いつ誰と組んでどういう曲に取り組んだか、レコードが残っているからできるのだろうが、途方もなく入れ替わりの激しいメンバーの名前と挿話を語ることができる、凄い記憶力に驚く。
    女づきあいも激しくて、印象としてマイルスの女はトロフィーワイフなんだなと。つまり人に羨ましがられるような女をつれて歩きたいという。いい女とつきあえる立派な男のオレってやつ。まあ、大体の男がその志向だろうし、正直で良いのでは。。
    あと、麻薬。よくあんだけやってて60過ぎるまで生きられたな。有名な人たちが軒並み3,40代で死んでいく中で。
    ロックなどに押されてジャズが売れなくなっていくと感じたら、帝王でも新しいことに取り組む、同じ曲を同じように演奏するオルゴールをやる気はない、だから新しい人と組む、新しい機材使う、っていう貪欲さは芸術家として素晴らしいと思った。マイルスでは前期のものばかりきいていたが後期のものも聴き始めるきっかけになって楽しい。

  • モダンジャズの帝王、
    マイルスデイビスの自伝。

    よく、村上春樹の小説を読んでいると、
    日常、頭の中の言葉が村上春樹風に
    なってしまうが、
    この本を読んでいると、
    頭の中の言葉が、ヒップでクールな、
    マイルス風になる。

    1950〜のジャズが好きな人は、
    まず間違いなく読むべき。
    出て来るミュージシャンの名前だけても、
    興奮する。

    また、例えばバードのエピソードひとつでも、
    いかに滅茶苦茶で破天荒な天才だったかを、
    知ることができる。

    あの辺りのジャズミュージシャンの中で、
    当時どんなことが内部で起こっていたのかを、
    きちんと分かりやすく、中立的に、
    話せそうな人といったら、考えてみれば、
    マイルスデイビスが適役な気もする。

    実際、話はとても面白いし、読んで得する本だ。
    この本を作ってくれた人、
    日本語に訳して出版してくれた人に、
    スタンディングオベーションを送りたい。

    マイルスには、つっぱって生きて来た人独特の、
    色気を感じる。

    ヒップでクールだ。

  • 今まで読んだ自伝系では一番おもしろい。マイルスの人となりと言うよりは当時のジャズシーンの風景がリアルに見て取れる。アートブレイキー、コルトレーン、ビルエバンス、マックスローチ、チャーリーパーカー、キャノンボールアダレイ、セロニアスモンク、フィリージョージョーンズというジャズ巨匠だけでなく、サルトルとの交流やエリザベステイラーなど有名人も。薬を予想よりも早く断っていたことは結構驚いた。翻訳もそれっぽくて◎。

  • “原液”のような語り口。その自己愛に癒されます。ほんのついさっき考えついたことも彼にとってはもう古くて、ありえないスピードで最高地点に行ってしまう。

  • ジャズやるならバイブル。イノベーションを生み出す経営哲学としても一級品だと思う。
    とにかくレジェンドたちのはちゃめちゃエピソードもすごい。

  • Jazzの帝王マイルスの自伝。上下巻纏めてのレビューです。
    バードのような破天荒なジャズマンとの交流やクスリに溺れた自身を振り返ってみたり、フランスでのサルトル達との交流やジャンヌ・モローとの恋愛が語られる場面も印象的ですが、この人のライフヒストリーがそのままBebop以降のJazzの歴史とシンクロしており、自伝とは言いつつもjazzの進化がどうやって生まれたのかについても語られています。
    この本を開くと、新しい音楽が生まれる瞬間はいつも刺激に溢れていると感じさせられます。
    jazzをある程度聞いてから読むとさらに面白くなるのでこの本単品の評価で星4つです。

  • マイルスの自伝は数ある音楽家の自伝の中でも飛びぬけて興味深い。Jazzの歴史はマイノリティであった黒人が自我を成立させていく過程とリンクしているのだけれど、この時代にあって圧倒的な自信、独自のやりかたを貫いたマイルスの存在価値は圧倒的。マイルスがJazzを電気化させ、そこからFunkや新しい音楽も育っていった。抑制の効いた彼のトランペットの音は、今の時代でも緊張感を持って聞くことができるし、思考を深めてくれるような気がする。音楽への極端な突き詰め方や新しい手法を使ってスタイルをスタイルを更新し続ける姿勢がこの期に発展するHip Hopや様々なClub音楽に今なお影響を与えている。真のInnovatorであり芸術家。

  • 音楽の話は抽象的でよくわからないところが多かったけど、40~60年代のアメリカの黒人文化のあらゆる側面を当事者の目線でとらえている、いわゆる"昔話"にあたるエピソードが面白かった。

  • ジャズ初心者の私にはハードルが高かったが、多くの物を得られる内容だった。
    マイルスの破天荒ぶりは凄まじいが、他の人たちもそれにまけじと破天荒。薬物中毒でどっぷりと薬にはまっているのに、演奏するとすばらしかったりするから不思議だ。精神も肉体もあまりにも健康だと逆につまらない物になってしまうのかもしれない。
    登場人物が多くて情報を垂れ流しにした状態で読んだが、もっとジャズについての知識をレブルアップした状態で読んだら、今よりももっと面白く読むことが出来、多くのことを得ることができるだろう。

  • 2-2 音楽論

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