シャトゥーン: ヒグマの森

著者 :
  • 宝島社
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本棚登録 : 198
感想 : 54
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  • Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796656399

作品紹介・あらすじ

北海道の北端に大樹海が広がっている。神奈川県の広さに匹敵する広大な森だ。平均気温は北極圏より低く、冬にはマイナス40度を下回る日も珍しくない。そんな土地の研究林を管理する鳥類学者の元で年末年始を過ごそうと、彼の親族や学者仲間たちが集まっていた。そこへ、ヒグマに襲われたという密猟者が逃げ込んでくる。車が横転してしまい動かず、電話も通じない。小屋に集った人々は完全に孤立してしまったのだった。やがて、体重350キロを超す巨大なヒグマが小屋を襲う。秋に食いだめに失敗して冬眠できず雪の中を徘徊するシャトゥーン(穴持たず)と呼ばれる危険なヒグマだった。密猟者の銃程度ではヒグマの動きを止めることはできない。ヒグマによって少しずつ破壊されてゆく小屋。そして、人食いヒグマへの恐れが、人々から冷静さを奪い去ろうとしていた…。第5回「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 極寒の地で冬眠せずに冬を越すヒグマ(シャトゥーン)の母子に翻弄される人間達の1週間((((;゜Д゜)))迫力ある話にぐいぐい引き込まれるけれど、時々引っかかる昭の行動と薫の甘さ(-.-)恐ろしい話だったけれど、これを読んで直ぐに、チーズ入りハンバーグを美味しくいただいた私って…(-_-;)と思った(^^;)

  • とりあえず怖かった。本を読んで怖くなったのは久しぶり。

  • 吉村昭『羆嵐』、木村盛武『慟哭の谷』と並ぶヒグマ三大文学の一つ(嘘)。『羆嵐』、『慟哭の谷』がいずれも三毛別事件に取材したフィクション、ノンフィクションなのに対して、『シャトゥーン』は同事件にかなりの影響を受けているものの完全なフィクション。全体的に登場人物が薄っぺらいせいでドラマ性が薄いし、現実味にも乏しいが、そんな話の詰まらなさを圧倒的な力で蹴散らすヒグマの迫力が凄い。

  • この人死にそうって人が死んで、残りそうな人が残った。
    子供なんて真っ先にダメそうだけどな。
    熊にしても猛吹雪にしても。
    あとそんなに戦えるかな?とも思ったけど。。
    でも面白かった。

  • ずっと怖い。熊には絶対に会いたくない

  • ヒグマという生物、生き物としての圧倒的強者を描いた作品として面白かった。
    残酷描写はなかなかのもの。
    欲を言うならせっかく学者(鳥類学者だけど羆の知識がある)人がいるんだから、ヒグマという生き物についてもっと専門的な話があったらさらに楽しめたように思う。
    ミステリー要素はなくたっていいくらい。
    三毛別羆事件などの実際に起こった事件を知って興味を持った人なら読めるグロテスクさ。

    獣視点に立った描写がないところが一番リアリティがあり、心を掴まれた部分。
    徹頭徹尾、人間を狩るべき獲物として捉えているところが純粋な野生動物然としていて好ましい。

    生物学上の圧倒的強者に次々と人間が屠られていく残酷描写を読みたい人には葉真中顕さんの【ブラックドック】がおすすめ。
    こちらはミステリー要素も人間ドラマもたっぷりの長編なのでどうぞ心して読んでほしい。

  • このミス優秀賞という事で、図書館で借りて読んだ。
    テンポが良いので、一気に読んだ。が、う〜ん、物足りない。
    熊が人を襲う描写は凄く細かく、熊の恐ろしさが良く描かれている。細かくて、微グロ。その割には仲間同士の関係描写はアッサリ。仲間が殺されても、撃たれても淡々とした 描写。
    ミステリー要素も物足りない。
    アイデアは良いけど、消化不足。

  • 2.6。羆薀蓄は面白いが、話がB級パニック映画の域を出ない。主人公とその娘と対峙する時だけ羆が妙に緩慢になったり気まぐれになったりするあたり。やたらラッキーだったり、腑に落ちない行動が何点かあるだけに白ける。とはいえ羆の恐さ凄さは伝わった。(これ読むと「ゴールデンカムイ」の姉畑や親分は漫画とはいえナメすぎ(笑)結構アッサリ羆倒してるし)

  • 怖がるタイミングがよく分からなかった。
    常にギンコは子供を連れている。
    どっちにしても母子は強いね。

  • 増田俊也氏の『シャトゥーン―ヒグマの森』を読了。シャトゥーンとは冬眠用の穴におらず外で活動するヒグマのことをいうとのこと。北海道で育ったので何度か悲惨なヒグマに寄る人間襲撃の事件は耳にして育って来たが、この作品は過去の事件を詳細に調べ上げ人を襲う熊の様子を見事に書き上げているちょっと恐ろしい作品だ。一応サスペンス仕立てにはなっているが、何と言っても襲ってくる熊との生き残りゲームがこの作品の肝だ。ヒグマの本当の凄さ・怖さが伝わってくるシーンの連続で女性にはあまりお勧めできない作品かも。何人も食べられてしまうので。ぐーたらしていてちょっと目が覚める作品を探している人には是非。絶対目が覚める事請け合います。そんな北海道奥地シマフクロウが生き残る大地を舞台にした本を読むのに選んだのはKenny Drewの“Christmas Songs". クリスマスジャズを掛けられるのも後二日か、早いなあ。

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著者プロフィール

1965年生まれ。小説家。北海道大学中退後、新聞記者になり、 第5回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞して2007 年『シャトゥーン ヒグマの森』(宝島社)でデビュー。2012年、『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』(新潮社)で第43回 大宅壮一ノンフィクション賞と第11回新潮ドキュメント賞をダブル 受賞。他の著書に『七帝柔道記』(KADOKAWA)、『木村政彦 外伝』(イースト・プレス)、『北海タイムス物語』(新潮社) などがある。

「2022年 『猿と人間』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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