星の王子さま: 新訳 (宝島社文庫 511)

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  • Amazon.co.jp ・本 (165ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796653077

感想・レビュー・書評

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  • 2005年に岩波書店の版権が切れた際、数社の版元が競うように新訳を出した『星の王子さま』。まさかあの『パルタイ』の倉橋由美子さんが翻訳していたとは知らず、思わず手に取った。
    初めて『星の王子さま』を読んだのは高校に上がるくらいだったと記憶している。なんだか筋立てがおセンチに感じられ、ピンと来なかった。その後も『星の王子さま』関連の企画にはまるで食指が動かずにきた。なぜ、多くの人がこの本を好きなのか、よくわからなかったのだ。
    今回、作者のサン=テグジュペリが本書を書いた時と同年代になって読み返して、意外なほどにすんなり入り込めた自分がいた。もちろん、これは倉橋訳が文章として非常に読みやすいことも理由のひとつだと思う。
    とはいえ、やはりおセンチだし、そのうえ少し説教くさいななんて思って本書を読み終え、倉橋さんの解説を読んで、ガーン! 自分の読みの浅さに反省した。倉橋さんの「謎解き」に沿って読み返すと、おセンチなんてとんでもない。シビアでビターな大人のための物語じゃないですか!深く読むことの本質を教わった気がする。

    • nejidonさん
      Minmoさん、こんにちは(^^♪
      いつも楽しみに拝見しております。
      今回はワタクシも「ガーン!」となりました。
      倉橋由美子さんの訳で...
      Minmoさん、こんにちは(^^♪
      いつも楽しみに拝見しております。
      今回はワタクシも「ガーン!」となりました。
      倉橋由美子さんの訳で出されていることも知らなかったのです。
      これは読まねばなりません。
      教えていただいてありがとうございます。
      2020/11/22
    • Minmoさん
      ありがとうございます
      ありがとうございます
      2020/11/22
  •  20歳の頃一度読みましたが、なんか違和感のようなものをずっと感じていた。狐が王子様に「飼いならしてほしい」という場面です。なんか不自然な感じがしていた。その後、解説に触れ大人の世界のメタファー的な愛人関係を求めていたことを知るのだ。そんな、大人が子供向けに書いたものじゃなく、大人が大人向けに書いたものなんだと理解した。だが、倉橋由美子はそれを「お願いだから仲良しになってほしい」と訳した。
     この本を読んでスッキリ、違和感なく心に入ってきた。多分、初版のものを読んで自分だったらこういう風に訳すのにな〜と思ったに違いない。

     この本の肝心なことはそんな事じゃない。狐が王子様に秘密を教えてくれる場面だ。

     「心で見ないいと物事はよく見えない。肝心なことは心で見ないと目には見えない」

    このこともこの本のテーマにもなってる。「好きな人」に好きと言わずに伝えるって、文学がすることなんだしそのことを言葉にしないで伝えるのが小説なんだと思う。「好きだ」という言葉を100回言ってもっ伝わりやしない。相手はその行間にある目に見えない沈黙から読み取るのだ。
     

  • 翻訳論のテストのために内藤訳と読み比べ。童話ではなく大人の読み物(小説)として訳すというコンセプトが面白い。倉橋さんの他の著書を読んでいないので何とも言えないけれど、ちょっと内藤訳にひっぱられ気味な気が。

  • 目に見えないものを心を通してみたら、大切なものがみえてくる。世界中の何よりも特別で大切なものを心の目で見よう。すると、世界が変わって見えてくるかも。
    最後王子さまが消えたのは、死を連想させる。死に対してどう考えるかはこれから読んでいく本で深めていきたい。

  • 読むたびに感じるものが違う。
    結末は知っているのに何度読んでも泣いてしまう。
    なぜ泣いてしまうのか、自分でもうまく言語化できないけど、、、。
    読み進める中で、小さくて繊細で今にも壊れそうな、でも大切な事を知っている王子様をパイロット同様失うのが怖かったのかも。
    私も気づけば大人と言われる年齢になったけれど、王子様が教えてくれた大切なことを日々思い出して大事に生きたい。

  • 初めて読んだ。泣けた。

  • 箱根の星の王子様ミュージアムにも行ってきました。(アイコンの写真)
    色々な言語に翻訳されてると思うから、その音読を聞いてみたい。

  • 子供向けでは無かった。もう一度読みたい

  • 子供の頃はピーター・パンのように、いつまでも大人になりたくないと思っていたものです。ところが十代も半ばを過ぎる頃には、早く大人になりたい、大人として認められたいと背伸びばかりするようになっていました。
    今、成人を目の前にして初めてこの作品を読み、自分が大切なモノを過去に置き去りにしてきてしまったような感覚に心がざわめきました...

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