蘇るおいしい野菜: 逆発想・永田農法の奇跡 (宝島社新書)

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  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796619226

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  • 話題の永田農法について、書かれている。
    ライターに少なくとも、もう少し、農業の知識が欲しいが、
    しかし、農業の素人がこうやって単純に驚くことに意味があるのかもしれない。

    永田農法は、ユニクロが提携し、そして撤退した。
    その原因はなにか、という現代的テーマでもある。
    柳井会長に、実際のことを聞きたいものだ。
    今後の農業の発展のために。

    永田喜代治さんは、農家の中で有名よりも、
    企業の中で有名な農家であるに違いない。

    おいしい野菜とは、どうやってできるのか?

    原産地ににた条件をつくり
    育苗は、いじめてつくり、
    最小限の肥料で、つくる。結果として糖度の高いものができる。

    比重がおもく、そして甘いトマト、それは、人々を驚愕させる。
    トマトは、1本の木から1万個以上の実をつけて驚かしたり、
    あまりにも甘くて、驚かせたりするスターである。

    永田農法は、2個から3個を500円で販売するなど、
    高いトマトでも有名である。

    トマトは、オランダでは、1ヘクタール100トンもとる。
    日本では、1ヘクタール60トンをとれる作物になってきている。
    きわめて多収穫だ。

    ところが、完熟トマトにすると急激に、収量が落ちていく。
    つまり、完熟にする時がつかれるのだ。

    永田農法での農業生産のポイントは、収量があまり望めない。
    だから高くせざるをえないのだ。
    つまり、経営的にかなり厳しい農産物、芸術品をつくっている。
    その芸術品を認めてくれることが大切だが。
     
    農家は、生産するチカラが1流でも、販売するチカラが、2~3流であるので、毛頭ブランド化できない。
    ブランド化にするには、ブランド化を促進する人々がいるのだ。
    そういう意味では、永田農法は、企業間やマスコミのチカラで、ブランド化できた。
    このような本が出ることが、ブランド化の一歩なのだろう。

    1ヘクタール 100トンを収穫できて、永田農法で作ったトマトができれば、それは、トマト温室は、宝の山となるだろう。

    確かに、原産地ににた条件にすればいいことはよくわかる。
    しかし、原産地のトマトから、いまのトマトまで、
    どれだけ育種されてきたのだろうか?

    確かに、トマトのDNAは、そう簡単にはかわらない。
    しかし、いまのトマトの育種の選抜条件は、
    ハウスで行われ、肥料のおおい環境でつくられている。
    つまり、トマト自体が進化しているのだ。
    それをいじめてつくれば、やはり問題も起こってくるだろう。

    原産地ばかりにとらわれる栽培条件は、いまの農業は、危険なのだ。
    なぜ、永田農法が、高いトマトで普及をするが、安くなれない。
    原因は、どこにあるのか・・その事を考えるだけでも、おもしろい。

    ちょっと、書評ではなく、永田農法への考察になってしまった。

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