- 本 ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784796640572
感想・レビュー・書評
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・武術では準備運動・整理運動はしない。整理運動が必要な動きは間違っている。身体全体をうまく使っていたら整理運動はいらないはず。終わった後にほぐしたいと思うのは偏った動きをしているから。
・基本は大切?正しい基本を身につけたせいで先にいけないことも多いのでは。
・「うねり系で思いっきりためる」のが大きな力をだす方法と思われているが、実際にはタメをつくらないで、全体の動きが直接参加する方が大きな威力をだせるが、技術的には大変難しい。
・ねじってはいけない
・もともと武士は貴族の用心棒だった。それが独立して支配階級になった。
・生は善、死は悪という偏見。
・「命は重い」「死は悪いことだ」というような単純な図式にして考えるのは危険。「死」に宿る意味は決してひとつではないし、価値もひとつではない。死はとにかく先延ばしにしなければいけないというような凝り固まった考えがあるように思う(井上)
・自分の思い通りに死ぬこともできない。切腹があった時代に比べて文化は進んだのかというと疑問(甲野)
・コミュニケーションが上っ面だけになっている。そのために想像力がものすごいスピードで失われている。
・生きている実感がない生ぬるい社会
・「なぜ生きるのか」なんて本当は言葉にならないもので、体感して納得するしかない。
・人は自分にとって異質なもの、困難と向き合うことで生の意味を知るという面がある。ところが現代はその困難が見えにくくなっている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今の時代に古武術をやる意味、ついでに現代における武士道のあり方についても言及している。
対談相手に「スラムダンク」井上を持ってきたのがベストチョイスで、ちゃんと話のわかる人がうまく話を引き出した感はある。ただ、あんまりにも話がわかりすぎて「すごいすごい」一辺倒になっている感はある。
しかしながら、古武術面白いな、と思った。
それは本当である。 -
とても興味深い本でした。お互いがプロフェッショナルで崇高でした。とても勉強になる。
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ふかい。
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19歳の時に初めて読んだ。
「はぁなんかすごいなぁ。自分には価値基準とかあるかなぁ。」程度の感想。
22歳(現在)に二回目の通読。
「なるほど、バランスの良い無理ない生き方がしたいなぁ。」「現代人の自由とは何だろう。」「これからの子供には自分で作った価値観を持ってもらうべきだろうがどうすれば良いのか・・・。」とか誇大妄想な感想。
三回目は何歳の時かな。その時はどんな感想を持つかな。本の内容を忘れたくらいにまた読みたいな。
対談とかは他人の価値観に触れて自分の思想が揺れ動くから、時間を空けて何回も読むことにもまた、楽しさを感じる。
他の人もこういう本は若いうちに読んで何回も読んでみてはいいのではないでしょうか。 -
そもそも人生は「どうせ死ぬのに生きている」という矛盾そのものです。
「矛盾を矛盾のまま矛盾なく取り扱う」
よく「正しい基本を身につけよう。応用は上手になってから」と言われますが、実はなんの根拠もない。教える側が自分達の権威を押しつけたいだけというのが真相だと思います。
辛いことに耐えたら良いことがあるというのは幻想なんでしょうね。
忙しくなると「時間がない」と考えるのではなく「予定と予定の間に、これだけの時間があるな」と見えてくるようになります。「ない時間」を見るのではなく「ある時間」が見えてくる。その意味では、忙しいのも悪いことじゃないと思います。
達成感はある面、進歩の敵です。もちろん、ある程度は必要ですが、それで満足してしまっては駄目。
ただ、稽古は止めどきが難しいんです。最も良いのは、だんだん気持ちがのってきてピークになる直前に止めること。そうすれば、極端な話し、寝ている間も体が考えて工夫するようになります。
才能のある人間は、単純な反復練習の中でも、毎回新しい試みをしています。一連の動きの中で、自分の身体をどう組み合わせるかを微妙な部分で考えて要るんです。 -
帯裏
第一章 剣豪、宮本武蔵とは何者か
第二章 剣術の奥義、スポーツの技
第三章 常識にとらわれない武術の発想法
第四章 武士、豪傑たちの勝利学
第五章 新しい武士道の生き方
■武術で覚醒するカラダ -
スラムダンクやバガボンドの作者井上雄彦と古武術の
甲野さんの対談。
はっとなることが多い本だった。
やっぱり美学は大事なんだな。
著者プロフィール
甲野善紀の作品





