カフーを待ちわびて

著者 :
  • 宝島社
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レビュー : 279
  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796652124

感想・レビュー・書評

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  • 『 嫁に来ないか。幸せにします
    与那喜島 友寄明青 』

    『 迷いながらもひとすじの希望を持って
    あの絵馬に書いてあったあなたの言葉が本当ならば
    私をあなたのお嫁さんにしてくださいますか
    近々お訪ねしようと決心しています 幸 』

    1枚の絵馬に寄って出会った明青と幸

    海へ続く白い道 、ひとつ目の角に立つガジマルの大木
    海の向こうに広がる水平線
    赤いハイビスカスの花束
    海辺で戯れる黒いラブラドールと白いワンピースの女性
    小学校の校庭に枝葉を伸ばして立つデイゴ

    どのページにも紙面いっぱいに沖縄の島の風景が繰り広げられ、
    まるで映像を見ているようだった

    タイトルの「カフーを待ちわびて 」の 『カフー』とは、果報・幸せという意味だった

    ( いやなことは、胸ん中で、みっつ数えるんだよ。そうするうちに通り過ぎる )
    どうすることもできず、耐えて、通り過ぎて行くのをひたすら待つ・・・そんな風に生きてきた明青が、
    自ら、幸せを掴むため、幸を探しに行く

    南国のさわやかな風が優しく吹いているようなステキな話だった






  •  いやー、傑作だった。
     「嫁にこないか、幸せにします」とか書かれた絵馬を頼りにやってくる女と、その女を疑いながらも惰性的に受け入れる男。そんな2人の奇妙な生活に、南国のゆったりとした時間の流れと裏のおばあが、いい感じに混ざり合う。
     
     明青が、幸からもらった最初の手紙を読んで、いたずらだと思いながらもいつ来るか、いつ来るかとそわそわして待っているところや、幸を迎え入れたものの、幸の素性をまったく知らないため、いつふっといなくなるかと、明青が気をもむところ、とっても共感できた。
     ずっと一人で生きてきた明青が、幸との生活に馴染んで、「また一人になったらどうしよう。でもそうなったときに傷つかずにいるために、過度の期待はせずにいよう」と必死に自分をごまかす。けれど、幸への思いは、コップが水でいっぱいになるかのごとく、あふれてこぼれる。
     その思いを伝えられない明青のもどかしさといったら・・・!! 

     個人的には、この作品の終わり方も好き。男女がくっついてめでたしめでたしー、ではない終わり方。物語の続きを、読者それぞれが作っていけるこの終わり方が、とっても好き。

  • 優しいお話しだった。原田さんの本はそんなに沢山読んでないけど、どれも優しい。

    明青は本当にお人よし過ぎる。
    友達関係を壊したくないからって、もっと俊一と渡に怒っていいと思う。

    誰も本心をぶつけ合わないから、空回りになっちゃってるじゃん。

    でも突然現れたんだし、どうしても探り探りにはなっちゃうけどね。

    どんどん原田さんの本を読んでいきたい。

  • 絵馬にプロポーズしてみたら嫁が本当に来た話。タイトルが秀逸。話もうまくまとまっている。違和感のない沖縄方言もよし!登場人物の人間関係や心情をどう表現するのか知るために恋愛小説を読んでみようかなと思いたつ一冊だった。

  • あまり期待してなかったんやけど、キュンときた。

    キュンだぜ、キュン。

    島でスローライフとか、あんまり興味ない方やけど、このお話にはこのロケーションも大事。


    マハさんて原田宗典さんの実妹なんだね。びっくり。

  • 日本ラブストーリー大賞受賞作品
    メルヘンチックな物語やなと思いながら読んでいたら、ありゃ!騙されたんかいなと、え〜!物語はどうなるんやと!と思っていると驚きの事実が分かり、明青は、幸を探しに旅に出るところで物語は終わる。
    きっと再会して沖縄の島で幸せに暮らしたんだろうなと思う読書感でした。
    絵画がひとつも出てこない珍しいマハさんの小説でした。
    14年も前の小説なんですよね。
    印象に残った文章
    ⒈ 嫁に来ないか。幸せにします 与那喜島 友寄明青
    ⒉ 店員になるために、ここに来たんじゃないもの
    ⒊ 幸と、結婚しようと思う。

  • 一気に読了。
    沖縄に行きたくなった。

  • 又してもやられました原田マハの世界に。キュレーターだったから美術の話は皆ワクワクさせられるけど、美術を離れた小説も巧みに操る作家さんですねぇ。タイトルから かのゴドーを待ちながら を連想したけど全然違う話でした(^^; 遥か昔の甘酸っぱい気持ちを懐かしく噛み締めながら読了しました。

  • 沖縄の離島に流れる穏やかな空気や主人公の不器用な純愛ぶりが、どこか浮世離れしていてとても綺麗で、胸いっぱいに深呼吸をしたくなる。
    ただ、あまりに綺麗なので、幸せは自ら掴みとるんだというメッセージもさらさらと流れてしまいそうになる。

  • 本土とは違う自然、独特の文化や言葉の描写が満載のこの小説は、読む人の心を間違いなく沖縄に連れて行ってくれます。沖縄行ったことのない私だけどなぜか懐かしい気持ちにさせてくれる。
    犬のカフーと裏に住むおばあがとってもいい。いいストーリーでした。

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著者プロフィール

原田マハ(はらだ まは)
1962年東京都生まれ。小6から高校卒業まで岡山で育つ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部美術史学専修卒業。馬里邑美術館、伊藤忠商事株式会社、森美術館設立準備室、ニューヨーク近代美術館での勤務を経て、2002年よりフリーのキュレーターとなる。2005年小説化デビュー作の『カフーを待ちわびて』で第1回日本ラブストーリー大賞を受賞。2012年『楽園のカンヴァス』で第25回山本周五郎賞、『キネマの神様』で第8回酒飲み書店員大賞をそれぞれ受賞。2013年には『ジヴェルニーの食卓』で第149回直木賞候補、2016年『暗幕のゲルニカ』で第155回直木賞候補となる。2017年『リーチ先生』で第36回新田次郎文学賞受賞。2019年『美しき愚かものたちのタブロー』で第161回直木賞候補に。

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